BTC価格乱高下の背景を探る
イランの革命防衛隊に属するクッズ部隊のソレイマニ司令官の殺害によってアメリカ・イランの緊張状態が高まった中で、ビットコイン(BTC)が「有事の際の安全資産」と市場が判断したことはあながち間違いではないようだ。
急ピッチな価格高騰で一時8500ドル(Coinbase)まで高騰したビットコイン市場は9日未明に反落。約15分で3万円幅の急落を記録、早朝5時の安値7840ドルにかけて続落した。
イランは「行動を抑制している様子だ」とトランプ大統領が述べ、両国の対立が悪化するとの懸念が和らいだことが要因だ。
9日未明(1時30分)に、アメリカのトランプ大統領の演説が実施。アメリカ人(兵)の死傷者が0人であったことを報告、イランへの攻撃の可能性は低いとの認識を示し、状況悪化を避けたい考えを明確にした。
前日にトランプ大統領が演説を予告していたことで、金融市場の反応度が高まっていたのも一因にある。
イランによるアメリカ軍基地への報復攻撃で中東情勢の緊張が高まるなかで、安全資産の金や債権、中東の原油供給が減るとの懸念から原油価格が高騰。堅調な推移を続けていたビットコインにも資金が流入していた今回の事例。
改めて金市場とビットコインの市場を比較すると、その相関性は一目瞭然だ。(メイン:BTC、オレンジ:金)
金融市場を乱高下させた米国とイランの対立が、ビットコイン市場へも影響した形として見ることができる「有事のビットコイン」がチャートから見て取れた格好だ。
海外の著名アナリストWillyWoo氏はこのBTCの値動きについて、「有事の際の安全資産として、初めてのベータテストに成功した」と表現している。
I think Bitcoin just got its first successful beta test of being a war time safe haven, this is a pretty big test for Bitcoin.
— Willy Woo (@woonomic) January 8, 2020
なお、3日からのニュースをBTCチャートに落とし込むと、以下のようになる。
クリプタクトの代表取締役 斎藤岳氏は、日経平均と金のBTC相関性調査(2019年2月〜2020年1月)をツイッターで投稿。この期間で連続した相関性は確認できなかったと指摘しつつも、逆に相関性がない点に新たな価値があると指摘した。
去年は割と「有事の際はビットコイン」という声もあったので、久々にBTCについて金と日経平均との相関をとってみた(本当はドルでやるべきだが)。結論は金とあまり相関ない。でも相関がないからこそ持つ価値は個人的にある。安全資産として金のような動きになると、なら金持てよとなり、魅力さがる。 pic.twitter.com/wzrsfcPxae
— Gaku Saito (@Cryptact_gaku) January 8, 2020