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モバイル決済関連の米公聴会、仮想通貨・ブロックチェーンも話題の中心に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

モバイル決済に関する米公聴会

「現金はまだ王様か」と題した、米下院のモバイル決済に関する公聴会は米時間1月30日に開かれた。

決済企業及び協議会代表、消費者擁護団体、金融包摂推進団体、そして研究機関の代表らが参加、見解を行い、作業部会メンバーからの質疑を通して今後の決済のあり方について話し合った。

下院に属するフィンテック作業部会の幹部メンバーの一人、Tom Emmer議員は、ブロックチェーン及び仮想通貨規制を明確にする新たな法案を提出するなど、仮想通貨・ブロックチェーン技術を支持する立場をとっていることで知られている。

Emmer議員は、この公聴会でも開会にあたり、議題は、現金が決済手段として有効なのかの検討ではなく、「どのようにして、金融取引へのアクセスをより簡単で公平にできるのか」とするべきで、モバイル決済が全ての人々に対する金融包摂を可能にする方法を見つけ出すことを望むと述べた。

そして現在広まっている決済手段として、アップル社の提供する決済サービスであるアップルペイなどと並び、ビットコインも「おなじみの名前」と紹介するのも忘れなかった。

アメリカにおける決済の問題点とは

アメリカにおける決済問題の一つとして、給与振り込みなどの銀行口座への振込制度が、リアルタイムで行えないことが取り上げられた。イギリスではリアルタイムの振込は2008年に、また隣国のメキシコではすでに2004年には実現しているが、アメリカではこのシステムは未だに導入されていない。

その結果、アメリカでは口座所有者が着金のタイミングを把握できず、預金残高不足により多額の手数料を取られるケースが多発しており、問題となっている。

また、一定の預金残高を保持していないと、銀行口座の解約を余儀されたり、口座開設を諦めるなど、既存の銀行システムに参加できない人口や、金融機関による過剰な本人確認書類の要求に答えられない移民などの存在が、金融包摂の課題として認識されている。

高速ブロードバンド普及が進んでいない地域などでは、新たなモバイル決済技術の恩恵を受けることもできないなどの問題点も提起された。

遅れをとるアメリカの決済業界

公聴会の議長を務めたLynch議員は、アメリカとは異なる決済システムで成功を収めている例について質問を行なった。

研究者としての証言を行ったBrookings Institute研究員は、中国の事例をここ10年で起こった「決済革命」と呼び、アリババやテンセントなどの大手テクノロジー企業によって運営されるシステムは、アメリカよりも「はるかに効率的で、はるかに高速で、やや気が遠くなるほどの採用レベルに達している」と紹介した。

また、中国では銀行が決済の仲介を行うことは稀だが、アメリカでは、「法および規制上の枠組みは、決済が銀行業務に結び付けられていることを前提としている」と証言。現行法では、決済業務を行うことは銀行に限定されていないのにもかかわらず、慣習として銀行が行っていることを指摘した。

ブロックチェーンによる解決策はあるのか

作業部会メンバーのFrench Hill議員は、「銀行とノンバンクが等しく利用できる、ブロックチェーンベースで規制に準拠した決済システムを作ることは可能だろうか」と質問。

それに対して、決済協議団体US Faster Payments CouncilのKim Ford氏は、可能かどうかは技術的な問題ではなく、規制上の問題になると答え、現在のブロックチェーン規制が一貫性と明確さを欠いていることを取り上げた。 また、PayPalのUsman Ahmad氏は、すでにブロックチェーンを使った少額支払いは行われていると言い足した。

革新技術や仮想通貨に対する偏見も

公聴会の中盤では、消費者団体Consumer Reports代表のChristina Tetrault氏に対して、Emmer議員がその仮想通貨を非難する姿勢を指摘する場面も見られた。

その中で議員は、仮想通貨やそれを支える革新的技術が「個人の金融の未来を築く機会を提供するだけでなく、自身の資産を管理する能力を与える」という事実を、しっかりと把握して欲しいと訴えた。

一方、Tetrault氏から、「仮想通貨XRPやRipple社のことを認識している」との回答を得たという。

仮想通貨や新しい技術に対して、よく理解することもなしに拒否反応を示す「毛嫌い」を批判し、ケニアとタンザニアで、大成功を収めたモバイル送金サービス「M-Pesa」の例を取り上げた。

ほかに、ボーダフォンやIBM(仮想通貨を使ったプラスチック回収への報酬プロジェクト)といった大企業が、これらの技術に真剣に取り組んでいることを強調した。よく知らないという理由で技術を恐れるのではなく、様々な技術をモバイル決済の可能な手段として検討することが大事だと主張した。

プライバシーと現金、そして仮想通貨

仮想通貨支持派のWarren Davidson議員は、現金がもつ匿名性の優位性について述べるとともに、ブロックチェーン技術では(秘密性ではない)プライバシーを守りつつ、透明性を保つことも可能だと説明。必要なのは、その技術を避けることではなく、いかに明確な規制の枠組みの中で活用していくかということであり、超党派でその策定に取り組むことが重要だと強調した。

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