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世界4大会計事務所PwC「2019年仮想通貨業界はM&A縮小傾向も、成熟化進む」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

全体的に縮小・成熟化へ

世界4大会計事務所の一つ、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は仮想通貨業界のM&A、資金調達に関する動向を調査したレポートを公開した。2018年、2019年の比較を行っている。

レポートでは、2018年に比べ、2019年はM&Aと資金調達それぞれの額、数などで全体的に減少傾向が見られた。M&A、資金調達併せてアメリカの比率が減少、アジアなどそれ以外の地域での事例が増加した。

出典:PwCレポート

資金調達では、2019年の資金調達の数は前年比で18%減の540、取引額は40%減の22億4000万ドルとなった。

また、地域別では依然としてアメリカの占める割合が46%と大きいものの、アジアや、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域(EMEA)が増加、2018年との比較ではその割合が下がっている。

資金調達のステージ別ではシードステージの割合が、71%から59%へと大幅に減少、シード期以降の割合が増加した。仮想通貨業界の成熟化が進んできていることが分かる。

では個々の事例についてはどうだろうか。2019年資金調達事例としては金額の多い順に株式の取引サービスを提供するRobinhoodや、Ripple、Bithumbなどが挙がっている。

なお、2018年のランキングにはBitmainやCoinbaseなど、基幹的な役割を持つ企業が載っていたため、着実な変化がみられる。

PwCは傾向として決済・ウォレット関連が資金調達を行った企業の上位10ケースのうち5つを占めること、10ケースのうちほとんどが米国でのものであることを指摘している。

2019年の投資家の上位5企業には、ConsenSys、CoinBase、Digital Currency Group、Fenbushi Digital、Pantera Capitalと、2018年に比べ仮想通貨に特化したVCなどがランクインする結果となった。

M&Aでは、2019年のM&A数は40%減の114件、取引額では76%減の4億5100万ドルとなり、資金調達よりも急激に減少した。

地域別では資金調達と同じくアジアや、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域(EMEA)の割合が増加している。

M&Aの上位10事例は、Kraken、Coinbase、Binanceなど、取引所によるものが目立ち、例えばCoinbaseはウォレット企業のほかに、ブロックチェーンの分析などを行うNeutrinoを買収したことは業界で多くの関心を集めた。

着実な変化も

双方ともアジアや、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域(EMEA)の割合増加が増加したが、額の大きな上位のケースを見ると、依然としてアメリカが仮想通貨業界で中心的な役割を持っていることが鮮明となった。

また、ブロックチェーンインフラ分野から、決済・ウォレット、取引所関連、レギュレーション・コンサルティングなど、具体的なソリューションの分野への変遷が見られたことが2018年、2019年の特徴となった。

PwCは今年に入って、仮想通貨ADAのカルダノ財団と、マーケティングなどで協力体制にあることを明らかにしており、監査サービスの提供などにおいて仮想通貨業界を成長分野として注目している。

参考:PwC「2nd Global Crypto M&A and Fundraising Report」

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