仮想通貨を3つに分類 ICOについても
シンガポールの税務当局(IRAS : Inland Revenue Authority of Singapore)が17日、デジタルトークンへの課税ガイドラインを発行した。
このガイドラインは以下の種類のトークンを対象としている。
- ペイメントトークン(ビットコインやイーサリアムなど支払いに使えるトークン)
- ユーティリティトークン(商品やサービスへの権利を表すトークン)
- セキュリティトークン(ブロックチェーンを用いて電子的に発行された有価証券)
また、これらとは別にICOによって発行された上記トークンについても言及されている。
以下にそれぞれの扱いをまとめる。
支払いに使用されるトークン
ペイメントトークンは「無形資産」として扱われ、これを使用した取引は物々交換とみなさる。サービスを提供した事業者はその価値に応じて課税を、逆にペイメントトークンを使用して支払いを行った事業者は通常の控除が認められる。
ユーティリティトークンを使用した支払いは「課税対象となる所得を生み出す見込みは薄い」一方、商品やサービスとの交換に使用された時点で発生した金額については控除される。
ICO等資金調達に関わる報酬
ICO時に作成したトークンの一部を創業者に分配することがあるが、その場合はそのトークンが提供したサービスに対する報酬として与えられたかどうかで扱いが変わる。
サービス提供の対価として与えられている場合、それは収益とみなされ、創業者自身に課税される。
そうではない場合、例えば創業者が会社の設立やICOに出資していて事業体の所有権や議決権の付与のためにトークンを発行している場合は資本資産として扱われ、課税されない。
また、セキュリティトークンはリターンの性質、すなわち利息や配当があるかどうか、や所有者にとって資本資産であるか収益資産であるかに応じて課税される。
趣味のマイニングでの利益は非課税
ガイドラインによればマイナーへの課税は「利益を得る意図を持っているか」に依存し、趣味と判断されればトークンの処分損益は課税/損金不算入となる。
ただし、「習慣的かつ計画的にその活動から利益を得ようとする努力をしている」場合には趣味と判断されず課税されることになる。
仮想通貨取引の「消費税」免税
シンガポールでは日本の消費税制度にあたる「物品・サービス税(GST)」で仮想通貨を使った取引を免税措置とする法案が今年1月から施行されている。
なお、法定通貨にペッグされたステーブルコインは対象外となっている。