はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

原油急落がビットコインなど仮想通貨市場にもたらす影響、採掘速度はピーク時の9割回復

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

米国株のダウ平均株価は、前日比631ドル(2.7%)安の23018ドルと大幅続落した。 原油急落でWTI先物5月限が史上初のマイナスに突入したことを受け、市場のセンチメントが悪化している。

背景にあるのは、新型コロナウイルス(COVIT-19)感染拡大に伴い航空機や車の燃料など需要激減する中、原油の貯蔵施設やタンカーの貯蔵能力が限界近いと報じられるなど、過剰供給が露呈したことだ。

保管コストが嵩むのを嫌気して、行き場を失った原油の投げ売りが加速。期近先物では損失覚悟の売りが膨らんだ。コロナの影響で、世界原油需要は日量2000~3000万バレル減少しているとの試算もあり、OPEC(石油輸出国機構)と非OPECが合意した協調減産の日量970万バレルでは不十分との見方が強い。

上場投資信託(ETF)市場では、米最大手原油価格連動型ETF「USオイルファンド」が新規発行停止を余儀なくされた。USOファンドは、最も活発に取引されている6月限の先物契約をポートフォリオの約40%、7月限を55%、8月限を5%保有する。米株式市場では、火曜日のUSOは前日比25.1%安、過去最低の2.81ドルで取引を終えた。

エネルギー企業の業績冷え込みは深刻だ。すでに、テキサス州の原油・ガス生産会社などが破産申請に追い込まれており、経営破綻や債務不履行(デフォルト)の連鎖が起これば、融資の多い一部地銀など米金融機関に波及するおそれもある。エネルギー企業は、多額の設備投資費用を賄うための社債発行や銀行融資に依存してきた側面がある。

ビットコインマイナーにも影響

原油価格急落による影響は、ビットコイン(BTC)のマイナーにも波及している。

BTCのマイナーの中には、石油会社で生まれる余剰ガスをエネルギー源にしてマイニング機器を稼働させている企業も存在する。 現在の原油価格の混乱が続き、それが石油会社の経営破綻につながれば、エネルギー源のガスを入手することができなくなるため、マイナーの撤退およびハッシュレート低下に繋がる可能性も考えられる。

ビットコイン(BTC)動向

22日の仮想通貨ビットコイン(BTC)は、前日比0.26%高の74.6万円(6880ドル)。

4月2日以降は6500〜7500ドルのレンジ内で推移しており、半減期を前に一定の底堅さも見せる反面、原油安などコロナの影響を見定めるべく投資家が慎重姿勢を強めるなど、迷いがあることが伺える。

一方、ビットコイン(BTC)半減期まで22日と迫る中、ハッシュレート(採掘速度)は、ピーク時の91.8%(1.1億TH/s)まで大幅回復し、高止まりしている。3月の暴落後にはピーク時の76.4%の9400万TH/sまで落ち込んでいたが、復調した現在は少なからずマイナーの稼働は維持していることが確認できる。

関連:速報 仮想通貨ビットコイン難易度「+8.45%」で調整完了 半減期後の警戒ポイントは

金市場の反落が示すもの

22日にかけて、一時1750ドルまで高値更新していた金(Gold)価格も、原油急落を受け一時1660ドルまで下落した。

金価格チャート

3月中旬の国際金融市場の暴落では、金や米国債などリスク資産以外も投げられる「Flight to cash(現金への逃避)」の流れが加速しており、リスクオフで買われていた金や米国債(U.S. Treasuries)まで大幅に投げ売られ、ビットコイン(BTC)価格も前日比40%以上暴落した。

株式の暴落で株の信用取引をしていた個人投資家による「追証回避」売りが過去最大規模にまで膨らんだほか、資金繰りが厳しくなることを見越した企業も現金化を加速したことも背景にある。

米国ではすでに、無制限QEなど臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、追加の大規模量的緩和を発表している。

市中銀行が保有する中央銀行の当座預金残高量を拡大させることによって金融緩和を行う「量的金融緩和政策(Quantitative easing、QE)」に伴う米ドルのインフレ懸念からビットコインに需要が集まるとの論調もあるが、当面はコロナの影響に伴うFlight to cash(現金への逃避)の懸念の方が上回りやすい環境下にあることは否めない。

市場では、実体経済へのダメージが長期化することを見越した長期保有の年金基金や政府系ファンドが米国債の運用配分を減らし、民間金融機関の保有国債売却が相次ぐなど、不測の事態に備えた「現金化」の流れが進んでいる。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/03 金曜日
18:27
野村HD傘下Laser Digital、暗号資産交換業登録を目指す
野村HD子会社Laser Digitalが、日本で暗号資産交換業者登録を目指し金融庁と協議中。スイス発の同社は国内金融機関向け事業展開を計画。
17:37
積立NISAの次は?35歳会社員のイーサリアム投資入門
積立NISA実践中の35歳会社員が、次の投資先として注目するイーサリアムステーキング。月5,000円から始められる暗号資産投資の基礎知識、積立NISAとの違い、リスクと対策を専門家がわかりやすく解説。家族への説明方法も紹介
17:36
月2万円で始めるイーサリアム 35歳会社員の積立シミュレーション
月2万円のイーサリアム積立投資で5年後の資産はどうなる?35歳会社員が実際の数字でシミュレーション。頭金50万円のケースや価格変動パターン別の詳細な試算結果、始め方の3ステップまで具体的に解説します。
13:55
「ミームコインは仮想通貨への入り口として重要」=ギャラクシーデジタル考察
米仮想通貨金融大手ギャラクシーデジタルは最新レポートで、ミームコインはもはや単なるブームではなく、仮想通貨市場への新規参入者誘致に重要な役割を果たしていると指摘した。一方、ごく少数のトークンのみが生き残り、大半は衰退するなど、ギャンブル性が高いことには注意を促した。
13:30
アーサー・ヘイズ、「フランス債務によるユーロ増刷はビットコインを上昇させる」
著名アナリストのアーサー・ヘイズ氏が、フランスの債務問題によるユーロ増刷が仮想通貨ビットコイン価格を押し上げると予想した。ドイツ・日本の資本還流の可能性も指摘する。
10:40
ビットコインに10月の季節的追い風、「アップトーバー」で高騰の可能性=アナリスト分析
ビットコインの10月高騰傾向「アップトーバー」に注目が集まっている。ブルームバーグ、ヤフーファイナンス、JPモルガンなどの分析をもとに、その背景にある季節要因や市場材料を解説。
10:02
スイ財団、エセナ、スイ・グループが独自ステーブルコイン「suiUSDe」「USDi」立ち上げへ
仮想通貨スイのトレジャリーであるスイ・グループと、スイ財団、エセナが協力し、独自ステーブルコイン「suiUSDe」「USDi」を発行する計画だ。特徴など詳細を解説する。
09:45
トークン化株式xStocks、「Wallet in Telegram」に対応拡大へ
トークン化株式のxStocksは、テレグラム向けの仮想通貨ウォレットWallet in Telegramに対応を拡大すると発表。10月の終わりから段階的にローンチする計画である。
08:45
イーサリアム「フサカ」、ホレスキーテストネットで稼働開始
イーサリアム開発者はホレスキーテストネットで次期アップグレード「フサカ」が稼働したと報告。10月14日と28日に他のテストネットで実施後、12月3日のメインネット実装を予定している。
08:10
ビットコイン12万ドル突破、米政府閉鎖で無政府資産として再評価強まる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコイン市場は10月1日以降、上昇基調を強め、3日にはついに12万ドルを突破した。米政府の閉鎖および財政問題が続くなか、ビットコインの「無国籍資産」としての特性が市場で強く意識されている。
07:40
XRP財務戦略を拡大へ、ナスダック上場のVivoPowerが約28億円を調達
仮想通貨XRPの財務企業VivoPowerは、普通株の追加発行で約28億円の資金を調達したことを発表。調達した資金はXRP財務戦略の拡大と負債の返済に活用するとした。
07:40
デジタル証券とステーブルコイン連携、日本版トークン化MMF実現へ
三菱UFJ信託銀行子会社のProgmatが315組織による日本版トークン化MMFの検討結果を発表。ステーブルコインと連携し、ブロックチェーン上で証券取引から決済まで完結する仕組みの実現を目指す。国内デジタル証券市場は5,189億円規模に成長。
06:50
スペインBBVA銀、ビットコインとイーサリアムの24時間取引を開始
スペインの大手銀行BBVAが同国の主要金融機関として初めて24時間体制の仮想通貨個人取引サービスを開始。顧客はモバイルアプリを通じてBTCとETHの売買が可能となった。
06:20
ナスダック上場のフィテル、2.2億円相当のPUMPを購入 株価は下落
ナスダック上場の豪フィテル・コーポレーションがミームコイン発行プラットフォーム「パンプファン」のネイティブトークンPUMPを150万ドル分購入した。アークインベストが最近のレポートでパンプファンを高く評価している。
05:55
「金と比べて過小評価」、ビットコインの年末価格を16.5万ドルと予測=JPモルガン
JPモルガンのアナリストがビットコインの年末価格を16万5000ドルと予測。また、シティグループは13万3000ドルと予想。BTCは3日に12万ドルを突破した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧