はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン半減期後、ハッシュレートとマイナー収入はどうなった?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン半減期後の重要指標を振り返る

ビットコイン(BTC)は5月、マイナーのブロック承認報酬が12.5BTCから6.25BTCに半減する「半減期」を迎えた。

半減期後には、利益があげられなくなった非効率なマイナーがマイニングの停止を余儀なくされ、保有しているBTCも売却される懸念がある。さらにマイナーの撤退が相次げば、一部のマイニング企業に計算力が集中し、「51%攻撃」などのネットワークの安全性を脅かす問題が発生する可能性がある。

このような理由から、半減期後のハッシュレート推移はBTCの価格形成に大きな影響を及ぼす。

以下では、半減期後のハッシュレートなどの重要な指標を振り返る。

ハッシュレートとビットコイン価格の関連性

ハッシュレートとBTC価格には相関がみられる。それには以下のような理由が挙げられる。

マイナーの楽観がハッシュレートを押し上げる

マイナーが新規参入をする際には、マイニングマシンなどへの投資に多くのコストが発生する。したがって、投資のリターンになる将来のBTC価格に明るい見通しが立たない限り、マイナーは新規参入をしにくい。逆に、マイナーが将来のBTC価格に楽観的になれば、新規投資が行われ、ハッシュレートが向上する。

ハッシュレート上昇によるネットワーク価値の向上

ハッシュレートの上昇時には、マイナーの新規参入などによって、ネットワークの承認能力が多くのマイニング企業に分散する傾向がある。一部の企業によってネットワークの承認を操作することが困難になれば、ネットワークの安全性が向上する。

長期的に見れば、BTC価格の上昇とともにネットワーク全体のハッシュレートも急速に成長してきた。

出典:blockchain.com

ハッシュレートの推移

半減期によってBTC報酬が半減したことを受けて、マイナーの一部がビットコインネットワークでのハッシュパワーを減少させている。半減期前に125.7 EH/sだったネットワーク全体のハッシュレートは、5月20日現在87.0 EH/sまで低下した。

出典:blockchain.com

一方、主要マイニングプールのハッシュレートのシェアには大きな変化が見られない。これは、大手マイニングプールで一様にハッシュレートが20%から30%低下したことによるものだ。そのような中で、中国拠点のLubianなど大きくシェアを伸ばしている新興マイニングプールの存在が目立ってきている。

出典:blockchain.com

関連:ビットコイン半減期で撤退したハッシュレート回復に見通し 中国業界関係者

採掘難易度の推移

半減期後初となる採掘難易度調整は5月20日に行われた。

BTCでは1ブロックの生成時間を一定(10分)に調整するため、計算速度を表すハッシュレートが低下(上昇)したときには採掘難易度も低下(上昇)する関係が成り立つ。

したがって、半減期に伴うハッシュレートの低下によって掘難易度が低下することが事前に予想されていた。実際の採掘難易度の下落率は約6%と、コロナショックによる相場下落後の採掘難易度下落率(19%)に比べて限定的だった。

出典:blockchain.com

マイナー収入の動向

BTC新規発行による報酬と取引手数料を足し合わせて計算される1日当たりのマイナー収入は半減期直前の1720万米ドルから大幅に下落。5月20日時点では880万米ドルで推移している。

出典:blockchain.com

内訳をみると、半減期直前に79万米ドルだった取引手数料は5月20日時点で186万米ドルまで上昇しており、半減期に伴うBTC報酬の減少の一部を取引手数料の増加で補っていることが分かる。

出典:blockchain.com

ハッシュレートに影響を及ぼす今後の材料

中国の雨季

中華系マイナーが多く立地する四川省は5月から雨季を迎える。雨季には水力発電によって電力供給が増加することから、中国マイナーの電力コストが低下する可能性がある。

中国四川省に位置する雅安市では最新のガイダンスで、地元政府が過剰な電力を消費するために、ブロックチェーン企業に協力を要請していることを発表している。雨期の電力余り(長期蓄電ができない)を補うため、マイニング等で電力を生かす方針を取る可能性が指摘されている。

米国マイナーの新規参入

BTC報酬の減少に伴って一部のマイナーが撤退をする中で、米テキサスでのマイニングに注目が集まっている。

テキサスでのマイニングに期待が集まる理由は、運営コストの約8割を占めると言われる電気代だ。テキサスの一部には、産業用の電力料金が約0.04米ドル/kWhと格安な地域がある。これは大手マイナーが集中する中国四川省の基本電気料金0.05米ドル/kWhを下回る水準だ。

最近では、2月に米PayPalの共同創業者Peter Thielが出資したマイニングスタートアップLayer1 Technologyが参入。2021年の終わりまでに30%のシェアを獲得することを目標としている。このような企業は、半減期後も収益化の目途が立っている考えられ、ネットワーク全体のハッシュレート増加に寄与する可能性が高い。

関連:ビットコイン採掘業界に新勢力、米テキサスが注目される理由

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/16 火曜日
11:36
FOMC控え様子見基調の仮想通貨相場、デリバティブ市場は強気傾向
明日のFOMC会合を控え、市場の95.9%が25bp利下げを織り込む中、ビットコインは115,206ドルで小幅上昇。デリバティブ市場ではコール優勢の展開が続き、ETF流入も好調。利下げサイクル開始への期待が暗号資産(仮想通貨)市場の追い風となるか注目が集まる。
10:56
ロビンフッドが非上場企業投資ファンド「RVI」を計画 個人投資家の参加機会拡大へ
仮想通貨・株式取引のロビンフッドが米国で未上場企業への投資機会を個人投資家に提供するファンドの設立を計画している。SECに登録届出書を提出し、NYSE上場を目指している。
10:30
クレディセゾンのベンチャー部門、70億円超のWeb3ファンドをローンチ
クレディセゾンのベンチャー部門は、ブロックチェーンのスタートアップ対象のファンドOnigiri Capitalのローンチを発表した。トークン化RWAのソリューションを開発する企業に投資する。
10:12
コインベース支援のL2「Base」、独自トークンの発行検討を開始
仮想通貨取引所コインベース支援のL2「Base」は、ネットワークトークンの発行検討を開始。これまではガス代にイーサリアムを使用し、独自トークンの発行予定はないとしてきた。
09/15 月曜日
17:40
Web3インフラの進化はグローバル取引を変える|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で「グローバル取引の絶対基盤: 世界を繋ぐインフラ戦略」をテーマとしたパネルセッションが開催され、Web3インフラの重要性と発展に向けた課題、そして10年後のグローバル取引の展望について活発な議論が交わされた。
15:00
人工知能と人間の創造性、消費者アプリの活用事例|WebX2025トークセッション
WebX2025で専門家が人工知能エージェントの可能性について徹底議論。創造性や、人間の仕事を消滅させる可能性、安全性や開発上の課題などを多角的に話し合った。
12:25
イーサリアム財団がプライバシー強化ロードマップ発表 3つの重点分野で取り組みへ
イーサリアム財団が包括的プライバシー構築のロードマップを発表。仮想通貨イーサリアムのネットワークが世界的な決済レイヤーになることを前提に3つの重点分野に取り組む。
10:00
アジア仮想通貨規制の現状と課題:香港・台湾の最新動向と地域連携の必要性|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で、「アジアにおける規制フレームワークと今後の見通し」をテーマとしたパネルセッションが開催された。このセッションでは、香港と台湾の最新の規制動向から、仮想通貨規制におけるアジア諸国の国際協力まで、活発な議論が展開された。
09:55
「ビットコインは毎日最高値更新する必要はない」アーサー・ヘイズが語るBTC長期投資の真価
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏が、各国の金融緩和政策を背景にビットコインの長期的上昇を予想した。4年サイクルよりもマクロ見通しが要因になるとしている。
09/14 日曜日
16:00
DeFiが抱える最大の課題は? トークン化時代見据えソラナ財団らが議論|WebX2025
WebX2025でソラナ財団やBNBチェーンからDeFiの専門家が集いパネルセッションを行った。現在の課題やトークン化などの潮流、今後の各プロジェクトの展望を議論した。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トム・リーのBTC年内20万ドル到達予測やDOGEのETF上場計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
来週FOMCの焦点は? テクニカル的な買いがビットコイン相場を押し上げる可能性|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリスト長谷川氏による今週のビットコイン週次レポート。米雇用統計の大幅下振れとインフレ鈍化を受けFRB利下げ期待が高まり、BTC円は8月23日ぶりに1700万円を回復した。来週のFOMCでは年内3回の利下げ織り込みと政策金利見通し下方修正が焦点。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|新経連の仮想通貨税制改正提言に高い関心
今週は、トークン化されたポケモンカードのブーム、ナスダックのトークン化株式の取引承認申請、一般社団法人新経済連盟の仮想通貨税制改正提言に関する記事が最も関心を集めた。
09/13 土曜日
15:00
日本のRWAトークン化の最前線、市場の特徴や展望は?|WebX2025
日本のRWAトークン化市場についてWebXでディスカッションが行われた。最前線にいるプレイヤーを招き、市場の特徴や展望、制度上の課題などについて話してもらった。
14:35
仮想通貨取引所のキャンペーン・特典情報【2025年9月最新】
2025年9月更新:主要な暗号資産(仮想通貨)取引所が展開するキャンペーンと特典情報を徹底解説。仮想通貨取引の第一歩は、国内取引所の口座開設。初心者もトレーダーもキャンペーンや特典を駆使して、投資の機会を最大限に活用しましょう。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧