仮想通貨規制と税制について質疑
日本維新の会の音喜多駿議員は、明日2日に開催される「参議院財政金融委員会」にて、金融庁と麻生大臣に仮想通貨(暗号資産)に関する質疑を行うことがわかった。
明日6月2日(火)の所属参議院議員の質疑予定②です。
— 日本維新の会 (@osaka_ishin) May 31, 2020
♢音喜多駿参議院議員
【財政金融委員会】
(質疑予定時間)11:39~11:51
(内容)財政及び金融等に関する調査
ネット中継https://t.co/OK3kltV0wH#維新#音喜多駿 pic.twitter.com/MPYojhnV1N
参院金融委員会はインターネット中継され、音喜多議員が質疑を行う時間帯は「11:39〜11:51」の12分間が予定される。
質疑の内容
日本維新の会がTwitter上で公開した資料によれば、質疑内容は以下の3点を予定する。
金融庁への質問
1. 仮想通貨交換業等に関する研究会について
仮想通貨の証拠金倍率の議論を行なっていた「仮想通貨交換業等に関する研究会」のメンバーの選定理由。 トレーダーや暗号資産取引の実務者がほとんどおらず議論が不十分であると考えるが、見解は。
2. 仮想通貨の証拠金倍率について
仮想通貨の証拠金倍率(レバレッジ)を2倍に下げる規制は海外事業者への資金流出を招き、国内企業の資本力・及びサービス低下につながるなど問題点は多く、過剰な規制であると考えるが、金融庁の見解は。
麻生金融担当大臣への質問
3. 仮想通貨規制について、雑所得に区分される税制をあらためて、国際水準並みの税制にするべく金融庁が旗振り役となって要望するべきと考えるが、金融大臣としての見解はいかがか。
仮想通貨税制改革プロジェクトを発足
音喜多議員は昨年12月、PoliPoliを通じて、仮想通貨税制改革プロジェクトを発足。 「仮想通貨が世界の潮流になりつつある一方、日本は規制が強いために乗り遅れている。」とした上で、「今の状況を改善して、日本を仮想通貨先進国にすれば、ブロックチェーン技術の未来にも寄与する。」と言及。以下の4点を掲げていた。
- 最大税率55%の総合課税ではなく分離課税に
- 損益通算と損失の繰越控除
- 仮想通貨間の売買非課税
- 少額決済の非課税(実社会での仮想通貨決済促進)
日本維新の会は、同様の税制改正を掲げて「仮想通貨税制を変える会」を発足させた藤巻健史元議員も所属していた政党であり、2019年7月に開催された第25回参院選の公約に「AI、ブロックチェーン、暗号資産に注力」と記載している。
過剰規制の問題点
金融庁のパブリックコメント募集に向けた、仮想通貨メディアの共同声明(署名活動)でも言及したように、過剰規制が続けば、新規参入業者の減少や事業者撤退による流動性低下など、仮想通貨・ブロックチェーン業界にとってマイナスの側面が強く懸念される。
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今回、国会で質問が予定されるレバレッジ(証拠金倍率)取引は、国内における仮想通貨取引高の中でも大きなシェアを占めている。
日本仮想通貨交換業協会の統計情報によれば、19年11月の現物取引の取引高2800億円規模に比べ、証拠金取引の取引高は3兆円規模と現物取引の約10倍もの開きがある。
レバレッジ4倍規制が入る前のピーク時(2019年5月)にはビットコイン価格の高騰も追い風となり、レバレッジ(証拠金倍率)の月間取引高は12.7兆円に達するも、規制後は半減していたという経緯がある。
将来的に、税収の観点からも国の財源として期待できる新興産業発展の足かせとなれば、他国に大きく遅れをとることにも繋がりかねない。仮想通貨交換業者のサービスの質や市場心理にネガティブな影響を与えかねず、海外事業者への資金流出を招けば、利用者保護のための規制のはずが本末転倒との指摘も多く、「十分な議論」の必要性が国会で問われることになりそうだ。
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