はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨・ビットコインの「謎」 USDT発行増加の背景に迫る=Sino Capital

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

USDT発行増加の背景に迫る

仮想通貨USDT(テザー)の発行は、中国のOTCブローカーが主導しているとするレポートが、香港の投資銀行会社Sino Capitalより発表された。

CoinmarketcapのUSDT時価総額(概ね発行総数と時価総額が比例)は、17年から右肩上がりに推移しており、2020年のコロナショック以降その勢いを加速させている。6月11日時点で90億ドルに達したUSDTの時価総額は、XRPの時価総額を追い抜き3位に位置するほど、仮想通貨市場で存在感を示しつつある。

テザーの発行は基本的に需要に応じて発行される仕組みとなるが、裏付け資産の問題やそれを担保にしたマーケットの価格操作など、疑惑は絶えない業界の「懸念材料」でもある。

一方、現在のUSDT発行が実需に伴って発行されていると論じたのが、今回Sino Capitalのレポートだ。主に中国マーケットの裏事情との関連性を指摘した。

中国の裏事情

レポートによると、中国マーケットの大きさは世界が想像するより大きく、一方でそれを表に出せない事情がある。

政府はビットコインの所有自体を禁止していない一方で、取引を仲介する取引所の運営を禁止してきた。国民が国外取引所にアクセスすることや、取引所へ銀行サービスを禁止することもこの一環だ。

しかし、中国でビットコインの取引を行う点でグレーゾーンが存在する。これがいわゆる店頭取引と言われるOTC取引で、国際的にも水面下の取引として、広く知られている。

Sino Capitalは、このOTC取引の規模が世界が想像するより極めて巨大な規模であり、OTCで一般的に利用されるUSDTの需要を押し上げる特大要因になっていると指摘する。銀行取引を直接介さず、価格が安定するステーブルコインが中国のグレーゾーンと需要と供給がマッチしているという。

中国が仮想通貨取引の禁止令を発表した17年9月のUSDT時価総額は3.6億ドルでランキング24位。約3年で30倍まで時価総額を伸ばした計算になる。

Decryptの取材に応じたOTCブローカーも、このレポートを裏付ける発言をしている。

中国元とビットコインの取引自体は厳密には違法ではないが、このような取引が原因で銀行口座の凍結措置や閉鎖が起こる可能性がある。

USDTとビットコインの取引も合法とは言い難いが、一定数許容されている現状がある。

事業規模

発言を行なったブローカーに限った取引規模でも年間50億ドル(5500億円)規模に上るという。

口座はSilvergateやDeltec銀といった、仮想通貨事業者に公式でサービス提供を行っている銀行を利用し、仮想通貨を安定的に供給の面でも、欧米の事業者(ブローカー)と連携している。中国向けにOTC取引が行われているが、ブローカーのネットワークは欧米などの事業者とも連携した仕組みがあることを示している。

中国OTCの取引:大口と小口

Sino Capitalによると、中国のOTC取引には大口取引のほかに、一般投資家に対応した小口の取引システムもある。

富裕層や機関投資家を含む大口投資家に対応する店頭取引デスクも存在し、大規模な取引となるとSignalやTelegramといった匿名性の強いメッセンジャーツールや、対面での取引を中心に行われる。

一方、中国の取引所禁止令以降、国外に撤退した取引所も中国国内向けにOTCサービスを展開しており、個人投資家もVPNを利用して取引が可能で、決済はAlipayやWechat、銀行振り込みに対応している。

テザー取引は秘密裏に

中国の取引禁止令が出された後、18年以降の中国国内の取引需要を牽引したのがUSDTだったとレポートは述べる。

一方で、こういった背景の中で拡大したマーケットを公にする投資家や事業者はいないのが現状で、政府に情報を感知される可能性を最も警戒しているという。

人民元での取引が合法にならない限り、USDTへの買い需要はなくならないと見ている一方で、このような不透明な状況下で、テザー需要が必ずしもビットコインの価格を引き上げる要素(買い圧力)になるとは限らないと指摘。先物やレバレッジなども含めての影響か、ビットコインの価格に悪影響を与えているケースもあるとした。

レポートは、あくまでもUSDTを通じた市場アクセスは探知されないための方法であり、買い圧力か定かではないと言葉を結んでいる。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/29 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、リップルによるSEC相手の控訴取り下げやソラナ財務企業の株価暴落など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン下降チャネル上限届かず、PCE発表控え押し目形成の可能性に注意|bitbankアナリスト寄稿
今週の週次レポート 国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。 目次 ビットコイン・オン…
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メキシコ大富豪のBTC価格上昇予測に高い関心
今週はメキシコ大富豪のビットコイン価格上昇予測、米テキサス州のビットコイン準備金設立法案成立、金融庁の仮想通貨規制審議に関するニュースが最も関心を集めた。
06/28 土曜日
14:00
仮想通貨配分を4割まで推奨、米著名金融アドバイザー「従来60-40モデルは時代遅れ」と見解
著名金融アドバイザーのリック・エデルマン氏は最新見解で仮想通貨ポートフォリオ配分を従来の1%から最大40%へ大幅引き上げを推奨。
13:15
米上場Genius Group、ビットコイン買い増し構想 勝訴した際の損害賠償で
NYSE上場のGenius Groupが、訴訟勝利の場合に得られる推定10億ドルの50%をビットコイン購入に充当する計画を発表した。昨年よりビットコイン財務戦略を採用している。
11:26
イーサリアム取引量史上3位、価格低迷でもネットワーク急増
イーサリアムが6月25日に175万件の取引を記録し史上3位を達成。価格は低迷するもネットワーク活動は活発化、従来のアルトシーズン理論に変化の兆しになるか。
10:25
イスラエル当局、仮想通貨報酬によるスパイ容疑で3人逮捕=レポート
イスラエル当局がイラン諜報機関の工作員3人を逮捕。仮想通貨で報酬を受け取り、9000万ドル被害のノビテックス攻撃との時期的関連が注目されている。
09:45
ポリマーケットの評価額10億ドルに達する見込み USDCにも恩恵か=コインベース
分散型予測市場ポリマーケットが2億ドル資金調達しユニコーン企業になる見込みだ。コインベースは、ポリマーケットの台頭はステーブルコインUSDCにも恩恵になると分析している。
08:50
ストラテジー株トークンなど主要銘柄、Gemini EU向株式サービス開始
仮想通貨取引所Geminiが欧州連合でトークン化株式サービスを開始。マイケル・セイラーのストラテジー株を皮切りに、24時間365日取引可能な新金融サービスを提供する。
08:00
ブータン、ビットコイン保有額が13億ドルに到達
ブータンが、仮想通貨ビットコインを13億ドル相当保有していることが注目を集めている。この保有額は同国のGDPの40%に相当する。
07:55
リップル、SEC相手の控訴を取り下げ 5年間の法廷闘争が終結へ
リップル社のガーリングハウスCEOが28日、SEC相手の控訴を取り下げると発表。約5年間続いた法廷闘争が終結し、同社は事業発展に注力する方針を示した。
07:10
米仮想通貨銀行アンカレッジ、USDC等の段階的廃止発表 業界から「利益相反」批判
米仮想通貨カストディ銀行アンカレッジがUSDCとAUSDの段階的廃止を発表、ステーブルコイン安全性評価で業界から自己利益優先との批判を受ける。サークル株価は15%と大幅安。
06:49
韓国カカオペイ株急落、ステーブルコイン規制懸念が背景か=報道
韓国カカオペイ株がステーブルコイン参入期待で急騰後17%下落、投資リスク銘柄指定で売買停止。米サークル株も15%安と波及か。
06:15
ロビンフッド、XRPとソラナのマイクロ先物契約を開始
米デジタル証券大手ロビンフッドがマイクロ先物でXRPとソラナを追加、ビットコイン金曜先物のマイクロ版も提供開始し仮想通貨商品を拡充。
06:00
ビットコイン取引が快適なのは?手数料・板の厚み・ツールの充実度で主要取引所を徹底比較
暗号資産(仮想通貨)ビットコインの売買や送金におすすめの国内取引所について、メリットとデメリットを徹底比較。手数料・スプレッド・送金速度、セキュリティ、積立・レンディング機能などを調査しました

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧