はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム再び急騰、背景に「DeFi市場」の指数関数的な成長

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場における分散型金融(DeFi)の人気が指数関数的に高まっていることを受け、DeFi貸付プラットフォームのAave(LEND)やKyber Network(KNC)など一部トークンが前週比60%高を超えるなど過熱しており、高値掴みのリスクも警戒される。時価総額2位のイーサリアム(ETH)の関心も高まっている。

20日には、イーサリアム上のマネー・マーケット(短期金融市場)を開発・実装する分散型金融プラットフォーム「Compound」上のUSDT賃借需要拡大の影響で、テザー(USDT)供給量が増加している可能性が指摘された。

分散型金融(Decentralized Finance:DeFi)とは

銀行のような中央集権を必要としない、ブロックチェーンネットワーク上に構築される金融エコシステム。ピアツーピア(P2P)方式の分散型アプリ(dApps)を通してアクセス可能で、全ての人々が平等に金融システムにアクセスし、資産管理できるようになる。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

Compoundは、仮想通貨マーケットとして機能する分散型オープンソース・プロトコルで、貸し仮想通貨(レンディングサービス)の利息(利子)収入や、担保による借り入れ(ローン組成)などを可能にするプラットフォームだ。預け入れ量に応じた「cToken(権利を有するトークン)」を獲得し、ロックした仮想通貨に対する利回りは、需要と供給に基づき自動的に調整される。

関連:Compoundでテザー(USDT)の供給量が200倍以上、仮想通貨COMPの受け取り競争が背景か

今年4月に発表された、ERC20規格のガバナンストークン「COMP」は、ICO系トークンではなく、プラットフォーム利用者の貸し・借りに応じて配布されていくもので、この仕組みが利用者や供給量の大幅増加をもたらしているとみられる。直近では、Compoundのドミナンスは38.25%に達し、コントラクトにロックされた(DeFiサービスに預けられた)総額を示す「TVL(Total Value Locked)」は、5.77億ドル(約620億円)もの規模に達した。

DeFi投資インターフェースを提供するZerionの創設者Evgeny Yurtaevは12日、新しいFinTechであるDeFiで、新しくデプロイされた資産の数が指数関数的に伸びていると強調。

DeFiを利用するユーザー数が急増しているデータを示した。

テザーでチェーンスワップ

テザー(USDT)公式は23日、サードパーティと調整して、29日に「トロン・ネットワーク(TRX)上で発行されたTRC20から、イーサリアム(ERC20)プロトコルへの大規模なチェーンスワップ(移行)を実施することを告知した。

イーサリアム(ETH)基盤のプロトコルや分散型アプリケーション(dApps)との互換性で相互運用が見込めるほか、分散型取引所(DEX)の流動性向上を含め、DeFi(分散型金融)領域での活用を見据えているものと思われる。

大型アップデートを控え思惑膨らむ

23日の仮想通貨市場は、ビットコイン(BTC)が前日比2.85%高の103.2万円(9650ドル)に。

直近では、新型コロナの第二波懸念で急落したNYダウ市場に連れ安するなど下落基調にあったが、9150ドルでトリプルボトムを形成してトレンドラインを上抜けると急伸、一時9800ドル目前まで上昇した。

米決済大手PayPalと傘下のP2P決済企業Venmoが、「仮想通貨の売買サービス」を計画していることなどが報じられたことも追い風となった。詳細は明かされていないものの、今後数ヶ月でサービス開始する可能性があり、実現すれば3億2500万ユーザーに仮想通貨取引を提供することになる。

同様に直近冴えなかったイーサリアム(ETH)は、前日比4%高の一時26,000円台を回復、ビットコイン相場をけん引した。

アナリストは、「ここ最近のイーサリアムの値動きは、9年前のビットコインのような”弱気相場”からの脱却を彷彿とさせる。DeFiバブルの崩壊でETHに資金が流れる可能性がある」などと言及。高騰しているDeFi関連銘柄が急落すれば、イーサリアム(ETH)にさらに資金が集中するとの見方を示した。

テクニカル分析では、2018年以降の強い下落トレンドを打ち破り、中・長期上昇トレンドに転換しつつあることを指摘している。

イーサリアムが材料視される背景には、2020年第3四半期に予定されている大型アップデート「Ethereum 2.0」の存在がある。

合意形成アルゴリズムが、ビットコインと同じプルーフオブワーク(PoW)からプルーフオブステーク(PoS)に移行、トランザクションの検証に関する暗号経済的インセンティブが大幅に変化する。

アップデート以降、ETH保有者は「ステーキング」により、ネットワークを安全に維持するための貢献に対して報酬を受け取ることができるため、株の配当報酬に近い性質を有することが、イーサリアム現物の中・長期保有につながる側面がある。今後のアップグレードでスケーラビリティ問題の解消へ動いており、DeFiに関わるソリューション開発が進めば、イーサリアムを使用したDeFi期待もさらに上昇するものと思われる。

関連:イーサリアムのステーキングは高利回り?株式配当と比較したリスク・リターンを独自考察

Santimentのデータによれば、ETHマイナーは過去数週間で保有残高を15,000ETHずつ増加させており、「100,000ETH〜1,000,000ETH」の大口アドレスの数は、月初からのビットコイン下落局面で5%近くも急増するなど、クジラとよばれる大口投資家による買い集めを示唆している。

一方、IntoTheBlockの「IOMAP(In/Out of the Money Around Price)」データによれば、235〜242ドル(25,000〜26,000円)の間で約114万アドレスが700万ETHを購入し含み損を抱えていることから、売り圧力となる可能性がある。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/20 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、投資会社創設者によるETH1万ドル到達予測やXRPの最高値更新など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン1800万円目前で揉み合い、米規制緩和進展が下値支え|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)対円相場が1800万円を窺う展開。史上最高値更新後の高値揉み合いが続く中、米下院でのジーニアス法案可決など規制緩和の進展が相場を支援。トランプ政権の仮想通貨政策レポート公表を22日に控え、戦略的ビットコイン備蓄の具体策にも注目。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トランプ大統領による米初の仮想通貨包括規制法署名に高い関心
今週は、ビットコインの価格予想、古参ビットコイン大口保有者の動向、トランプ大統領による米初の仮想通貨包括規制法への署名に関する記事が最も関心を集めた。
07/19 土曜日
13:50
トランプ一族関連のWLFI、4.5億円分のイーサリアムを追加購入 総額370億円超に
ワールド・リバティ・フィナンシャルが861ETHを新規購入し、総保有量は70,143ETHに到達。仮想通貨法案可決が追い風に。
13:20
ジャック・ドーシーのブロック社、S&P500指数に追加へ
ジャック・ドーシー率いるブロック社がS&P 500指数に追加される。株価は時間外取引で10%以上上昇した。同社は米国製の新ビットコインマイニングチップを年内発売予定だ。
11:30
ピーター・ティール支援の仮想通貨取引所ブリッシュがIPO申請=CNBC
元NYSE社長トム・ファーレイ率いるブリッシュが証券取引委員会にIPOを申請。コインデスク買収実績を持つ同社の上場計画と業界動向を報告。
11:02
著名アナリストが分析、「ビットコインからイーサリアムへ資金移動、アルトシーズンの兆し」
ウィリー・ウー氏らがアルトシーズン開始を予測。仮想通貨ビットコインからイーサリアムへの資金ローテーションが本格化し、アルトコイン市場の上昇環境が形成。
10:05
JBA、暗号資産アンケート 分離課税20%導入の場合84%が投資増額意向
日本ブロックチェーン協会が暗号資産税制アンケート結果を公表した。保有者の84%が分離課税20%で投資増額すると回答した。また、10人に1人以上が暗号資産を保有などの結果も出た。
08:50
仮想通貨全面高の一週間、米下院クリプトウィーク振り返りと今後の見通し|仮想NISHI
今週の仮想通貨市場は、米下院で開催された「仮想通貨週間」において、ビットコインが史上最高値となる12万ドルを超える展開となった。アルトコイン市場においても大幅な上昇が見られた。
08:30
リップル発行のRLUSD、ブルーチップから最高評価獲得
独立の格付け機関ブルーチップがリップルのRLUSDステーブルコインにA評価を付与。BNYメロンでの準備金管理と堅牢なコンプライアンス体制などが評価された。
07:30
「米SECはトークン化の規制例外措置を検討中」アトキンス委員長
米SECのアトキンス委員長が、SECは証券のトークン化における規制の例外措置を検討していると明かした。RWAのトークン化は仮想通貨・ブロックチェーン領域で大きなトレンドになっている。
07:00
「保有していれば国家債務削減できたか」ブルガリア政府が2018年に手放した21万ビットコインの現在価値
ブルガリア政府が2018年に売却した21万3500BTCの仮想通貨ビットコインの現在価値は250億ドル超。同国債務の約8割に相当する巨額損失として話題に。
06:20
米上場ビットデジタル、イーサリアム保有量12万ETHに拡大
米ナスダック上場のビットデジタル社が18日、6730万ドルの資金調達で19683ETHの仮想通貨イーサリアムを追加購入。総保有量は120,306ETHで、時価4.24億ドルに拡大。
05:40
トランプ大統領がステーブルコイン法案に署名、米初の仮想通貨包括規制法が成立
トランプ大統領が19日、ステーブルコイン規制枠組みを定めるGENIUS法案に署名し米初の仮想通貨包括規制法が成立。2500億ドル規模のステーブルコイン市場に明確な規制導入。
07/18 金曜日
17:36
JBA、仮想通貨の税制改正「5項目」提言 申告分離課税20%など
日本ブロックチェーン協会が7月18日、暗号資産の税制改正要望書を政府に提出。最大55%の総合課税から20%分離課税への移行、損失繰越控除、暗号資産同士の交換非課税など5項目を要望。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧