169銘柄の仮想通貨識別子を追加
ヨーロッパ最大の金融市場の1つ、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)が6月末、169銘柄の仮想通貨を識別コード「SEDOLコード」に追加した。
SEDOLコードは、英国を中心に使用されている証券に付与される7桁の証券識別コードのこと。最初の1桁が発行地域で、次の5桁が発行証券についての情報、最後の1桁が「チェックディジット」といわれるコンピュータ処理用の番号で構成されており、ロンドン証券取引所が付番を行っている。
SEDOL Masterfileサービスとして、包括的なグローバル証券識別子で、市場参加者が取引照合をサポート、発注から決済までの過程を電子的に行う「ストレート・スルー・プロセッシング(STP)」を効率的に行えるようにする仕組みを提供している。
SEDOLコードの付番が行われることで、ポートフォリオ評価、取引執行、価格フィード処理などその他タスクの助けともなる。利用者には、資産管理会社、保険会社、カストディアン、データベンダー、ファンド管理者などが含まれる。
LSEGのデータソリューション責任者James Nevinは導入について、「デジタル資産の段階的な制度化に伴い、多くのクライアントがその領域に投資し始めていたため、これらをSEDOLに追加するのが適切な時期であると判断した」とした。
追加により、仮想通貨も従来型証券のようなワークフローに確実に統合できるようになったとしている。機関投資家が仮想通貨を取り扱う上で利便性が向上するとみられる。
識別子の分類
SEDOLにおいては、デジタル資産は三つに分類される。
交換媒体や、価値の保存手段として発行される。ビットコインが一例。
スマートコントラクトを作成する手段を提供するデジタル資産。ブロックチェーン上で電子的に二つ以上の当事者間の契約を仲介、承認、維持するもの。イーサリアムがその一例。
契約にデジタル資産の分散性を付与する金融商品にあたるもの。
この分類については、将来的に顧客のフィードバックに基づいてさらなる細分性を高めていく見通し。
LSEGは仮想通貨調査企業Digital Asset Researchと協力して、どのデジタル資産を追加するかを決定するために、堅牢で透明な審査プロセスを導入したという。
法的正当性の意味か
今回の識別子割り当てにより、デジタル資産に何らかの法的正当性が付与されるわけではない意見も見られるが、法制度や規制の動きとは別に、投資家からの仮想通貨に対する需要が高まっていることを窺わせる動きとなる。
仮想通貨に対する政府の方針が定まっていないインドでも、先日タタ財閥グループが、高まる需要を背景として、金融機関向けの仮想通貨投資ソリューションを発表した。
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