2020年7月におけるLiskの実績
毎月末に、Liskのトップニュース、更新、および成果をまとめて報告します。この記事では、7月の技術面やコミュニティにおける活動内容を紹介いたします。
Lisk開発関連のアップデート
開発進捗
これまでにLisk SDK5.0.0の11エピック(開発プロジェクト用語で、いくつかの作業をまとめたものを意味する)がクローズされ、そのうち5つは2020年の7月にクローズされましたが、3つのエピックはまだ実装されていません。
1、新しいブロックスキーマの実装
新たに定義されたジェネシスブロックスキーマが実装され、Lisk SDKで作成された新しいブロックチェーンの初期アカウント状態を、よりシンプルでコンパクトな形式で指定できるようになりました。このエピックにおける10個の問題の詳細については、GitHubをご覧ください。
2、lisk-treeの実装
lisk-tree と呼ばれる新しいLisk Elementsライブラリが実装されました。一般的なMerkleツリー構造と、Liskプロトコルのさまざまな部分で使用できる包除原理(proof-of-inclusion)フォーマットを定義するものです。これにより、1ブロックに格納される前のデータ検証にてその対象となるデータの量を大きく削減できます。このエピックにおける10個の問題の詳細については、GitHubをご覧ください。
3、LiskフレームワークのIPCサポート
IPCとはInterProcess Communicationの略で、プログラム間のデータをやりとりする方式のひとつです。これをサポートしたことにより、Liskフレームワークとサードパーティのモジュールが他のモジュールと直接通信できるようになります。このエピックにおける8個の問題の詳細については、GitHubをご覧ください。
4、HTTP APIの簡素化
HTTP APIモジュールは簡素化され、最も重要なエンドポイントのみをサポートするようになりました。また、Lisk Frameworkから独立したライブラリとして組み込まれたため、拡張が簡単になり、モジュールごとのインストールも可能になります。このエピックにおける8個の問題の詳細については、GitHub をご覧ください。
5、フォージャープラグインを作成
Liskフレームワークプラグインと呼ばれる新しいコンセプトを構築しました。このコンセプトで初めて作成されたフォージャープラグインは、Liskトークンの鍛造(承認作業)をするノードに提供するデータから冗長なデータを除くことで、ブロックチェーンの処理能力を高めます。このエピックにおける13個の問題の詳細については、GitHub をご覧ください。
LiskドキュメントのUI改善
Liskのドキュメントは、新しいコンテンツと機能を追加してさらに改善されました。新しいLiskプロトコルのドキュメントの追加し、Lisk Coreに関する詳細の変更、Liskドキュメントのユーザインタフェースを改善するなどの変更を加えました。
IDシステムの改善
LiskプロトコルロードマップのNetwork Longevityフェーズで導入された、新しいLisk IDシステムに関して主な改善点の概要を紹介するブログ記事を公開しました。このブログ記事では、技術的コンセプト、Liskエコシステムの新しいアドレスシステムの説明、Liskのトランザクションとブロックの新しいIDフォーマットの詳細を紹介しています。
7月24日(金)には、Lisk.chatでライブAMAを開催し、Iker Alustiza研究員がLiskの新しいIDシステムについてコミュニティメンバーからの質問に答えました。
スマートインベントリプロジェクトの構築
Lemiiは、Liskビルダーズプログラムの一環として、スマートインベントリプロジェクトについての記事をLiskのブログで公開しました。
Lemiiが進めるプロジェクト「スマートインベントリプロジェクト」は、高価な品物の履歴やライフパスを追跡するブロックチェーンアプリケーションになることを目的としています。
ユーザーはある物品の所有権を主張したり、所有している物品を別のユーザーに譲渡したりすることができます。アクションが行われると、あるアイテムのデータセットを格納するメタデータが提供されます。これを用いて、ユーザーは物品の取引履歴を確認できます。
コミュニティの動き
7月はLiskビルダーズプログラムでも活発な動きがありましたので紹介いたします。
Arcadoネットワークの構築
EndroとMichiel Muldersは、Liskビルダーズプログラムの一環として、Arcado Networkについての記事をLiskのブログで公開しました。
Arcadoプロジェクトはゲーム開発者に汎用APIを提供。マルチプレイヤーゲームでの分散型報酬システムとしての利用が想定されています。このAPIは、Lisk SDKを通してLiskネットワーク上で多くの操作を可能にします。
Lisk DAOプロジェクトの構築
Korben3は、Liskビルダーズプログラムの一環として、Decentralized Organization Chainプロジェクトについての記事をLiskのブログで公開しました。
「Decentralized Organization Chain」は、スタートアップ企業が資金調達を行ったり、投資家が企業の意志決定に影響を与えることを可能にします。
企業は自社のブロックチェーンを立ち上げ、トークンを販売することで資金調達を行うことが可能で、投資家の側は投票を行って企業の決定に影響を与えたり、分散型チェーンを作成してフォージングノードを実行し、報酬を得ることができます。
月間コミュニティヒーローの発表
Raphael Cornelis (Lisk.chat ユーザー名: @Raphael | Moosty) が今月のコミュニティヒーローに選ばれました。彼のLiskプロジェクトへの絶え間ない貢献、さらにLisk Center Utrechtチームの一員としてのオンライン・オフラインのイベントでのサポートは非常に高く評価されています。
リスクビルダーズプログラムに2名の新しい参加者
今月私たちは、Liskビルダーズプログラムの参加者を新たに2名選出しました。助成金を受けた1番目のプロジェクトは、南極研究所のセバスチャンが主導しています。プロジェクトの目的は、高度にスケーラブルな食品トレーサビリティネットワークを提供することです。
2020年6月のLiskビルダーズプログラムで選ばれた2番目のプロジェクトは、Jurre(Lisk.chatユーザー名:@Jurre | Moosty)によって実施されています。これは規制されたクラウドファンディングシステムのための概念実証型ブロックチェーンアプリケーションです。
Lisk上で稼働させたいブロックチェーンアプリケーションのアイデアをお持ちの方は、Liskビルダープログラムに参加できます。詳細はこちらで確認できます。
その他の活動
Proof of Stake Blockchain Expoに参加
ChainTalkとTEAMZが主催するオンラインのProof of Stake Blockchain Expoに参加しました。Iker Alustiza研究員が私たちの代表を務め、Liskの委任型Proof of Stakeアルゴリズムについて話しました。プレゼンテーションの様子は、Chaintalkのウェブサイトで見ることができます。
LiskがCryptoMisoで1位にランクイン
ブロックチェーン業界に属するプロジェクトのGitHubでの活動状況を比較するサイト「CryptoMiso」によると、241のプロジェクトのうち、すべての時期においてLiskは常にトップ3にランクインしていました。
7月現在、Liskはすべての期間(過去3・6・9・12カ月)において1位であり、最も活発に開発が進んでいる仮想通貨プロジェクトとなっています。開発の進捗状況はGitHubで見ることができます。
サプライチェーンマネジメントにおけるブロックチェーン活用
今月初め、Liskの事業開発担当者Jan Brekerは、ブロックチェーン技術が様々な産業に与える影響を紹介するシリーズを開始、最初のブログ記事を公開しました。
この記事では、サプライチェーンマネジメントのトピックを深く掘り下げ、ブロックチェーン技術によってどのような問題が、どのように解決されうるかを詳しく説明しています。今後数ヶ月で、ブロックチェーンが企業に与える影響についての記事がLisk Enterprise Portalに追加される予定です。
今月のマンスリーレポートは以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。来月のマンスリーレポートでも、着実な進捗を報告できるよう精進してまいります。
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