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「17年仮想通貨バブル時の3.7倍」イーサリアムの採掘収益が過去最高値を記録

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1時間あたり収益は約8500万に

仮想通貨分析プラットフォームGlassnodeによると、イーサリアム(ETH)の採掘を行うマイナーの1時間あたりの平均収益が急上昇し、過去24時間で80万ドル(約8500万円)に達したことが判明した。イーサリアム取引手数料の高騰が

これはによる。8月31日の時点では810万ドルだった一日あたりの収益は急激に上昇し、その翌日9月1日に1650万ドル(約18億円)に達した。

日間ETH手数料の推移

17年に記録した過去最高額より3.7倍も高い数値だ。また、ビットコイン(BTC)のマイニング収益をも遥かに上回るものである。

9月1日、ビットコインマイナーが入手したのは150万ドルの取引手数料だったが、これは同日にイーサリアムマイナーが得た手数料の9%にすぎない。

日間BTC手数料の推移

仮想通貨バブルとされた17年末における、一日あたりBTCマイニング収益の史上最高額は2140万ドルだった。

仮想通貨メディア「The Block」 のリサーチディレクターであるLarry Cermakは、こうしたマイニング収益の増加は、流通市場でのイーサリアム採掘機器の価格上昇にも繋がり、AMDやNvidiaなどのマイニングチップメーカーも恩恵を受ける可能性があると意見した。

仮想通貨取引所やユーザーには損失

一方で、取引手数料の高騰は、一般のETHユーザーや仮想通貨取引所にとっては問題含みだ。9月1日にはイーサリアムの平均取引コストは、13ドルを超えた。

大手仮想通貨取引所バイナンスCEOのCZ氏も、次のようにツイート。

 ETHネットワークでのガス代(手数料)高騰により、資金が引き出されるたびに10〜20ドルの損失が発生しており、ほとんどの取引所で問題となっている。

遅かれ早かれ、出金手数料を調整する必要がありそうだ。

バイナンスのような大規模取引所では、毎日、何百もの出金手続きが行われるため、もし今後出金申請が増えれば、バイナンスの損失は100万ドルを超過する可能性もあるという。

これを防ぐためバイナンスは、プラットフォーム上のユーザー手数料値上げに踏み切るかもしれない。

背景にはDeFi市場の活況

取引手数料高騰の背景には、イーサリアムのブロックチェーンが多く使用されているDeFi(分散型金融)市場の台頭がある。

8月末には分散型取引所Uniswapの24時間取引量は4.4億ドル(約464億円)を超え、主要な取引所の一つ、コインベースを約20%上回り、関係者を驚かせた。

分散型取引所の出来高がメジャーな中央集権型取引所に追いつき追い越す傾向が続いている。

一方で、著名投資家のマイケル・ノボグラッツのように、非常に速いスピードで流動性が高まるDeFi市場について、技術自体は非常に興味深いものだが、現在は個人投資家中心のバブル相場だとして警戒する声もある。

関連:DeFi市場の活況さ、テスラ株高騰に類似 仮想通貨投資会社CEOが警戒

マイナー報酬削減案も

ETHネットワークの混雑と、それによる手数料高騰を解決するソリューションは、大型アップグレード「Ethereum 2.0」で搭載されることになっている。

ただアップグレードには予想よりも時間がかかる可能性がある。

イーサリアム開発者達は、手数量の大幅な節約やUXの向上、インフレ率の低下をもたらす新たな手数料体系の導入も検討しているが、報酬が下がる見込みのマイナーからは反対意見が挙がりそうだ。

関連:歴史的なGas代高騰のイーサリアム、マイナー報酬の削減提案提出へ

時価総額上位も様変わり

過去1年間で、仮想通貨市場の時価総額上位銘柄も大きく様変わりしている。

時価総額トップ3でビットコインとイーサリアムは不動の順位となるものの、総発行枚数を断続的に増やしてきたUSDTの時価総額が上昇し、1年前の時価総額6位からXRPと3位争いを繰り広げる。(USDTの時価総額は、2年前から約5倍、1年前からは約3倍に増加)

また、時価総額TOP30までの入れ替わりを見ると、5位Chainlink(LINK)、10位Crypto.com(CRO)、17位USD Coin(USDC)、19位Cosmos(ATOM)、22位UMA(UMA)、25位Aave(LEND)、26位VeChain(VET)、27位yearn.finance(YFI)が5ランク以上の上昇。銘柄リストから、約1年間でステーブルコイン需要とDeFi銘柄への資金流入が改めて読み取れる結果となった。CMCへのランキング反映が行われていないが、Coingecko上では、6位にPolkadot(DOT)もランクインしている。

内訳では、直近で記録的な高値を記録したDeFi銘柄は、LINK、UMA、LEND、YFI。USDTとUSDCが、価格変動が抑えられているステーブルコイン。プロジェクトとして資金が流入したCRO、VET、DOTがある。

DeFi銘柄については、時価総額50位まで含めれば、32位Maker(MKR)、33位Synthetix Network Token(SNX)、35位Compound(COMP)、38位Ren(REN)、42位0x(ZRX)、47位Ampleforth(AMPL)がランクインし、世界的に関連市場が活況な状況へと大きく変化した。

一方、資金流入の加速度的な速さから、技術革新を評価以上にスペキュレーション(投機)が進む懸念を示す声も大きくなりつつある。国内外の有識者らからは、投機性が強まることで、本質を見誤る可能性への指摘や技術を理解せずに資金を投じるユーザーが出てくる可能性への危惧、コード監査などの状況とリスク面を把握する必要性への訴え、詐欺台頭への警鐘などの声が上がる。

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