はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

マスターカード、中銀デジタル通貨(CBDC)の実証プラットフォームを提供へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マスターカードがCBDC研究プラットフォームを提供

クレジットカード大手マスターカードが、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)をテスト出来るプラットフォームを発表した。

同社は現在中央銀行、民間の商業銀行、技術・アドバイザリー会社などに提携を呼び掛けている。

同プラットフォームは独自の仮想テスト環境を用い、各国の中央銀行がCBDCのエコシステムをシミュレートして、そのユースケースや展開戦略を確かめることができるものだ。

銀行、金融サービスプロバイダー、消費者などの間でCBDCの発行、流通、取引がどのように行われるかシミュレーションし、既存の決済システムとの相互運用性も査定することが出来るようになる。

マスターカードの決済ネットワークでの使用をテスト

CBDCの発行形態としては様々なものがあるが、マスターカードのテスト環境は、各国の運営環境に合わせて個別にカスタマイズ可能で、次のようなことが行える。

  • CBDCが既存の決済ネットワークやインフラ(カードやリアルタイム決済など)とどのように連携するかを含め、銀行や消費者などを前提としたCBDCの発行、流通、取引のエコシステムをシミュレートする
  • マスターカード決済を受け付けている場所であればどこでも、消費者が商品やサービスの支払いにCBDCを使用できることを実証する
  • 市場への導入価値や実現可能性を迅速に判断するために、様々なCBDC技術の設計やユースケースを検討する
  • 技術面、セキュリティ、設計と運用の初期テストを含むCBDCの開発にかかる労力を評価する

マスターカードの既存決済ネットワークを、CBDCの流通経路としても採用することができる仕組みになっているようだ。

公式サイトでは以下のように抱負が語られている。

マスターカードは中央銀行が既存の決済手段とシームレスに統合するソリューションを探りつつ、決済システムを最新のものにすることを支援する。公共部門と民間部門の間でパートナーシップを構築し、人々や企業が取引する方法を共に変革していく。

サイトでは、世界経済フォーラムのブロックチェーン・デジタル資産等の責任者シーラ・ウォーレンが「CBDCを検討する際には官民の協力により、その可能性や適応範囲をよりよく把握することができる」という趣旨の発言をしたことにも触れている。マスターカードの今回の動きはこうした要望に応じたものになりそうだ。

Fortuneへのインタビューに答えた、マスターカードのデジタル資産等部門のRaj Dhamodharan副総裁は、同社がすでに幾つかの中央銀行と協働していることを明かし、銀行から技術系企業まで、さまざまな第三者組織にプラットフォームへの参加を呼びかけていると語った。

世界中にインフラを持つ巨大決済企業の参画で、CBDC研究開発がさらに後押しされそうだ。

日本銀行もCBDC検討へ

CBDCの研究や実証実験を行う政府は徐々に増加している。今年1月に国際決済銀行(BIS)が発表した報告によると、調査対象となった中央銀行の内、80%はCBDCのプロジェクトに取り組んでいることが確認された。

40%は実験や概念実証の段階に進んでおり、10%がパイロット的なプロジェクトが完成しているという。実際に開発やパイロット的なプロジェクトまで進んでいるのは新興市場の中央銀行が多かった。

また世界的なコロナ禍を受けて、BISはさらにCBDCのニーズが高まったと強調。銀行口座を持たない層にも金融アクセスを提供し、民間の仲介業者間の公平な競争を促して、セキュリティやリスク管理も高いレベルで行えるとして研究開発を推奨している。

関連:国際決済銀行、新型コロナ危機を受けて中央銀行デジタル通貨(CBDC)を推奨

フェイスブック主導のステーブルコイン「リブラ」に各国公共部門から「国の金融主権を脅かす」の声が挙がったことからも分かるように、各国政府は民間のデジタル通貨がもたらす課題について懸念を抱いており、このことはCBDCの検討が加速している一因とも考えられる。

日本政府と日銀も、調査から検討へとステージを一段階引き上げており、7月には決済機構局に「デジタル通貨グループ」を新設した。

政府は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」にもCBDCの検討を盛り込んでおり、米欧との協議も本格的に実施する意向を示している。民間企業にも技術面の情報提供依頼を行った。

関連:日銀、デジタル通貨(CBDC)の情報提供依頼 民間企業の協力求める

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/29 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、リップルによるSEC相手の控訴取り下げやソラナ財務企業の株価暴落など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン下降チャネル上限届かず、PCE発表控え押し目形成の可能性に注意|bitbankアナリスト寄稿
今週の週次レポート 国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。 目次 ビットコイン・オン…
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メキシコ大富豪のBTC価格上昇予測に高い関心
今週はメキシコ大富豪のビットコイン価格上昇予測、米テキサス州のビットコイン準備金設立法案成立、金融庁の仮想通貨規制審議に関するニュースが最も関心を集めた。
06/28 土曜日
14:00
仮想通貨配分を4割まで推奨、米著名金融アドバイザー「従来60-40モデルは時代遅れ」と見解
著名金融アドバイザーのリック・エデルマン氏は最新見解で仮想通貨ポートフォリオ配分を従来の1%から最大40%へ大幅引き上げを推奨。
13:15
米上場Genius Group、ビットコイン買い増し構想 勝訴した際の損害賠償で
NYSE上場のGenius Groupが、訴訟勝利の場合に得られる推定10億ドルの50%をビットコイン購入に充当する計画を発表した。昨年よりビットコイン財務戦略を採用している。
11:26
イーサリアム取引量史上3位、価格低迷でもネットワーク急増
イーサリアムが6月25日に175万件の取引を記録し史上3位を達成。価格は低迷するもネットワーク活動は活発化、従来のアルトシーズン理論に変化の兆しになるか。
10:25
イスラエル当局、仮想通貨報酬によるスパイ容疑で3人逮捕=レポート
イスラエル当局がイラン諜報機関の工作員3人を逮捕。仮想通貨で報酬を受け取り、9000万ドル被害のノビテックス攻撃との時期的関連が注目されている。
09:45
ポリマーケットの評価額10億ドルに達する見込み USDCにも恩恵か=コインベース
分散型予測市場ポリマーケットが2億ドル資金調達しユニコーン企業になる見込みだ。コインベースは、ポリマーケットの台頭はステーブルコインUSDCにも恩恵になると分析している。
08:50
ストラテジー株トークンなど主要銘柄、Gemini EU向株式サービス開始
仮想通貨取引所Geminiが欧州連合でトークン化株式サービスを開始。マイケル・セイラーのストラテジー株を皮切りに、24時間365日取引可能な新金融サービスを提供する。
08:00
ブータン、ビットコイン保有額が13億ドルに到達
ブータンが、仮想通貨ビットコインを13億ドル相当保有していることが注目を集めている。この保有額は同国のGDPの40%に相当する。
07:55
リップル、SEC相手の控訴を取り下げ 5年間の法廷闘争が終結へ
リップル社のガーリングハウスCEOが28日、SEC相手の控訴を取り下げると発表。約5年間続いた法廷闘争が終結し、同社は事業発展に注力する方針を示した。
07:10
米仮想通貨銀行アンカレッジ、USDC等の段階的廃止発表 業界から「利益相反」批判
米仮想通貨カストディ銀行アンカレッジがUSDCとAUSDの段階的廃止を発表、ステーブルコイン安全性評価で業界から自己利益優先との批判を受ける。サークル株価は15%と大幅安。
06:49
韓国カカオペイ株急落、ステーブルコイン規制懸念が背景か=報道
韓国カカオペイ株がステーブルコイン参入期待で急騰後17%下落、投資リスク銘柄指定で売買停止。米サークル株も15%安と波及か。
06:15
ロビンフッド、XRPとソラナのマイクロ先物契約を開始
米デジタル証券大手ロビンフッドがマイクロ先物でXRPとソラナを追加、ビットコイン金曜先物のマイクロ版も提供開始し仮想通貨商品を拡充。
06:00
ビットコイン取引が快適なのは?手数料・板の厚み・ツールの充実度で主要取引所を徹底比較
暗号資産(仮想通貨)ビットコインの売買や送金におすすめの国内取引所について、メリットとデメリットを徹底比較。手数料・スプレッド・送金速度、セキュリティ、積立・レンディング機能などを調査しました

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧