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Googleクラウドのパブリックチェーン参加、その重要性は──日本のEOSブロック・プロデューサーに聞いた

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Googleクラウドの参加理由

Google Cloudが暗号資産(仮想通貨)イオス(EOS)のネットワークに参加し、ブロック・プロデューサーとして運用すると先日発表した。CoinPostは日本で唯一のEOSブロック・プロデューサーを運営する企業「EOSLAOMAO」に取材し、Googleクラウドが参加した理由や、その重要性について聞いた。

EOSネットワークに関して

取材内容に入る前に、Google Cloudが参加を表明したブロック・プロデューサー(BP)とはなにか。

簡単に説明すれば、EOSネットワークにおけるビットコインのマイナーのような存在で、EOSチェーンのブロック生成や承認、またはオンチェーンガバナンスで様々な合意形成(投票等)などを行なっている。

ブロック・プロデューサーは、投票によって候補ノードから21のノードが選出される。EOSネットワークではオンチェーン投票は常に自由に行え、EOSトークン保有者により選ばれた21のブロック・プロデューサーはコミュニティの集合的な”意思”をリアルタイムで反映している。

日本唯一のブロック・プロデューサー(BP)に聞いた

以下、取材内容

Google CloudEOSのネットワークに参加したことの重要性

Google Cloudはクラウドサービス業を率いているグローバルなサービスプロバイダーで、親企業のAlphabet Inc.は誰もが知るIT大手だ。

今回、EOSブロック・プロデューサーの候補として参加することは、トップのIT企業もついにパブリックブロックチェーンを取り入れ始めたことを意味する。また、EOSの技術とコミュニティを受け入れたことになる。

また、我々ブロック・プロデューサーたちは、Google Cloudが培ったクラウドコンピューティングの技術を鑑にしてEOSネットワークの安定性および安全性をより改善することができるわけだ。同時に、Google Cloudが技術のモデルになることによって、EOSノードは技術分野でより進歩し、ネットワーク全体の安全性をより一層向上させ得ると考える。

ユーザーベースの拡大については、知名度の高いGoogle Cloudが参入することで、より多くの開発者やユーザーもEOSのエコシステムに参加するきっかけとなる。EOSエコシステムの今後の繁栄を促進にも繋がるだろう。

コミュニティガバナンスにとってもメリットがある。Google Cloudの参加は、EOSノードのコミュニティがより効率的にガバナンスの提案を提出することも見込めるだろう。

Google Cloudが参加する理由、今後の方針は

オープンソースのEOSのコミュニティおよびその他のブロックチェーンエコシステムの参加者規模が拡大していることを受け、Google Cloudは様々な開発者をGoogle Cloudプラットフォームに歓迎したいと説明している。

また、EOSブロック・プロデューサーの候補として参加することを決定したことについて、「我々は企業・団体の分散型台帳による成功を手助けしたい。そのためには、セキュリティ・データ分析・グローバルインフラおよびネットワーク運営における専門知識を提供する…Block.one(EOSの開発企業)との今回のパートナーシップのほか、ほかのパブリックブロックチェーンへの参加も模索し続ける方針だ」と伝えている。

関連「報酬目的ではない」Google Cloudが仮想通貨EOS(イオス)のガバナンスに参加する意図

ブロック・プロデューサーとなる条件は

DPoS(委任PoS)のコンセンサスメカニズムを利用するその他のネットワークと同様に、誰でもどんな組織でもEOSのノードになることはできる。現在500以上のノードが登録されている。

しかし、すべてのノードがブロック・プロデューサーになれるわけではない。21のノードのみがブロック・プロデューサーになることができ、ブロックの承認作業を行い高い報酬を得ることができる。その21の一つになるためには、上述で紹介したようにEOSトークンの保有者によって投票され選出される必要がある。

また、21のブロック・プロデューサーはブロック承認を行うほか、EOSのソフトウェアのアップデートやバグの修復、ネットワーク運用待機、およびガバナンス等作業を担う責任が生じる。

報酬については、票数獲得で(ブロック・プロデューサーを含む)上位70のノードは投票によるインセンティブが付与される仕組みだ。

なぜ21の数なのか

ブロック・プロデューサーの設定数はネットワークの処理速度とその分散化におけるトレードオフとなる。まず、ブロック・プロデューサーの数は奇数でなければ、多数決が成り立たない。そして、EOSでは21という数を選んだのは、処理速度とその分散化のバランスをとるために決められた数となる。

現在、EOSネットワークには様々な種類のノードが存在する。例えば、仮想通貨取引所が運営する資本型のノードや、チーム能力の高い技術型ノードなどだ。ノードが多様で、ユーザーはより多くの選択肢から選べる。多様性によっては、ノードコミュニティもより分散し、ネットワークの安全性と安定性も改善される。

どんなDPoSのネットワークでも、本質的には信頼を蓄積する過程であり、投票はユーザーが監督とインセンティブを全うために最も有効な手段となる。

EOSLAOMAOとは

紹介によると、「EOSLaoMao」はEOSのブロック・プロデューサーの一つで、主にブロック・プロデューサーの公平性および安定性を維持することに注力している。

「我々は世界のダイナミックなコミュニティにおいて、EOSのポテンシャルを最大限にすることを目指しています」

EOSLaoMao

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