米国の国家安全保障会議「分散型台帳技術(DLT)」を重要分野指定

分散型台帳技術(DLT)は、米国の安全保障に重要

米国の国家安全保障会議(NSC)が「重要な新興技術についての国家戦略」を発表した。

ブロックチェーン技術の研究開発に多額の資金を投じる中国やロシアを念頭に、安全保障上で重視される技術を指定した。リストアップされた20の重点分野の1つには、分散型台帳技術(DLT)が取り上げられている。

NSCの戦略では、重点分野とされた技術への投資、開発、採用の促進などが優先的に行われることになる。

NSCはドナルド・トランプ大統領以下、副大統領、国務長官、国防長官、国家安全保障問題担当大統領補佐官らを行政官としており、合衆国の安全保障や外交の司令塔だ。

重要技術分野で米国の優勢を取り戻す

NSCが今回発表した文書によると、国家安全保障戦略(NSS)は、経済成長と安全保障に不可欠な新興技術を優先して、研究、技術、発明、イノベーションの面で米国が世界をリードすることを求めるという。

その上で、中国やロシアを具体的に競合国として挙げた。この両国は、政府全体で計画的に重要技術・新興技術(C&ET)に取り組んでおり、国際的主導権を握るために大規模かつ戦略的な投資を行っていると指摘。

その結果、特定のC&ET分野では、米国のリードは低下しており、この傾向を逆転させることが必要としている。

C&ETについての国家戦略により、米国政府全体の努力が統一され、複数の技術分野に協調的に働きかける枠組みを提供するという。

また、米国がすべての技術分野で世界をリードすることは不可能であるとも言及。

1つの技術でC&ETのリーダーシップを得ることもできず、多くの技術のブレイクスルーは、2 つ以上の異なる技術が交差するところで起こるため、包括的なアプローチが必要とした。

NSCが重要な分野として指定したのは、分散型台帳技術の他にも次のようなものがある。

コンピューティング、兵器技術、エンジニアリング材料、製造技術、センサー、航空エンジン、農業技術、人工知能、自律システム、バイオテクノロジー、化学・生物・放射線・核(CBRN)緩和技術、通信・ネットワーク、データ科学・ストレージ、エネルギー、ヒューマン・マシン・インターフェイス、医療・公衆衛生、量子情報科学、半導体・マイクロエレクトロニクス、宇宙技術

ブロックチェーン関連の法律

米国では、デジタルトークンやブロックチェーンをアメリカのイノベーションにとって重要なものと捉え、不正を阻止しながら、それを促進しようとする法律も提出されている。

下院で先月に承認された「ブロックチェーン・イノベーション法」と「デジタル・タクソノミー法」は、「ブロックチェーン技術における官民パートナーシップを促進するためのベストプラクティス」「規制をより明確にすることで国内のイノベーションを促進する方法」などの調査や、デジタルトークンに関わる詐欺的な行為を特定し、防止することを目的とするものだ。

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空軍もブロックチェーン活用

国防面では、米国の空軍研究所が、巨大軍需企業レイセオン・テクノロジー傘下のBBN Technologiesとブロックチェーン技術に関連する契約を結んだ。

分散型台帳技術について、空軍の空域管理や戦闘機パイロットの安全性と戦闘能力を確保するために役立てる研究が行われることが推測されている。

なお、米国防総省も、2023年までの変革ロードマップの一部に、分散型台帳の可能性を探ることを組み入れている。

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