はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米国の仮想通貨税金事情、年末の税金額確定に向けビットコイン売り圧は生じるか?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインの売り圧は

コロナ禍の影響で、これまでの生活や考え方を大きく変わることとなった2020年も第4四半期に突入した。暗号資産(仮想通貨)市場は、3月のコロナショック、3回目となった5月のビットコインの半減期、そしてDeFi市場の急激な成長など、多様で大きな動きに彩られてきた。

ビットコイン価格は年初から約60%上昇しているが、今年度の税金額の確定する12月も迫り、今後、年末までビットコインに対する売り圧力が生じるのではと見る向きもある。

「第4四半期に大規模な価格上昇は想像し難い。すべてのクジラは、税金に備えて売っているからだ。シンガポールや香港のようなタックスヘイブンに、仮想通貨の大部分が存在するというのではない限り。このようなセンチメントは、オプション市場の月次IV(インプライドボラティリティ)を30%以上の価格設定にするマーケットメーカー間で共有されている」

トレーダーのTheta Seekは、この見方が「間違っていると証明されたら嬉しい」と補足した。

なお、下落トレンドの真っ只中にあった昨年末のBTCは、9,500ドルから6,500ドルまで下落。半減期期待などで年明け以降にトレンド転換している。2018年末もハッシュ戦争による相場崩壊の余波で軟調に推移していたが、上昇トレンドにあった2017年末は、BTC価格が過去最高値の2万ドルに達するなど大幅上昇している。

2019年末の値動き(青四角)

米国の2020年度確定申告

日本の国税庁にあたる米内国歳入庁(IRS)は、仮想通貨に対する課税を強化する姿勢を取っている。 今年5月には、税務ソフト企業に対し、「仮想通貨に関連した納税者の調査を支援するサービス」の職務内容を説明した文書(SOW)を送付した。

IRSは、仮想通貨取引の申告漏れをなくすのに必要な業界の専門知識を得るため、仮想通貨取引の税務申告ソフトを開発する企業等の専門家と業務委託契約を結ぶことを選んだようだ。つまり、IRSが、仮想通貨取引の税務調査に本格的に乗り出すことを意味すると考えられる。

IRSは昨年7月、仮想通貨取引で得た収入に対する税金を納めていなかった納税者に対し、1万通を超える督促状を送り、さらに翌月には、過少に利益を申告をしていた納税者に対しても、警告書を送付したと報道されている。

そして、今年8月に公開された、2020年度の個人用確定申告書の草案には、すべての納税者に対し、仮想通貨取引活動の有無について確認する項目が設けられ、適切な税務申告を促している。

仮想通貨の税務ガイダンスを明確化

明確な納税義務の定義は申告に欠かせない。昨年10月、IRSは2014年以来初めてとなるガイダンスを発表し、ハードフォークで生じる納税義務、収入として受け取った仮想通貨の価値評価法、売却時に課税対象となる利益の計算法などについて明らかにしていた。

そして、今月、財務省と協力して課税強化を図るため、取引所がユーザーに代わり取引を報告する書類の提出を推奨する報告書が、財務省の税務管理監査官より発表された。

米国における仮想通貨の課税

米国では、仮想通貨は連邦税法上「資産」として扱われる。そのため、取引で生じた利益は、株式や債権同様、キャピタルゲイン税の対象となるが、1年を超えて長期保有した場合には、税率軽減措置が適用される。

さらに、ドナルド・トランプ大統領は8月、多くの雇用を創出するとして、キャピタルゲイン減税を「極めて真剣に検討」していると述べたが、議会で可決された場合、米国の仮想通貨投資家にとっては、納税義務が軽減される朗報となるだろう。

連邦準備制度理事会 (FRB)が進める大規模な金融緩和政策は、仮想通貨市場にとっては強気のサインと見る筋が多い。また、来月に控えたアメリカ大統領選など市場にとっての不確定要素も多く、納税を見据えた仮装通貨の売却が、価格にどれほどの影響を与えるのかは未知数といえる。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/16 火曜日
18:08
米SEC委員長が警告、「仮想通貨が史上最強の金融監視システムになる恐れ」
SEC委員長が仮想通貨タスクフォース円卓会議で、過度な規制により仮想通貨が史上最強の金融監視システムになる恐れがあると警告。国家安全保障とプライバシー保護のバランスを強調し、トランプ政権の方針と一致する姿勢を示した。
17:22
ナスダック、23時間取引体制を提案 仮想通貨取引モデルが影響か
ナスダックが1日23時間の株式取引体制を米SECに提案。仮想通貨の24時間取引が投資家の期待を変化させたことを背景に、2026年後半の導入を目指す。NYSEも22時間取引の承認を取得済み。
16:15
ペイパル、SparkでPYUSD貯蓄商品をローンチ 年利4.25%
ペイパルがSparkと提携し、年利4.25%のPYUSD貯蓄商品を開始。10億ドルの預金目標を掲げ、Paxosの連邦免許取得により規制面での優位性も確保。
15:27
中国で仮想通貨マイニング施設が大規模停止か 当局が2週間前に警告
中国新疆で仮想通貨マイニング施設の大規模停止が報じられた。ビットコインのハッシュレートが急落し、40万台のマシンが停止したとの推定も。2021年の全国取り締まり後、地下で復活していたマイニング活動に再び規制の動きか。
13:30
2025年ブロックチェーン人気ランキング、XRP初のトップ10入り=CoinGecko
CoinGeckoが2025年ブロックチェーン人気ランキングを発表した。ソラナが2年連続トップとなるも関心度は12ポイント減少した。XRPレジャーが初のトップ10入りを果たし、SuiとBNB Chainのシェアが大幅に拡大した。
13:00
Visa、銀行向けステーブルコイン事業支援を開始
決済大手Visaが「ステーブルコイン・アドバイザリー・プラクティス」を立ち上げた。銀行や企業のステーブルコイン戦略構築を支援する。
11:07
トランプ関連のアメリカン・ビットコイン、1000BTCを追加購入
トランプ関連のアメリカン・ビットコインが12月に1000BTC以上を追加購入。上場企業上位100社の保有総額は108万BTC超に達し、企業のビットコイン財務戦略が加速。
11:05
SBIとスターテイル、信託型円建てステーブルコイン共同開発へ
SBIホールディングスとStartale Groupが日本の金融規制に準拠した円建てステーブルコインの共同開発でMOUを締結。信託型3号電子決済手段として2026年度1Qのローンチを目指す。
10:20
仮想通貨「市場構造法案」採決は2026年に先送り
米上院銀行委員会がビットコインなど仮想通貨の市場構造を定める「市場構造法案」の採決を来年に先送りした。超党派による協議が継続中だ。
10:05
仮想通貨投資商品、先週は約1340億円の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週における資金フローは約1,340億円の純流入だったと報告。ビットコインなどの原資産別のデータも公開している。
09:59
ビットコインのアクティブアドレスが1年ぶりの低水準に、マイナー収益圧迫
ビットコインのアクティブアドレスが66万件と1年ぶりの低水準に落ち込み、マイナー収益も減少。Glassnodeによると、ETF承認後に取引がオンチェーンからETF経由にシフトしており、手数料の低迷が続けば長期的なネットワークセキュリティに懸念が生じる可能性がある。
09:35
メタマスクがビットコイン対応を追加、法定通貨での購入や送金が可能に
イーサリアム最大級のウォレット、メタマスクがビットコインのネイティブサポートを発表した。法定通貨での購入、ネットワーク送金、他の仮想通貨との交換機能が利用できるようになった。
08:30
ビットワイズ、ハイパーリキッドETFの修正届出書を提出 
ビットワイズが16日、ハイパーリキッドETFの修正登録届出書を提出し、ティッカーシンボルと運用手数料を設定した。ブルームバーグのアナリストは、通常こうした動きは上場が近いことを示すと指摘。
08:05
ビットコイン一時80万円下落、米規制先送りと雇用統計前で市場に警戒感広がる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは直近24時間で一時約80万円下落した。米上院で市場構造法案の審議が2026年へ先送りされることが決定されたことに加え、米雇用統計が16日に発表されることを受け、投資家の警戒感が高まったことが主な下落要因である。
07:50
トランプ大統領のFRB議長候補、仮想通貨支持派ハセット氏に反対の声=CNBC
CNBCによると、FRB議長候補として有力視されていたケビン・ハセット氏に対し、トランプ大統領に近い高官らから反対の声が出ている。トランプ氏は13日、ケビン・ウォーシュ元FRB理事が候補リストのトップに浮上したと述べた。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧