機関投資家向け仮想通貨サービス、7年間の歴史に「2つの波」=The Blockレポート

機関投資家向け仮想通貨サービス業:2013-2020

The Blockが、暗号資産(仮想通貨)の機関投資家向け取引サービスがどのように進化に来たのかについてレポートを発表した。

サービス分類や拠点の場所を調査し、また2013年から現在までの業界の変遷を追っている。

The Blockのリサーチは、機関投資家へサービスを提供する計41社の企業を特定。これらの事業の多くは、さまざまなカテゴリーにまたがる多様な製品やサービスを提供している。

リサーチは仲買、カストディ、清算、マーケットメーカーなど6つの種類にサービスを分類。

42社のうち、約36%が仲買(Blokarage)カテゴリーに分類され、業界の成長傾向を浮き彫りにしていた。業界が成熟し続けるにつれて、こうした包括的に様々な商品やサービスを提供する傾向は続くと予想される。

また地理的には42社のうち26社、つまり約62%は米国に拠点を置いていた。

米国に次いで2番目に機関投資家向けサービスが活発な国は英国であり、 B2C2、Copper、Enigma Securities、Skew、Wintermute Tradingなどの企業はすべて英国に拠点を置いている。

香港、シンガポール、スイスにも、それぞれ機関投資家向けの企業が3社ずつある。

進化の上で二つの波

またThe Blockのリサーチによると、仮想通貨に焦点を当てた機関投資家向け取引サービスの進化の歴史には、二つの波が存在したという。

第一波

最初の波は、ビットコイン価格が初めて1000ドル以上に達した、2013年から2015年の間に訪れた。初期の市場インフラはスポット取引の開発に焦点を合わせていた。

2013年から2015年にかけて、42社のうち9社が設立され、その中でB2C2、Binary Financial、GSR、XBTOが流動性サービスを提供するために市場に登場した。

SecondMarket(現在はGenesis Trading)は、ビットコイントラスト、店頭取引(OTC)デスク、マーケットメイキングサービスを立ち上げることで仮想通貨のイニシアチブを開始。また現在Paxosである元ItBitも、2015年後半にOTC仲介業を開始している。

仮想通貨に焦点を当てた最初の「プライムブローカー」(取引を促進する中央ブローカー)もこの時期に登場、例えばSFOXは、多数の仮想通貨取引所へのアクセスを集約するプラットフォームを提供した。

第二波

次の波は、ビットコインの価格が2万ドル近くに達した2017年後半に始まり、今日まで続くものとなる。

機関投資家向け取引サービスを提供する企業の約74%が、この期間に設立された。

lockFills、Jump Trading、Keyrock、QCP Capital、WintermuteTradingなどの企業が該当する。

ArwenとZeroHashによって、新しい清算・決済ソリューションが導入され、 CoinRoutes、Omniex、Paradigmなどの企業の設立により、取引メッセンジャーと取引実行プラットフォームも市場に登場。

Floating Point Groupなどの企業は、スマート・オーダー・ルーティング(複数市場から情報を集約し、最良の仕方で注文を実行する)に取り組み、仮想通貨取引のアルゴリズムシステムを改善しようとした。

伝統的な市場のプレーヤーも仮想通貨市場に参入。 CME GroupとCboeはどちらも、ビットコインの先物を導入。また、フィデリティは、新しい事業体としてフィデリティデジタルアセットを構築し、カストディや取引実行サービスの提供を可能にする。

2018年には、さらに15社が設立され、プライム・ブローカーの間で「競争」が始まるようになった。Anchorage、Babel Finance、Bequant、FalconX、Fidelity Digital Assets、Galaxy Digital、Tagomiが、現在も互いに競争している。

また、Copper、Curv、Fireblocksなどの企業が新しいカストディ・ソリューションを携えて市場に参入した。

現在

The Blockのリサーチは、2020年の現況として、仮想通貨のプライム・ブローカー分野が継続的に成長しており、新規参入者が登場を続けているとする。

コインベースが、Tagomiの買収を行ってこの分野に参入したことも特筆されるという。

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また今年始めに、BitGoは新しい貸付サービス、BitGoポートフォリオ、BitGo Tax、およびBitGoPrimeの立ち上げに伴う追加の取引サービスを開始。

アンカレッジは、年初に独自の仲介サービスを開始することで、カストディサービスを超えて取引にも参与することになった。トレーディングサービスを補完するために、同社は定量分析とリスクモデリングを行う目的で、MerkleDataを買収している。

Paxosは、Paxos Crypto Brokerageと、米国証券の取引後決済プラットフォームであるPaxos Settlementを導入した。

また、B2C2とFalconXの両社が、仮想通貨プライムブローカーの世界に参与するため資金調達を実施、それぞれ1700万ドル(約18億円)と3000万ドル(約31億円)を集めた。

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