はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

データで見るDeFiレンディング「Cream」のこれまでと最新動向

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

本記事の要旨

  • CREAMの下落によって直近のCreamのTVL(ロック額)は減少気味
  • Binance Smart Chain版Creamは安くて速く、BTCやXRP、ADAなどの非ERC20通貨にも対応
  • 既に一定数のCreamユーザーはEthereum版からBinance Smart Chain版に移り始めている。

Creamの概要

出典:Cream

Creamは、DeFiのレンディングプロトコルの一つであり、大手DeFIレンディングCompoundのフォークプロジェクトです。Creamにトークンをデポジットすると金利を稼ぐことができ、逆に金利を支払ってトークンを借りることもできます。

CreamとCompoundの最も大きな違いは、レンディングできる銘柄の多様さです。Compoundは新規トークンのリストに保守的で、ローンチから2年で未だに10銘柄しか対応していません。一方で、Creamはローンチ2ヶ月で既に計20の銘柄に対応しています。

共通点としては、CreamはCompoundのCOMPを通した流動性マイニングに倣って、ガバナンストークンであるCREAMを発行し、流動性提供者にインセンティブを提供している点があげられます。

出典:Coingecko/CREAM

Compoundとのデータ比較

CreamとDeFi最大手のレンディングサービスであるCompoundをデータを基に比較してみましょう。以下2つのデータは、それぞれの直近90日間の両サービスのTVL(合計ロック資産価値)です。

出典:DeFi Pulse/Compound

CompoundのTVLは、7月末からの3ヶ月間で6億~9億ドル(約630~950億円)の範囲を上下しています。9月半ばに一度落ち込んでいますが、それ以降は再び上昇しています。

出典:DeFi Pulse/Cream

一方でCreamは8月頭のローンチから上昇を始め、9月半ばにおよそ3.5億ドル(約370億円)のピークを迎えていますが、そこからは下落し続けて現在のTVLは1.5億ドル(約160億円)程度となっています。9月半ば以降に関していえば、Compoundとは対照的なチャートです。

9月半ばにCreamのTVLが急上昇した要因は、CREAMの総供給量の60%がバーンされたためです。その影響でCREAMの価格が急上昇し、流動性提供者の報酬も急増したため、ロック額も増加しました。

以下のCREAM価格データを見ると、バーン後にCREAM価格が急上昇していることがわかります。しかしその後、CREAMの価格下落は止まらず、結果的にTVLも減少しています。

出典:Coingecko/CREAM

CREAMのバーンは、コミュニティやCREAM保有者へ利益を還元するために行われましたが、その後急激な売り圧が生まれたことで、流動性提供者の報酬を減少させました。結果的に貸し手による流動性は減少してしまっています。

BalancerのフォークDEX、「Cream Swap」

Creamは自動マーケットメイカー(AMM)の一つであるBalancerをフォークし、債権トークンを売買できる二次流通市場Cream Swapの提供も行っています。

Cream Swapは主要なステーブルコインの他に、Creamなどに流動性を提供する代わりに受け取れる債権トークン( CRトークン)などの交換に特化しています。

出典:Cream Swap

主に債権トークンを中心に数少ないペアだけを提供しているため、取引高はDEXの中で37位かつ直近24時間で1,000万円程度(*執筆時点:2020/10/16)とそこまで大きくありません。

Binance Smart Chainへの進出

9月11日、CreamはBinance Smart Chain(*以下BSC)上でのローンチを開始しました。BSCは、仮想通貨取引所BinanceがローンチしたEthereum互換の独自ブロックチェーンです。BinanceCEOのCZによれば、BSCの手数料はEthereumの35倍安いと報告されています。

BSC版Creamの長所は、銘柄の多様さと速さ・安さにあります。リストされているトークンは、BTCやXRP、DOT、ADAなどの非ERC20の仮想通貨(*BEP2規格)のレンディングにも対応しています。手数料も非常に安く、また遅延の心配もありません。

※BSCが高性能である理由は、Ethereumとは異なり分散性を犠牲にしているからだという指摘もあります。BSCの合意形成アルゴリズムはProof of Staked Authorityモデルで、わずか21のノードしかバリデータになることはできません。

出典:Cream

Creamによれば、EthereumとBSCの利用度データは以下の通りです。現在はまだEthereum上のCreamの方が規模が大きいですが、BSC上のCreamとその他のエコシステムの発展次第では、BSC版のCreamがEthereum版を追い抜くときがくるかもしれません。

※データ出典:Cream Discord, DeFi Pulse

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/04 木曜日
17:45
2026年2月17日(火)、「Digital Space Conference 2026」開催決定
一般社団法人日本デジタル空間経済連盟(所在地:東京都港区、代表理事:北尾 吉孝、以下「当連盟」)は、2025 年 2 月 17 日(火)に、大規模カンファレンスイベント「 Di…
16:49
MUFGグループ、トークン化MMFの商品化へ Progmatと協業開始
2026年に機関投資家向け提供を目指す 三菱UFJアセットマネジメント、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ信託銀行の3社は4日、Progmat(プログマ)との協業を…
16:49
FRB利下げと流動性回復、2026年の仮想通貨市場に追い風か=Delphi Digitalレポート
仮想通貨リサーチ企業Delphi Digitalは、FRBの利下げ継続とQT終了、TGA取り崩し、RRP枯渇により、2026年に仮想通貨市場にとって追い風となる流動性環境が生まれると分析。ビットコインやイーサリアムなどデジタル資産に有利との見方を示した。
15:09
ランボルギーニとレジャー、限定ウォレット発表 「いつランボ買える」ミームに呼応
仮想通貨ハードウェアウォレット大手レジャーとイタリア高級車ランボルギーニが提携し、限定版「Ledger Stax」を2026年初頭に発売。フェラーリやポルシェなど高級ブランドのWeb3参入が加速する中、24万人超の仮想通貨ミリオネア増加が背景に。
13:25
米コネチカット州がロビンフッドなど3社に停止命令、無免許でスポーツ賭博提供と主張
コネチカット州消費者保護局がロビンフッド、クリプトドットコム、カルシに無免許オンライン賭博運営の停止命令を発行した。3社は州法に違反してスポーツ賭博を提供しており、利用者の資金や情報にリスクをもたらしているという。
12:26
チャールズ・シュワブ、2026年前半に仮想通貨取引開始へ 既存取引所に手数料圧力か
米大手証券チャールズ・シュワブが2026年前半にビットコインとイーサリアムのスポット取引を開始。低手数料戦略で既存取引所に圧力か。バンガードやバンク・オブ・アメリカも参入し、ウォール街で仮想通貨の主流化が加速。
11:15
メタマスク、最大1万ドルの損失を補償する「トランザクション・シールド」開始 
仮想通貨ウォレット「メタマスク」が有料補償サービス「トランザクション・シールド」を開始。対象となる取引について月額9.99ドルで最大1万ドルの損失を補償する。
11:02
NTT Digital、仮想通貨ソラナのバリデータを運用開始
NTTドコモグループのNTT DigitalがSolanaバリデータ運用を開始。Dawn Labsが技術支援を担う。国内ではモブキャストHDもソラナ財団認定を取得するなど、企業参入が加速している。
10:45
三井物産デジタルAM、デジタル証券ファンドを早期償還
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券ファンド「日本橋・人形町」を早期償還し、当初予想3.0%を上回る年5.0%の利回りを達成。累計利益分配金は25億円を突破した。
10:30
「バイナンス・ジュニア」、キッズ向け仮想通貨口座導入 安全性に関する議論も
バイナンスが6~17歳向けの仮想通貨プログラム「バイナンス・ジュニア」を開始した。親の監督下でシンプルアーンによる資産運用などが可能となる。
10:26
イーサリアム保有企業購入量、ピークから80%急減 ビットワイズが指摘
ビットワイズの報告によると、イーサリアム保有企業の11月購入量は8月比81%減の37万ETHに急減。一方、ビットマイン社は12月に1.5億ドル相当を追加購入し、フサカアップグレードへの期待を示した。
10:00
スターテイルとソニーのソニューム、ステーブルコイン「USDSC」をローンチ
スターテイルは3日にソニーグループと共同で開発・運営するブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」において、米ドルステーブルコイン「Startale USD(USDSC)」と報酬システム「STAR Points」をローンチしたことを発表した。
09:45
ビットコインが1万ドル反発、イーサリアム「フサカアップデート」好感で10万ドル視野に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは反発の勢いを強めている。ETHの「フサカ・アップデート」を好材料とし、2日に付けた8万3,000ドル台から1万ドルの上昇を見せた。
08:55
米SECが仮想通貨含む高レバレッジETFを阻止、3倍・5倍商品の審査停止を通告
米SECが株式や仮想通貨の日次リターンを3倍・5倍に増幅するETFの審査を停止した。プロシェアーズは3倍レバレッジ仮想通貨商品を含む複数の申請を取り下げている。
08:02
アンソロピックが来年IPO検討か、評価額3000億ドル超目指す=報道
AI企業アンソロピックが早ければ来年にもIPOを検討している。マイクロソフトとエヌビディアから合計150億ドルの出資確約を得ており、オープンAIと上場を競う。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧