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コロナワクチン報道で米株市場が暴騰、次世代イーサリアムは12月1日のカウントダウン進む

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

コロナワクチン報道で株価が大幅上昇

週明け9日の米ニューヨーク株式市場では、ダウ平均株価が一時3万ドルに迫る前週末比1600ドル暴騰。前週末比834ドル57セント高の2万9157ドル97セントで取引を終えた。

米大統領選におけるバイデン氏の勝利宣言を受け、先行き不透明感が大きく後退したほか、米製薬大手「ファイザー」が開発する新型コロナウイルスワクチンの臨床試験において、「90%超の予防効果」とする結果を発表したことで、リスクオンムードが加速した。

普及までにはさまざまな障壁があるが、市場の想定を大きく上回るスピードで、”効果的な”ワクチン開発の進捗が見られたことにより、投資家心理を大幅改善した。

外国為替市場では、一時1ドル=105円台後半まで急速に円安が進行。米ドルと逆相関にあるゴールド価格が暴落した。避難資産にヘッジしていた分の巻き戻しもあったものと思われる。

FRB(米連邦準備制度)は、量的緩和での国債買い入れのほか、「ゼロ金利政策」を23年末まで続行する見通しを示しており、株式市場は実体経済と乖離した官製相場の様相を呈している。米上場企業では、希釈される法定通貨(米ドル)のインフレヘッジの一環として、ビットコインを大量保有する動きもみられた。

直近では、Twitter社のジャック・ドーシー率いるSquare社が自社ポートフォリオの1%に約4,709BTCを組み入れたことを発表したほか、ビジネスインテリジェンス企業MicroStrategy社が、8月〜9月にかけて計38,250BTC(約450億円)購入したことを発表している。

出展:Tradeblock

仮想通貨市場の動向は

10日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)価格は、前日比+0.74%の161.2万円(15385ドル)に。

直近では、14800〜15800ドルで乱高下しつつも高止まりを見せている。過熱感を測る日足RSIがやや落ち着きを取り戻す一方、デリバティブ市場でロングが増加傾向にあることは懸念材料か。

関連:「これまでの天井・大底パターンと明らかに違う」bitbankビットコイン週間市況と各金融市場の騰落率

次世代イーサリアム2.0に向けたフェーズ0の初期段階で、11月4日にETH2.0デポジットコントラクト(契約機能)が実装された。預け入れのインセンティブとして、PoWのマイニングに相当するステーキングによって利回り報酬を受け取ることが出来る仕組みがある。

ステーキングは、ETH2.0アップグレードにおける大きな特徴の1つであり、投資家は最低32ETH(150万円相当)〜をバリデーターに預けることで、ネットワーク報酬を獲得することができる。現時点では推定年利6〜20%とされるが、実行されるバリデーター数とイーサリアムネットワークの使用頻度によっても変化するほか、21年に予定されるフェーズ1.5(シャードチェーン)実装まで、仕組み上報酬を引き出すことは出来ない点には注意が必要だ。

出典:Ethereum Launchpad

関連:次世代イーサリアムで報酬を得る「ステーキング」手順を解説

Ethereum Launchpadのデータによれば、イーサリアムの預け入れ額は、10日時点でBeacon Chain ETH 2.0の閾値(目標額)に対し、9%に達した。

ネットワークを保護するコンセンサスメカニズムが機能し、ETH2.0 Beacon Chainのネットワーク・アクティベートを実現するためには、12月1日までに16,384のバリデーター(承認者)及び、524,288ETHが必要となる。アクティブ化が行われれば、最短で日本時間12月1日21時に「ジェネシスブロック」が作成され、正式ローンチされる。ジェネシスブロックは、ブロックチェーン上で初めて作られる「block0」を指す。

なお、期限までにETHデポジット額が不足する場合、条件を満たしたタイミングから7日後のローンチ予定となっている。

時価総額2位の「イーサリアム2.0」は、仮想通貨史上でもまれに見る大型アップデートであり、市場規模拡大や価格高騰に伴う大量の取引によって処理能力の限界を超える、いわゆる「スケーラビリティ(拡張性)問題、セキュリティ、およびプログラマビリティを改善するための複数年計画となる。

コンセンサスアルゴリズムPoW(プルーオブワーク)を用いたマイニングシステムを構築する現状のETH1から、PoS(プルーフオブステーク)を使用する2.0に移行すれば、ネットワーク手数料高騰やトランザクション詰まりといった、dApps(分散型アプリケーション)やDeFi(分散型金融)利用の際の致命的な課題解決が見込まれることから、企業の参入障壁となっていたユースケースの大幅拡大が見込める。

イーサリアム財団が示す、今後のロードマップは以下の通り。

  • フェーズ0:2020年(バリデータを管理する「ビーコンチェーン/Beacon Chain」実装)
  • フェーズ1:2021年(ユーザーが利用する「シャードチェーン」実装)
  • フェーズ1.5:2021年(シャードチェーン・メインネット稼働、PoS移行)
  • フェーズ2:2021年〜(シャードチェーンの全稼働)

関連ステーキングとは|初心者でもわかる報酬の仕組み

ETHテクニカル分析

著名アナリストJosh Rager(@Josh_Rager)氏は、イーサリアムのテクニカル分析において、442ドルの下値支持線の再テストで「ポジションが山のように積まれた」買い支えがあることを重視。DeFi市場や間近に迫るETH2.0などの好材料を背景に、主要レジスタンスラインの700〜800ドルを見据えていることを明かした。

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