高速ブロックチェーンSolana
仮想通貨デリバティブ業界の風雲児とされるFTXのサム・バンクマン・フリードCEOは、独自分散型取引所(DEX)Serumについて、なぜ主流のイーサリアム基盤ではなく、Solana上で展開したのかポッドキャスト上で語った。
まず、FTXを設立した理由としてバンクマン・フリード氏は、「開発側がワクワクするようなもの、いずれ10億人規模の人々に利用されるようなDeFiプロダクトを提供したかった」と語り、現状のイーサリアムチェーンでは、いずれTPS(Transactions Per Second:秒間取引数)が足りなくなるとの見解を示した。
現状のETHチェーンでは遅すぎると踏んだバンクマン・フリード氏は、開発の初期段階で30社以上のネットワークをテストした後、秒間50,000トランザクションを処理出来る「Solano」上でDEX開発するに至った。
旧イーサリアムの課題点
イーサリアムは、ETH2.0に向けスケーラビティ問題の解消にあたっているが、少なくとも現時点でのネットワーク渋滞や取引手数料の高騰は、DeFiの人気沸騰の影響で問題視されており、多くのdAppsのユーザビリティに深刻な影響を及ぼした。
一方で、Solanoの創設者であるヤコヴェンコ氏とバンクマン・フリード氏は、ネットワークの渋滞はいずれ業界の成長とともに克服されていく問題だと捉えている。
ヤコヴェンコ氏とバンクマン・フリード氏は、すでにホームセンターやアマゾンなどで購入できるパーツにより、「秒間30万TPSを処理できるシステムを設置できる」と述べ、今年8月のイーサリアム上の手数料総額(約121億円)があれば、年間30万TPSを処理できるシステムを2万台用意できるとの概算を明らかにした。
ヤコヴェンコ氏は、Solanoが処理能力でスケールするだけではなく、ネットワークの拡張に伴い検閲耐性の高さを維持することに注力しており、いずれ70万TPSまで12倍相当の成長余地を見据えた。
なお、現在のメインストリームであるイーサリアムは、次世代チェーンであるイーサリアム2.0への大型アップデートを図っており、本稼働後は、100〜1000倍のTPS処理を見込んでいる。