はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ロシア財務省、仮想通貨課税の申告漏れに対する罰則を軽減する提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨取引の申告漏れに刑事罰

ロシアの財務省が、暗号資産(仮想通貨)の納税について修正案を作成したことが判明した。以前の案よりは、刑事罰対象となる条件が緩和される内容となるが、関係者からは罰則自体が過度であるとの声も挙がりつつあるという。

修正案によると、仮想通貨の所有者は、4500万ルーブル(約6100万円)以上の仮想通貨取引について、3年連続で税務当局に報告しなかった場合、最大3年間投獄される可能性がある。

この刑事罰は、9月時点の修正案では、500万ルーブル(約680万円)相当の取引を非開示にしていた場合を対象としていたため、金額について大幅に緩和された形だ。

また以前の案では、年間取引が10万ルーブル(約13万円)を超える場合、当局に申告する必要があったが、今回の修正では取引が1年間で60万ルーブル(約81万円)を超える場合が対象として、申告を要する額の条件も緩和された。

他の罰則も様々設けられている。例えば課税される事業所得にデジタル通貨による収益が含まれていなかったために、その分の税金を支払わなかった場合、その未払い税額の40%が罰金として徴収されることになる。

ロシアでは7月に可決し、2021年1月1日より施行される「デジタル金融資産関連法(DFA法)」において、仮想通貨取引は合法となるが、商品やサービスの支払いに使うことは違法とみなされることが決定済だ。

これを受けて修正案は、商品やサービスの支払い手段として仮想通貨を使用した場合、一般市民は2万から20万ルーブル(約26万円)の罰金を支払うとも規定している。

財務省は記者会見で「デジタル通貨の使用は毎年増加している。投資目的だけでなく、犯罪収益の合法化のためにも発生する」と述べて、追跡が難しい仮想通貨の違法な使用を防ぐためにも法規制が必要だと説明した。

過剰な規制との声も

一方で、関係者からは仮想通貨取引に関する罰則は過剰ではないかと指摘する声も挙がっている。ロシア暗号経済・AI・ブロックチェーン協会長Yuri Pripachkin氏は修正案について「財政目的では非常に合理的にみえるが、刑事責任の確立は、違反自体に対して過度で不均衡であるように思われる」と意見した。

ペンアンドペーパー弁護士会サンクトペテルブルク事務所のパートナーでAlexey Dobrynin氏は、現在ロシアの刑法は、納税者が資産の取引について税務当局に通知しなかったという事実そのものに対する刑事責任を規定しておらず、税金を支払わなかった場合に初めて刑事罰の対象になると指摘。

取引を開示しなかっただけで刑事訴訟の対象になるこのような立法は、仮想通貨関連犯罪の増加や、仮想通貨産業を管理したいというロシア政府の意志を反映しているとコメントした。

ロシアの仮想通貨規制の詳細はDFA法とは別に、12月下旬に終了する秋の国会で審議される「デジタル通貨関連法(DA)」の内容に委ねられている。

仮想通貨マイニングが盛んなロシア

商品の購入禁止や、納税義務を巡る厳しい罰則にも関わらず、ロシアでは仮想通貨取引や関連事業が盛んだ。

ロンドン証券取引所にも上場する、ロシアの資源・電力大手「En+」グループは先日、仮想通貨マイニング企業BitRiverと提携して、合弁会社「Bit+」を設立することを発表した。

イルクーツク地域で再生可能エネルギー(水力発電)を利用し、仮想通貨マイニングを始め、様々なデータサービスを顧客に提供するという。マイニングについては12月末までに、フル稼働時で600PH/s(ペタハッシュ/秒)を超える計算能力を生み出す可能性もあると期待されている。

En+の最高財務責任者Mikhail Khardikov氏は、仮想通貨分野に合理的な規制を導入することは、エネルギー生産やその他の産業などを育てることにもなると述べつつ、同社はよりよい仮想通貨規制が行われるよう、ロシア政府や市場参加者に積極的に働きかけていると明かした。

ケンブリッジ大学オルタナティブ金融センターのデータによると、世界各国のBTC採掘率は、2020年4月時点で、1位が中国(65%)、2位が米国(7.2%)、3位がロシア(6.9%)である。巨大電力企業の参加により、ロシアがこの先さらにシェアを増やす可能性もありそうだ。

関連:露電力会社大手、ビットコインマイニング事業に参入──再生可能エネルギーを活用
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。
17:11
SMBCグループ、事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設 Web3や生成AIの活用を目指す
SMBCグループが事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設。Web3などを活用し、スタートアップから大企業まで多様なパートナーと新事業を創出。
15:08
みんなの銀行、ソラナ基盤のステーブルコイン事業化に向け共同検討を開始
みんなの銀行がソラナ(SOL)基盤のステーブルコインとweb3ウォレットの事業化に向け共同検討を開始。Solana Japan、Fireblocks、TISの3社と協業し、新たな金融体験の創出を目指す。
13:50
米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。
13:00
米ストラテジー社に集団訴訟 ビットコイン保有リスクを軽視と主張
米国でストラテジー社に対する集団訴訟が提起された。ビットコイン投資戦略を過大評価しリスクを軽視したと主張している。新会計規則適用後の損失計上が争点の一つになっている。
12:55
メタプラネット支援コンソーシアム、タイ上場企業買収でビットコイン戦略を東南アジアに拡大
メタプラネット支援者らが筆記るコンソーシアムがタイ上場企業DV8の買収計画を発表した。日本で成功したメタプラネットのビットコイントレジャリー戦略をタイで再現し、さらに東南アジアに展開する第一歩として注目される。
12:36
オルタナ信託、BOOSTRY・ALTERNAと連携しデジタル証券の管理体制を強化
デジタル証券特化の「オルタナ信託」設立。BOOSTRYとALTERNAが協業を深化し、STの取得から販売まで一貫した新たな枠組みを構築する。
11:35
米雇用統計好調でビットコイン一時11万ドル超、アーサー・ヘイズが下落リスクを警告する理由は?
米国6月雇用統計が予想を上回る14万7000人となり、ビットコインは一時11万500ドルまで上昇した。しかしBitMEX創業者アーサー・ヘイズ氏は、米財務省がステーブルコインを国債購入の受け皿として活用することで市場から流動性が奪われ、8月開催のジャクソンホール会議前に9万ドル水準へ下落すると予測した。
11:00
アルトコイン取引の増加傾向続く 仮想通貨OTCレポートが公開
Finery Marketsは、仮想通貨のOTC取引に関する2025年上半期のレポートを公開。ビットコインやイーサリアム、ステーブルコインの他にアルトコインの取引が増加傾向を継続していると指摘した。
10:35
「1兆ドル予測は楽観的すぎた」、 JPモルガン ステーブルコイン時価総額の2028年予測を下方修正=報道
JPモルガンはステーブルコイン市場の2028年予測を5000億ドルとし、他社の1-4兆ドル予測を否定。決済利用は6%に留まり、主用途は仮想通貨取引と指摘。
10:00
ビットコイン、クジラによる売却と機関投資家の需要が拮抗=報道
仮想通貨ビットコインの大口保有者が過去1年で50万BTCを売却する一方、機関投資家の需要増加により価格が膠着している。今後のビットコイン価格については様々な見解がみられる。
09:30
ロビンフッドCEO OpenAI株式トークン化を「革命の種」と表現も、提携否定で波紋広がる
ロビンフッドがOpenAI株式トークン化サービスを欧州で開始したが、OpenAIは提携を否定。テネフCEOは「トークン化革命」と強調するも、未上場株式の権利問題が浮き彫りに。
09:16
仮想通貨SEI、国内取引所OKJに新規上場へ
国内暗号資産取引所OKJが2025年7月8日からセイ(SEI)の取扱いを開始。ゴールドマンサックス・Robinhood出身者が開発した高速ブロックチェーンで、米国でETF申請も話題。入出庫は7月8日、売買は7月11日17時開始予定。
09:00
ビットコイン今年4度目11万ドル超え、株価相関強まり最高値更新も視野に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは3日に今年4度目となる一時11万ドル突破を記録した。7月3日から4日にかけて、トランプ政権の大きく美しい法案が可決されたことに加え、米雇用統計が底堅い推移を示したこと、さらにシンシア上院議員が暗号資産の減税法案を提出したことが追い風となった。
08:05
ETF購入減速でビットコイン価格上昇に陰りか、ETHは蓄積量が過去最高に=Cryptoquant分析
仮想通貨ビットコインETFとMSTR(ストラテジー)の購入は大幅減速、全体需要の縮小で価格上昇が鈍化。一方、イーサリアムは6月に蓄積アドレスが史上最高を記録、機関投資家による大量保有が続く。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧