はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「ビットコインは価値の裏付けがない?」 金融大手フィデリティが様々な批判に反論

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

フィデリティがビットコイン批判に反論

その理念に傾倒する支持者が、世界至る所に数多く存在する一方で、ビットコインは各方面から罵詈雑言を含む様々な批判を浴びてきた。

米金融最大手フィデリティの暗号資産(仮想通貨)関連子会社「Fidelity Digital Assets(FDA)」は、そのような批判の中でも、特に執拗に繰り返される、以下の六つの批判に対して、最新の反論を展開した。

1.価値の保存手段としては価格変動が激しすぎる

2.支払い手段としては失敗している

3.エネルギーを浪費している

4.不正な活動に使われている

5.何の裏付けも無い

6.ライバルに取って代わられる

1.価格変動の激しさ

ビットコインの価格変動は、「完璧な供給の非融通性と介入と無縁の市場」とのトレードオフだとフィデリティは反論している。「市場が成熟し、様々な金融商品が開発され、市場参加者が増加するにつれ、日々の価格変動は相対的に低下していくと考えられる」と前置きした上で、上記二点について、次のように解説した。

供給の非融通性

ビットコインの供給量は限られており、その発行速度も調整されている。つまり供給の調節に融通が効かないのが、ビットコインの特性であり、ビットコインの希少価値を高めることに貢献している。

介入とは無縁の市場

ビットコインのボラティリティは「介入に抵抗力のある市場」であることの代償と考えられる。中央銀行・政府は、人為的にボラティリティを抑制するために、ビットコイン市場を支援したり下支えするなどの介入することはできない。

介入なしでは、崩壊する可能性があるような歪んだ市場=「人工的な安定性」よりも、ボラティリティを伴う「真の価格発見」ができる市場の方が望ましいかもしれない。

以上のような点から、ビットコイン投資家は、ボラティリティを「大規模な未開拓の市場を抱えた有望資産」にアクセスするためのコストもしくはプレミアムと捉えているとフィデリティは強調した。

2.支払い手段としては失敗

コーヒー一杯の支払いなどの小額決済で、Visa、MasterCard、PayPalなどの決済業者が提供するスループットには及ばないと言う点で、ビットコインは失敗だとの批判がある。

また、ビットコインを「資産」として分類している米国では、ビットコインを使った支払いには、税務上、損益計算も必要となり、支払い手段としての魅力が損なわれていると指摘した。

しかし、フィデリティは、ビットコインは日常的な支払いではなく、高い決済保証が必要とされる取引で、その真価を発揮すると主張する。

「ビットコインは、分散化や不変性といった中核的性質を提供するために、高価で限定的な容量など、意図的なトレードオフを作り出している」

分散化を実現し「抑制と均衡」を実装するためスループットが限定的であるという、ビットコインの特性を受け入れた上で、ビットコインが提供する「グローバルで不変性を持った取引」を必要とするのは何か、と発想の転換を図ることをフィデリティは提案している。そして、ビットコインに適した決済として、国際的な企業間、中央銀行や政府間などの、グローバル決済を例にあげた。

フィデリティはChainalysisのデータを引用し、2017年以降、四半期毎に5億ドル超のビットコインが、オンライン決済業者を通じて送金されていると指摘。最低で年間20億ドル(2090億円相当)のビットコインが決済手段として既に使用されている実績があると述べている。

3.エネルギーの浪費

ビットコインのマイニングが消費する電力量は、常に環境問題と絡めて批判されてきた。

しかし、フィデリティは、現在ビットコインのマイニングの大部分(推定73%)は、再生可能な自然エネルギー(水力発電、風力、太陽光など)を利用していると指摘した。

さらに、輸送のインフラが整備されていないガス田(ストランデッドガス)やその副産物(爆発の危険性を避けるために燃焼させるフレアガスや空気中に放出するベント)を利用した発電でマイニングを行う事業も設立されているという。実用性の乏しい資源を活用し、かつ炭素やメタンの排出量削減に繋がる、一石二鳥の利用法だ。

Crusoe Energy SystemsやEquinorといったエネルギー企業が、既にフレアを利用した発電で、ビットコインマイニングに参入すると発表しているそうだ。

ちなみに、アメリカの二大油田が、昨年、フレア・ベントさせた約5,000億立方フィートのガスは、大気中に直接放出された場合、石炭を燃料とした火力発電所7カ所分が気候変動に与える影響に匹敵するとのことだ。

環境団体から批判を受けるビットコインマイニングが、環境問題改善に結びつく動きが始まっているようだ。

4.不正な活動に使用される

この批判もよく耳にするものだが、実際は、ビットコインは「現金やインターネットと同様、中立的」であるとフィデリティは指摘した。ビットコインそのものが犯罪を作り出すわけではない。

ブロックチェーン分析会社Ellipticのデータによると、ダークマーケットやランサムウェア、詐欺的活動などの不正活動に、ビットコインを利用する事例は減少傾向にあり、近年、不正活動に関連した取引はビットコインの取引全体の1%未満となっているとのことだ。

さらに、ブロックチェーンの特性を利用し、ビットコインを介した犯罪行為の追跡を可能にする科学捜査技術も開発されているため、犯罪者がビットコインを利用する「障壁」ともなり得る。

5-6.価値の裏付けとネットワーク効果

「ビットコインには何の裏付けもない」との批判も多い。法定通貨の場合は、発行元である「政府への全幅の信頼と信用」、そして国の法令によって裏付けられている。そして、ビットコインは「コードと主要な利害関係者間のコンセンサス」がその支えとなっている。

ビットコインの主要な利害関係者は、ビットコインのユーザー、マイナー、ノード、ソフトウェア開発者が含まれ、「ビットコインの特性を実現するために、ネットワークを利用し、支持するという明確な意思表示」を行なっている。このようなビットコインのネットワーク効果が、ビットコインの信頼性を強固なものにしていると、フィデリティは主張している。

そして、ビットコインには、価値を生み出す特質があり、その特質を提供するために、意図的にスループットやボラティリティといった側面を代償にしている。一方、他の仮想通貨は、このようなビットコインの欠点を改善しようと努力したが、結果的にビットコインの中核的な特質を犠牲にすることになったとフィデリティは指摘。

既に他のPoWベースの暗号資産の時価総額の総計よりも、桁違いに大きい時価総額を誇るビットコインの強みは、そのコミュニティとネットワーク効果であり、他のネットワークが再現することは大変困難だろうと、フィデリティは結論づけた。

出典: Fidelity Digital Assets

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
02/07 土曜日
14:02
ロシア最大手銀スベルバンク、仮想通貨担保ローンの本格展開へ
ロシア最大手銀行スベルバンクが仮想通貨担保ローンの本格展開に向けて準備を進めている。企業顧客からの強い関心を受けて中央銀行と規制整備に取り組む方針だ。
13:10
ビットコイン現物ETFの取引高、市場急落の中1.5兆円超えに 過去最高を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が日次取引高で過去最高を記録した。ビットコイン価格下落の中、一週間で1080億円が純流出している。
11:35
トランプ政権、ステーブルコイン利回り問題で銀行・仮想通貨業界の協議を11日に再開予定か
米ホワイトハウスは11日、仮想通貨市場構造法案をめぐるステーブルコイン利回り問題について、銀行業界と仮想通貨業界の協議を再開する予定だ。今回は銀行代表も直接参加し、数カ月にわたる対立の解消を目指す。
10:52
「ビットコイン蓄積戦略に変更なし」メタプラネット表明 BTC価格下落の中
メタプラネットCEOが、仮想通貨ビットコイン価格下落の中でも積み増し戦略に変更なしと表明した。現時点で含み損の状態だが、目標に向け計画を推進していく。
09:50
ポリマーケットが「POLY」商標を米国で出願、トークン発行を準備か
予測市場大手ポリマーケットを運営するブロックラタイズが米国特許商標庁に「POLY」と「$POLY」の商標を出願した。同社は昨年10月にネイティブトークンとエアドロップの計画を表明しており、トークン発行に向けた準備を進めている模様。
08:20
ストラテジー社CEO、「ビットコインが8000ドルを5年以上維持しない限り債務に問題なし」
ストラテジー社は、2025年4Qの収支報告会を開催。同社のCEOは、仮想通貨ビットコインの価格が8,000ドルまで下落し、5年〜6年の間その水準で推移し続けない限り転換社債の返済に問題は起きないと説明した。
07:50
仮想通貨銀行と地域銀行が対立、米FRB簡易版マスター口座提案めぐり
米連邦準備制度が提案した簡易版マスター口座に対し、仮想通貨銀行と地域銀行から約30件のコメントが提出され、非伝統的金融機関の決済システムへのアクセスをめぐり意見が対立した。
07:20
中国人民銀行、仮想通貨規制を強化 RWAトークン化と人民元建てステーブルコインを明確に禁止
中国人民銀行は8つの政府機関と共同で仮想通貨関連活動の取り締まり強化を発表し、RWAトークン化と人民元建てステーブルコインの発行を明確に禁止した。
06:30
バイナンス、SAFUファンドで3600BTCを購入完了
世界最大の仮想通貨取引所バイナンスがユーザー保護基金SAFUで2.5億ドル相当の3600ビットコインを購入し、1月30日の発表から30日以内の転換完了を目指している。
06:10
ビッサム、イベント報酬で62万BTCを誤送金 ビットコイン価格が一時5.5万ドルまで急落
韓国の仮想通貨取引所ビッサムがイベント報酬で62万ビットコインを誤って配布し、一時的な価格急落を引き起こしたが、35分以内に取引を停止し99%以上のBTCを回収した。
05:45
ビットワイズ、仮想通貨市場の底打ち時期を分析 6つの下落要因とは
ビットワイズのマット・ホーガン最高投資責任者は、ビットコインが最高値から54%下落した現状について6つの要因を分析し市場底打ちの可能性と回復の条件について見解を披露した。
02/06 金曜日
16:49
ReWallet(リウォレット)とは?暗号資産ウォレット復旧サービスの全貌を解説
ReWalletは暗号資産ウォレットの復旧に特化したスイス企業。パスワード紛失やシードフレーズ破損など幅広いケースに対応し、成功報酬型で初期費用は無料。サービス内容や対応ウォレット、料金体系を解説。
14:22
バージニア州、ビットコイン準備基金法案が上院委通過
米バージニア州で仮想通貨準備基金法案SB557が上院委員会を通過。時価総額5,000億ドル以上の仮想通貨投資を認可。テキサス州など3州が既に法制化、全米の多数の州で検討中。
13:30
「コピペEVMチェーンは不要」、ヴィタリックが安易なL2乱立に苦言
イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が、安易なEVM互換チェーンの量産を強く批判した。「コピペEVMチェーンは不要」と述べ、プライバシーやアプリ特化の効率性など真の価値を持つL2開発の必要性を強調した。
13:05
米CFTC、政治予測市場の禁止提案を撤回 スポーツ賭博についての議論は続く
米CFTCが政治関連予測市場の禁止提案を撤回し新規則策定の意向を示した。一方でネバダ州がコインベースを提訴するなどスポーツ賭博規制で議論が続いている。最新動向を解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧