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「仮想通貨への課税、様々な配慮を」米国財務省幹部

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

二つの課税アプローチを検討

経済協力開発機構(OECD)の「2020年グローバル・ブロックチェーン政策フォーラム」で米国財務省の幹部が、暗号資産(仮想通貨)税制についてコメント。課税方法のもたらすトレードオフの関係にある問題点も考慮することが重要だと述べた。

パネルディスカッションで発言したのは、税務政策局の上級顧問Erika Nijenhuis氏で、投資家への課税を促すアプローチとして2つのプロセスを挙げた。

一つ目が、国際的な共通報告基準(CRS)のようにリスクに焦点を当てたアプローチであり、もう1つは納税義務に焦点を当てて取引報告を行うアプローチである。

どちらにも、導入と引き換えにもたらされる欠点があり、そうした問題について財務省は懸命に考慮している最中だとした。安易な課税プロセスには問題が生じる可能性があるとして、様々な配慮が必要になるとの考えを示した。

なお、共通報告基準(CRS)は経済協力開発機構が作成した、外国の金融機関等を利用した国際的な脱税に対処するため、非居住者の金融口座情報を各国の税務当局間で交換するための国際基準のことである。日本でも批准しており、平成30年より金融機関は特定の非居住者の金融口座情報を所轄税務署長に報告している。

Nijenhuis氏は、各アプローチが取引所などの仮想通貨関連企業等に課す負担については、コンプライアンス強化などの利点の両方を考え合わせる必要があるとしている。

これに対して、大手仮想通貨取引所コインベースの税務担当副社長Lawrence Zlatkin氏は、「大量に情報を収集するほど、よい結果に結びつくとは限らない」として、取引報告に焦点を当てたアプローチの欠点を指摘している。

大量に取引データを集計することは、取引所に多大な負担をかけ、また税法の施行に必ずしも役立つとは限らないというのがZlatkin氏の考えだ。

また、米国は国際的な金融報告ルールを独自に解釈する傾向があり、他の国とは違うルールが採用されることも、取引所にとっては重荷になると説明した。

参考:ブルームバーグ報道

先進的な仮想通貨税制を提唱

今回のフォーラムに先だって、OECDは「仮想通貨への課税:税務処理と新たな税務政策課題の概要」というレポートを発表した。

その中で仮想通貨の特殊性を考慮した具体的・明確なガイダンスを作成することを各国に推奨。さらに、様々な先進的な政策も提案した。

例えば、小規模な納税者のコンプライアンスを促進するために手続きをシンプルにすることがある。

具体的には、仮想通貨間の取引を所得税の対象から除外し、トークンを法定通貨に変換したり、商品やサービスの購入に使用した場合に初めて、その利益に課税される仕組みを提案。環境保護のために、電力消費の少ないメカニズムを税制上優遇する仕組みにも触れた。

一例としては、PoWと(プルーフオブワーク)とPoS(プルーフオブステーク)について、より電力消費の少ないPoSを税制上区別する可能性を挙げた。

関連: 仮想通貨課税の国際指針──経済協力開発機構が日本含むG20に提案へ

尚、日本における仮想通貨税制の問題点としては「総合課税で最大税率55%になること」「損失額が繰越控除できないこと」「少額非課税制度が存在しないこと」などが議論されており、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は自民党の政策懇談会で税制改正の要望書を提出したところだ。

関連: 自由民主党へ仮想通貨の税制改正要望 JCBAが『予算・税制等に関する政策懇談会』に出席

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