取引の提供を開始
ロシア三大銀行の1つ「ガスプロムバンク(Gazprombank)」のスイス支店が、ビットコイン(BTC)取引の提供を開始した。
規制に準拠したサービス設計で、暗号資産(仮想通貨)の投資と口座管理のソリューションを機関投資家などの法人顧客に提供する。
Gazprombankは昨年の総運用資産額が8.5兆円超のロシア最大の非国有銀行。先月29日にはスイス連邦金融市場監督機構(FINMA)から、仮想通貨と法定通貨との交換および仮想通貨カストディのサービスを提供できる認可を取得したことを発表していた。
GazprombankのCEOは今回のサービス開始の発表で、デジタル資産は同社の顧客にも世界経済においても、これから重要になっていくとコメント。「我々のソリューションは従来の資産と同様に、容易に仮想通貨の取引を行うことができる」とした。
Gazprombankのサービスは、デジタルの銀行サービスソリューション領域を牽引するAvaloqと、デジタル資産のインフラを提供するMETACOと共に開発された。
トラベル・ルールにも対応
Gazprombankは取引開始の発表とともに、自社の仮想通貨サービスを強化するためにOpenVASPにも参加した。
OpenVASPは、仮想通貨取引所などのサービスプロバイダー(VASP)の間で取引情報を送信するためのオープンなプロトコルを確立することを目的として設立された組織だ。
今回の加盟によって、金融活動作業部会(FATF)のトラベル・ルールへの準拠に取り組むことになる。OpenVASPのソリューションは、今年8月、スイスの仮想通貨関連企業3社が、FATFの資金洗浄対策ルールを自動で遵守するBTC送金のデモンストレーションで利用するなど、実用レベルまでの開発も進んでいる。
トラベル・ルールとは、資金洗浄等防止のため国際的な電信送金に関するルールで、VASPには取引の際、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することも求められる。
対象となるVASP間の仮想通貨送金で、国際的な本人確認(KYC)ルールが適用されることになる。
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Gazprombankは、OpenVASPのメンバー間で仮想通貨の送金を行うコミュニケーション用のプロトコルを開発・導入するために、スイス拠点大手仮想通貨ブローカー「ビットコインスイス(Bitcoin Suisse)」と契約。銀行とVASPの契約はスイスでは初であると説明している。
参考:Gazprombank