- 当面の課題は、流動性の欠如
- 仮想通貨市場で短期的に価格が乱高下するの要因の一つとして、”流動性の欠如”により、大口投資家や機関投資家によって市場操作しやすくなっている点にもあると言える。大手銀行や大手金融機関の参入は、市場流動性を高め、ビットコインなどの価格を中長期で上昇させることになると思われます。
ビットコイン財団:Jon Matonis氏の見立て
金融経済学者で、ビットコイン財団 (Bitcoin Foundation) の共同創設者であるJon Matonis氏は、「大手銀行やゴールドマンサックスのような大手金融機関の仮想通貨市場への参入は、ビットコインの流動性を高め、最終的にはビットコイン価格を上昇させることになるだろう」と述べました。
Matonis氏は、大手金融機関の参入について、
「彼らが参入することによって新たな流動性をもたらすことになるので、それは素晴らしいことだ」と述べ、また「”市場を成熟”させ、極端な価格変動を減少させる助けとなるだろう」と付け加えました。
「彼らは、先物市場やオプション市場を開拓するだろうし、私が思うに、ビットコイン関連の”金利を扱う市場の誕生”を見ることになるかもしれない。 」
「Libor (ライボー:ロンドン銀行間取引金利)についての話題は聞き慣れているが、ビットコイン金利指数はBiborとなる。」
(Matonis氏)
仮想通貨市場は、価格の乱高下が非常に大きい市場ですが、その価格変動の主な原因の一つは”流動性の欠如”だと言えるでしょう。
1月以降に発生した大規模な価格修正により、1日あたりのビットコインおよび主要仮想通貨の取引量は大幅に縮小し、それに伴ってビットコイン価格も大幅に下落しました。
1日の取引量の著しい低下によって、先物市場では、「クジラ」と呼ばれるビットコインを大量に保有する投資家や、機関投資家が市場操作を行うことが可能になりました。 それが、この数ヶ月にわたり、市場が相関性のある値動きを見せた理由の一つと言えるでしょう。
先日、シカゴ・オプション取引所(CBOE)は、米国証券取引委員会 (SEC) に対し、ナスダック(Nasdaq)やニューヨーク証券取引所などのアメリカ株式市場への、ビットコイン上場信託投資 (ETF) の上場を許可するよう申し入れました。
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現時点で、アメリカの機関投資家からの需要は比較的高いのですが、一般的な金融業からの仮想通貨市場への資金の流入は、ほとんどないというのが実情です。
一方、日本では、機関投資家は、小売業に特化した取引プラットフォームを通して、仮想通貨に多額の資金を投資しています。
さらに、Matonis氏は、「ビットコインはバブルである」と主張する仮想通貨に懐疑的な人々に対し、「中期的にみると、債券市場と株式市場こそ、数兆ドルにも及ぶ、破裂を免れないような世界規模の金融バブル」であり、次のような比喩を持って、現在の金融市場がおかれた状況を鋭く批判しました。
「私なら、ビットコインがバブルだという人に対して、ビットコインはバブルを”破裂させる針”だと言おう。」
「バブルとは、中央銀行によって支えられている、正気を失ってしまった債券市場と、偽造された株式市場のことだ。 これらこそがバブルだ。」
金融機関の参入時期は
しかし、主要な金融機関が市場に参入するのが、いつになるのかは、まだ定かではありません。
決定的なことは、ここ2、3ヶ月、仮想通貨市場は、特に韓国のような地域の主要メディアによって、ギャンブル要素の強いエコシステムというイメージに仕立て上げられてしまったということです。
もし、短期間に市場が回復し、ビットコインなどの仮想通貨が過去最高水準の価格に戻ることになれば、銀行は需要の高まりに対処するよう努力するでしょう。
弱気相場では、競合他社より先に、仮想通貨市場開拓の最前線で優位性を確立しようとの意図がない限り、金融機関は市場参入を急ぐことはないでしょうから、銀行がこの市場に参入するには、少なくとも数ヶ月を要するかもしれません。
しかし、銀行参入が現実となる時、仮想通貨市場は”著しく向上した流動性”を備え、一般の人々が参加できる投資体制が整った市場となることでしょう。
Investor: Banks [Goldman Sachs] Entering Crypto Will Lead to Bitcoin Price Surge
APRIL 02, 2018 by Joseph Young
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