10年前に採掘された1000BTC
2020年12月27日16時頃(日本時間)、2010年に採掘された暗号資産(仮想通貨)ビットコイン約1,000BTCの資金移動が判明した。Bitcoin.comが、ビットコイン追跡サイトBtcparser.comを参照して報告した。
ビットコインマイナーが、黎明期の2010年の8月〜10月にコインベースから受け取った20ブロックの報酬で、現在レートで2,700万ドル(約28億円)以上に相当する。昨今の価格高騰に伴い、売却を目的にしている可能性がある。
BTC供給量の9.5%が休眠中
10年以上移動していない古いBTCは、スリーピング・ビットコイン、またはゾンビコインなどと呼ばれており、10年以上動いていない休眠BTCは、推定100万BTC以上あると考えられている。
1.78 million bitcoins have never left their miner address.
— glassnode (@glassnode) December 18, 2020
That is 9.5% of the circulating #Bitcoin supply.
Our analysis shows that 98% of those coins were mined more than 7 years ago, and 94% more than 10 years ago.
Most could be lost forever.https://t.co/iTmMsb6Dan pic.twitter.com/3QBmn3jifJ
仮想通貨情報の分析を行う企業glassnodeは、次のように説明した。
マイナーのアドレスから離れたことのないビットコインが178万BTC存在している。これは流通しているビットコイン供給量の9.5%にあたる。
私たちの分析によると、これらのコインの98%は7年以上前に採掘されたもので、さらに94%は10年以上前に採掘された。そのほとんどが永久に失われている可能性もある。
Glassnodeは、秘密鍵の紛失などによる「失われたビットコイン」に関して、およそ300万BTCに上る可能性があると試算している。
11月には約7万BTCコインが移動
休眠状態のBTCは、いわゆる「クジラ」(大口投資家)が保有するビットコインとも考えられており、売り圧力にもつながり得るとして注意が向けられる存在だ。
2020年11月には「ビットコインアドレス保有量ランキング」で4位の大口アドレスから、69,369 BTC(執筆時約1900億円相当)ものビットコインが移動されたことが判明。送金先は不詳で主要な取引所のアドレスには入っていなかった。
ブロックチェーン情報分析企業CipherTraceによると、この送金主アドレスは、2013年に米政府に摘発され閉鎖されたダークウェブ「シルクロード」に関連するものだったという。
また10月にも、2010年にマイニングされたビットコイン計1000BTCの移動が確認されている。このBTCは入金履歴から、まだ個人用PCでも採掘できた当時にマイニングで得た報酬であることが判明している。
BTC黎明期には、マイナー間の競争率が低かったため、新しいブロックを生成することに必要だった演算パワーは個人用パソコンのCPUでも容易に処理できた。
サトシ・ナカモトのBTC保有量は
ビットコイン創設者サトシ・ナカモトのBTC保有量については、大口のトランザクション分析を行うWhale Alertが7月に推計を発表している。サトシ・ナカモトによるマイニングパターンを分析したところ、総量112万5150BTCを採掘しているという。執筆時のレートでは3.1兆円相当にも達する計算だ。
このBTC売却の可能性についてWhale Alertは、サトシの保有するビットコインはネットワークを成長させるための「副産物」であったため、未使用のビットコインが使われる可能性は低いだろうと分析。一方で、永久に使用できなくするよう「バーンしなかった」ことに疑問は残ると付け加えた。
関連:「推定時価1兆円」を保有、サトシ・ナカモトによるマイニングの真の目的とは