「機関投資家は来たる」
イギリスにある大手資産運用企業Rufferが、機関投資家目線で、暗号資産(仮想通貨)ビットコインへの投資理由や展望について説明を行った。
Rufferは約3兆円におよぶ資金規模を運用するファンドで、2020年12月にゴールドのポジションを減らした資金をビットコインの購入(11月実施)に充てていたことを明かしている。後に、約775億円をビットコインに投資したことが判明した。比率としては、Rufferの運用資産総額の約2.7%を占める規模となるようだ。
TheBlockの報道によると、Rufferはビットコインへの投資は、会社がこれまで行ってきた「非伝統的保護策」の投資方法に当たり、長期的低金利の状態において、ビットコインはヘッジ資産として魅力的だと説明している。
また、機関投資家による参入について、「我々は比較的に早めにビットコインへの投資を行ったと思う。今後大勢の機関投資家がビットコインを採用するトレンドの起点にいると言えるだろう」と表現した。
一方、ビットコイン投資の理由については、ビットコインに関する規制や制度化などの不明確さが存在すると指摘。これが、リスクプレミアムを大きく上昇させていると試算する一つの要因にもなっているとした。
「ビットコインの規制環境や制度化が確立すれば、リスクプレミアムは低下する可能性が高まることから、投資リターンは今よりも大きく低下することになる。そのため、我々のポジションは比較的に限定されることになるだろう」
リスクプレミアムとは、「リスクのある資産の期待収益率から無リスク資産の収益率を引いた差」のこと。リスクが大きいほど、リスクプレミアムも大きくなり、投資家は大きな値上がりを期待できる反面、値下がりする可能性も高く、そのブレの大きさを受け入れる必要がある。
例えば、国債などの無リスク資産の利回りに対し、どれだけの年間上昇率が見込めれば、リスク資産に投資資金が集まるかを判断する上での参考レートであり、Rufferはビットコインに対して、高いリスクプレミアムを設定している。
ハイリスクハイリターン資産であるとした上で、今後機関投資家の資金が入る見込みが高いとして、ビットコインの現状の不確実性に投資を行なっている可能性を示している。
なお、Rufferはビットコインに関連した投資では、直接保有する以外に、ビットコインに関連する企業の株も保有している。最新の書類によると、約7万BTCのビットコインを保有するMicrostrategy社(約1.6億円のポジション)と、仮想通貨投資企業Galaxy Digital(約3億円のポジション)に投資を行なっている。
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