加財務省、BTC「ボラティリティ(価格変動率)が高すぎる」
カナダ財務省の関係者がビットコインの保有について否定的な考えを示した。ビットコイン(BTC)の「未だ高いボラティリティー」を主な要因として挙げたことをカナダのBNN Bloombergが報じた。
先日のカナダ第22代首相のスティーブン・ハーパー氏に続き、同国の暗号資産(仮想通貨)に関する姿勢が語られた格好だ。
IMFの世界経済見通し(2020年10月版)によると2020年のカナダのGDPは1.6兆ドルで世界9位、G7主要国の一角を担っている。しかし、隣国のアメリカではマイクロストラテジー社やスクエア社などが準備資産としてビットコイン保有を明らかにする中、カナダ企業の仮想通貨保有に関する報道は少ない傾向がある。
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そこで米ブルームバーグと提携しているカナダのBNN Bloomberg社は同国の銀行などにビットコインをはじめとする仮想通貨に対するスタンスやコメントを求めたところ、カナダ財務省(Department of Finance Canada)の関係者がビットコインを保有しない理由を説明した。
ビットコインの未だ高いボラティリティが同国政府の採用するALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)の枠組みにそぐわないとの見解を示した。
ALMとは
資産(アセット)と負債(ライアビリティ)を総合的に扱うリスク管理手法の略称。有価証券などの資産のリスクをコントロールしつつ、収益の最大化とリスクの軽減を図るもので、金融機関などで多く導入されている。
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政府関係者によると、ALMの枠組みに則りカナダ政府が外貨準備資産を保有する場合、高い相関性を持つ資産を同時保有する決まりがある。しかし、ビットコインは高いボラティリティーゆえに、この枠組みには該当せず、ビットコインと負の相関関係にある(逆相関している)資産が無いことなどを「保有しない理由」として挙げた。