テスラ社の動きは仮想通貨採用の波に寄与
米投資企業Wedbushがテスラ社のビットコイン(BTC)購入などの動きについて、15日に発表したメモで「パラダイム転換となり得る動き」だと論じている。
ペイパルやSquare、Visaなど様々な企業が参入を始めている現在の状況は、投機的なビットコイン需要だけではなく、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンが今後10年間にテクノロジーや様々な事業全体に影響をもたらす可能性に関わるものだとして、次のように見解を述べた。
仮想通貨取引やビットコイン投資、ブロックチェーン・プロジェクトの波が今後数年間で高まる可能性がある。なぜなら、現在のビットコインの盛り上がりは流行というよりも、デジタル通貨による新しい時代の始まりと考えられるからだ。
米SEC(証券取引委員会)に提出された書類によると、電気自動車(EV)大手テスラ社は約15億ドル(約1550億円)のビットコインを購入している。投資戦略の中で、長期保有目的で投資する可能性を示唆。また今後テスラ社が決済手段としてビットコインを受け付ける可能性も言及された。
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Wedbushは、公開企業のうちテスラ社に続きビットコインを購入するのは、今後12〜18か月で5%未満だろうと予測している。しかし、この数は、仮想通貨規制や一般的な認知が向上すれば増えていくと見込んでいる。
また、ビットコインは特に取引の面で世界的に勢いを増し始めたばかりであり、MastercardとTeslaの動きは、この勢いに大きく寄与していると意見した。テスラがビットコイン決済を始めることの影響についても次のように述べる。
世界的に広がる仮想通貨の動向を考えると、テスラ社がビットコインを決済手段として受け入れることで、他の自動車メーカーの間でも連鎖反応が起こり、今後6〜12か月で同様の道を歩み始める可能性がある。
他の自動車メーカーも追随して、仮想通貨を支払い手段として受け付けるかもしれないとの見解だ。
高いボラティリティが購入障壁
短期的にはビットコイン購入を行う企業は多くないというWedbushの見解は、リサーチ・アドバイザリー企業Gartnerが実施した調査とも一致している。
Gartnerが16日に発表した調査によると、今年中に企業資産としてビットコインに投資すると答えた経営者はわずか5%だった。ビットコイン投資を思いとどまる原因としては「高いボラティリティによる財務リスク」を挙げる企業が多かった。
一方でテクノロジー分野の企業は、他よりもビットコインに親和性があるのか、回答者の50%は、最終的にいつか仮想通貨に投資する可能性があるとしている。
マスターカードも仮想通貨による直接決済を提供へ
Wedbushが言及したように、決済大手マスターカードも、2021年中に仮想通貨での直接決済に対応する計画を発表した。
「仮想通貨の支持派でも、懐疑派でも、デジタル資産が決済領域の重要なパーツになりつつあることは否定できない」として、今年中にマスターカードのネットワークで仮想通貨に直接対応すると述べている。
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