はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

DeFi取引ツールFurucomboに被害、攻撃手法は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Furucomboでハッキング被害発生

分散型金融(DeFi)分野の成長に伴い、ハッキング攻撃も増加している。新たに被害を被ったのは、DeFiの多段階取引を簡単に作成できるツール、「Furucombo」で1500万ドル(約16億円)を超えるユーザー資金が引き出された。

「本日(28日)、協定世界時午後4:47に、Furucomboプロキシが攻撃者により侵入を受けた。我々は関連コンポーネントを無効化した。脆弱性にはパッチ適用が行われると思うが、念のため、ユーザーが承認を取り消すことを勧める。」

その後、Furucomboはハッキングの原因を突き止め、脆弱性を修正し、プラットフォームとユーザー資金の安全性は確保されたとツイートした。また被害を受けたユーザーに対する補償についても検討中とのことだ。

ハッキングの手法

Furucomboは、複雑なDeFiプロトコルを立方体に視覚化することにより、コード作成の知識なしで、ユーザーがDeFi取引を組み合わせることを可能にするツール。

仮想通貨メディアThe Blockのリサーチアナリスト、Igor Igamberdiev氏は、ハッカーは、偽の「Aave」スマートコントラクトを作成することで、Furucomboプロトコルに「Aave」の最新バージョン(Aave v2)が実装されたように見せかけたと指摘。同プロトコルにトークン送付の権限を与えていたユーザーの資金を、「Aave v2」とやり取りを通して、ハッカーのアドレスに送付させることに成功した。

Etherscanのデータによると、ハッカーのアドレスに1400万ドル相当の異なる仮想通貨が送金されたことが確認できる。しかし、ハッカーは匿名性確保のため、ミキサーであるTornade Cashにイーサリアム(ETH)を一括送金しており、Furucomboの発表によると、最終的な被害額は1500万ドルになった。

仮想通貨盗難の半分はDeFiハッキングに起因

仮想通貨データサイトCoinGeckoによると、2020年12月末の時点で、DeFiはイーサリアムの時価総額の23%にあたる198億ドルがロックされていた。2020年初頭の17億ドルから1000%以上増加したことになる。

仮想通貨分析企業Cipher Traceが発表した仮想通貨関連犯罪のレポート(2021年2月)によると、このように2020年に指数関数的な成長を遂げる一方で、規制整備が追いついていないDeFi分野は、「犯罪者を惹きつけ、1年間で過去最高のハッキング件数をもたらした」と指摘した。

Cipher Traceは、2020年の仮想通貨関連犯罪の73%は詐欺によるものだと発表しているが、残る盗難およびハッキングの半分以上がDeFiのハッキングで、被害額は1億2900万ドルに相当するという。

さらに、昨年最大の仮想通貨取引所KuCoin(中央集権型)のハッキング事件においても、ハッカーは分散型取引所Uniswapを利用して資金洗浄を行おうとしていたことが、明らかになっており、DeFiが犯罪に利用されるケースが増えていると、Cipher Traceは懸念を示した。CipherTraceは2020年の平均的なDeFiハッキング被害を約600万ドルと評価している。

今回のFurucomboのような、不正なスマートコントラクトを利用したハッキングは、これまでにもPickle Finance (被害額2000万ドル)やAlpha Finance(被害額3700万ドル)のケースが報告されており、技術的な知識を駆使した攻撃が発生しているようだ。

関連:DeFiプロジェクトPickle Finance、20億円相当の仮想通貨DAIが不正流出

DeFi業界団体設立へ

DeFiを単なるブームに終わらせないためにも、コードの監査を徹底するなど、プロジェクトレベルでは、ユーザーの信頼に値するシステムを構築することが求められている。

さらに急速に成長するDeFiが、金融システムの一部となるためには、ハッキングに対するセキュリティ対策、また詐欺防止などの犯罪対策は欠かせない。そのためには明確な規制環境の整備が必須だが、世界規模で、複数のDeFi関連団体が発足しているようだ。

日本はDeFiの規制対応で遅れをとっているとの批判があるが、2月26日、DeFiの推進を目的とした業界団体「Japan DeFi Alliance(JDA)」が誕生した。JDAは専門団体として、世界初の事例となるという。

また時期を同じくして、米国でも「DeFi Alliance」の発足が発表された。他にも国外では「Open DeFi」 や 「GoodFi」などの推進団体があり、業界レベルでDeFiの発展を支える機運は高まっているようだ。

関連:日本で分散型金融(DeFi)を推進 業界団体「Japan DeFi Alliance(JDA)」発足

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/14 水曜日
17:53
実需主導へと変わるWeb3:Hotcoin、SafePal、NERO Chainが描く未来|香港Web3 Festival2025
Web3 Festivalで注目を集めた3社のリーダーたちが、業界の転換期における生存戦略を語る。SafePalのヴェロニカ氏は実用的サービスの重要性を、HotcoinのスティーブンCOOは差別化戦略を、NERO Chainのポール氏はRWAの可能性を強調した。Web3の次のステージを見据えた貴重な洞察が満載。
15:00
「ビットコイン投資は企業の購買力を守る最高の戦略」フィデリティ提唱
フィデリティ・デジタルアセッツのリサーチ責任者が企業向けカンファレンスで講演し、企業にとってのビットコイン投資の重要性を解説した。
13:50
ソラナ共同創設者、「メタブロックチェーン」を提案 複数チェーン間データを統合
仮想通貨ソラナのヤコベンコ共同創設者が、複数のブロックチェーンデータを統合する「メタブロックチェーン」構想を提案した。低コストなデータ可用性(DA)を実現するものだ。
11:45
Janover、約136ドルでソラナを大量購入 10億円以上の含み益に
ナスダック上場のDeFi Development Corpは、2025年5月12日に172,670SOLのSolanaトークンを平均価格136.81ドルで購入したことを発表した。
11:25
米当局、「ビットコインETF承認」のフェイクニュース発信者に懲役2年の求刑求める
米証券取引委員会のXアカウントを乗っ取りビットコインETFについて偽情報を流した被告に、米検察が懲役2年を求刑した。金融犯罪への厳格な姿勢を示す判断である。
10:45
ビットコインとイーサリアム、異なる強気の動き リサーチ会社が価格動向を分析
K33リサーチとQCPキャピタルの分析によると、ビットコインは100,000ドルを超え、健全な上昇を見せている。米中関税合意を背景に、BTCとETHは安定化を図りながらも新たな動きを見せ始めている模様。
10:20
VanEck、RWAトークン化ファンドを開始 イーサリアムなどに対応
資産運用大手ヴァンエックは、同社初のRWAトークン化ファンド「VBILL」をローンチ。イーサリアム、ソラナ、アバランチ、BNBチェーンのブロックチェーンに対応する。
07:55
XRPの価格動向 バイナンス先物データに見る強気の兆しとは、アナリスト分析
アナリストBorisVestの分析によると、XRPはバイナンスで売り圧力が吸収され、強気シグナルが点灯。OI(建玉)の上昇と共に、価格上昇の可能性が高まる模様だ。
07:15
ビットコインの「実現価格」が示す強気相場継続のシグナル、Cryptoquantアナリスト分析
Crypto Daの分析によると、仮想通貨ビットコインの「実現価格」が上昇を続けており、強気市場が続くことを示唆。マイクロストラテジーや機関投資家のBTC購入が価格上昇を牽引。
07:05
タイ政府、デジタル投資トークン「G-Token」発行へ
タイのピチャイ財務相は、デジタル投資トークン「G-Token」の発行計画を発表。発行規模は200億円であることや仮想通貨ではないことなどが明らかになっている。
06:10
米SEC、ソラナ・ライトコイン現物ETFの判断を延期
SECがグレースケールのソラナ・ライトコイン現物ETFの判断を延期。ブラックロックのビットコインETFにおける「現物償還方式」導入の是非も引き続き審査へ。
05:55
ビットコイン準備金法案など2件に拒否権発動 ボラティリティ懸念で、アリゾナ州知事
アリゾナ州のホブズ知事がビットコイン準備金や州機関による仮想通貨決済法案を拒否。唯一署名したのは仮想通貨ATMの詐欺対策強化法。全米でビットコイン投資への慎重姿勢が広がる中、アリゾナも追随。
05:40
ソフトバンク出資の『21キャピタル』、合併に向け約680億円のビットコイン取得
テザーが約4812BTC(680億円相当)を取得。買収合意に基づきキャンター・エクイティ・パートナーズとの合併に活用。Strike創業者が率いる『21キャピタル』はビットコイン特化企業として始動へ。
05:30
ロンドン資産運用会社がイーサリアムを大量購入、過去一週間で700億円相当分取得
ロンドン拠点のAbraxas Capitalが、過去6日間で約21万ETHを取得。AaveからUSDTを借入しBinanceに入金。ペクトラ・アップグレードを契機にETH価格は急上昇。
05/13 火曜日
17:09
ビットバンク、コスモス(ATOM)取扱開始、手数料無料キャンペーン実施
ビットバンクがコスモス(ATOM)の取扱いを開始。6月12日までメイカー・テイカー共に手数料0%のキャンペーン実施中。現物取引、販売所、貸出の3サービスに対応、「貸して増やす」なら年率最大5%の運用も可能だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧