XRP Ledgerのプライベート版をテスト
米リップル社が、オープンソースの分散型台帳「XRP Ledger(XRPL)」のプライベート版をテストしていることが分かった。
各国の中央銀行が利用することを想定し、デジタル通貨を安全かつ柔軟に発行・管理できるソリューションを提供することを目指しているという。
中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)は、現金の代替手段として、米国や中国などグローバルに検討・開発が進められている。日本も日銀が主導して開発を進めており、この春から実証実験が開始される予定だ。
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リップル社は、以前よりCBDCを視野に事業を進めている。昨年11月にはCBDCに関する業務について、シニアディレクターを募集。Brad Garlinghouse最高経営責任者(CEO)が、「中央銀行がデジタル通貨発行のためのオープンソース技術として、XRPLに注目していることは承知している」と発言したことも注目を集めた。
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ブロックチェーンの課題
リップル社はCBDCのほとんどが、暗号資産(仮想通貨)と同様に、分散型台帳技術を基盤にすると見ているが、既存の技術ではCBDCを発行・運用する際に課題があると指摘、処理能力が高く決済に向いた性能の分散型台帳技術が必要になると見ている。
「大部分が決済を目的に設計されておらず、企業や個人が利用する『リテール決済』のボリュームを処理できない」
また、現在主流となっているパブリックブロックチェーンは、プライバシーを重視する中央銀行には適さないとしており、XRPLでもプライベート版をテストしているという。国によって政策等が異なるため、柔軟性や既存インフラとの相互運用性も重視するとしている。
CBDC Private Ledgerについて
現在テストしている台帳は「CBDC Private Ledger」という名称で、XRPLと同じ分散型台帳技術で開発されている。特徴は、送金に適している点で、XRPL上で過去8年超に渡ってXRPなど5400種類以上の通貨を発行してきたように、CBDCの発行も可能だと説明した。CBDCを送金する際のブリッジ通貨にXRPを活用することもできるとしている。
また、低コストで即座に送金できる点も同様で、1秒間に何千という取引を処理できると主張。開発次第ではさらに処理能力を高めることが可能になるとした。
コンセンサスプロトコルもXPRLと同じで、ビットコイン(BTC)などで採用されている「Proof of Work(PoW)」のブロックチェーンよりも運用コストが安く、エネルギー消費も少なく、少額決済にも対応できると説明した。
リップル社は「CBDC Private Ledger」が中央銀行にとってゲームチェンジャーになると信じているという。現在いくつかの中央銀行と協業しているとも説明しており、詳しい仕組みについては改めて公開するとしている。