はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米コインベース、拡大続けるイーサリアム経済圏の背景を分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアム(ETH)は単なるデジタルマネーではない

イーサリアムを単なるデジタルマネーと考える人は最早あまりいないかもしれない。NFTやDeFi(分散型金融)といったここ数か月でよく見るワードは、イーサリアムに関連したものが多く、そのエコシステムの多様性は数ある暗号資産(仮想通貨)の中でも随一といえる。

米仮想通貨取引所のコインベースは、イーサリアムの動向をまとめたレポートを公開した。イーサリアムの経済や、Redditユーザーの動向、企業への信用、イーサリアム2.0などを取り上げ、分かりやすさを重視した網羅的な内容となっている。

デジタル猫のミームが6,300万円で売買

NFT(非代替性トークン)は特に2020年に入り注目度が飛躍的に高まっている。コインベースが取り上げたのは、「Nyan cat」と呼ばれる2011年から12年にかけ流行ったインターネットミームのNFTの事例だ。

宇宙空間を猫が虹を出しながら飛ぶ有名なGIFを作成したChris Torres氏は、作品のNFTを60万ドル(約6,300万円)近い価格で売却した。

コインベースは、NFTは「スマートコントラクト技術は、アーティストやミーム製作者、ミュージシャンに彼らのバーチャルな創作物を売ることを可能にし、現在の金融システムに代わる、新しい非中央集権的な選択肢を加速させる」とその可能性を指摘し、次のように説明している。

個人に経済力を与えるように設計されたその新しいシステムにおいては、資本は、より早く安く透明性があり、そして誰にでも利用できるオープンソースのプロトコルを介して流通する。

コインベースはこういった流れを「金融2.0」と呼称している。

関連:非代替性トークンNFTとは|主な特徴と将来性を解説

イーサリアムのエコシステム

イーサリアムのエコシステムは、コインベースが「(トークンとしての)ETHは氷山の一角のようなもの」と表現するようにその水面下で広がっている。DeFiやNFT、ステーブルコイン、ラップドトークンなどがその実体を構成している。

コインベースによると、イーサリアム経済の時価総額(イーサリアムブロックチェーン上で発行されたERC-20規格のトークンを含む)は2,500億ドル(約27兆円)を突破したという。

ビットコインでDeFiを利用したいという需要に答えたラップドトークンなどが急拡大しており、トークン化されたビットコインの時価総額は60億ドル(約6400億円)を突破している。

また、米ドルなどの資産に価格を固定したステーブルコインは、2021年2月の時点でイーサリアム上の合計時価総額が300億ドル(約3兆2,300億円)を超えた。

決済手段としてのイーサリアム

ステーブルコインの人気を受け、イーサリアムは米ドルの決済手段として見ると2020年におよそ8,740億ドル(約94兆円)の決済を処理、既にPaypal(9,639億ドル)やZelle(3,070億ドル)などの民間の決済サービスにも匹敵しているとレポートでは指摘する。

一方で、中央銀行決済システム(米国Fedwire:840兆ドル)とは大きな開きがある。Federal Reserve Wire Networkの略であるFedwireは、米国の連邦準備銀行が運営する即時グロス決済(RTGS)資金移動システムだ。

そういった中、企業の参入も増えている。民間決済大手のPaypalやVisaはイーサリアムへの参入を、ステーブルコインの導入や仮想通貨取引サービスなどの提供といった形で実現しようとしている。また、レポートでは、CMEやグレースケールなどのプロダクトを通し、機関投資家がイーサリアムへの投資を行う動きが拡大していることを紹介した。

関連:カナダでイーサリアムETF申請事例:ビットコインETF承認歴ある企業、上位アルトで意欲

米国を拠点とし暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するコインベースは、米ナスダックへの上場を計画しており、すでに先月には証券登録届出書(Form S-1)の提出を済ませている。

プライベートマーケットにおける取引から算出される推定時価総額は、1,000億ドル(約10兆円)規模まで達しており、仮想通貨業界では最も大きい上場事例になる可能性が出てきている。

関連:米コインベース、ナスダックに上場へ 証券登録届出書が公開──時価総額10兆円規模の可能性も

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
2800分の1の確率を突破 個人マイナーがビットコイン採掘に成功、5000万円獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。
17:11
SMBCグループ、事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設 Web3や生成AIの活用を目指す
SMBCグループが事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設。Web3などを活用し、スタートアップから大企業まで多様なパートナーと新事業を創出。
15:08
みんなの銀行、ソラナ基盤のステーブルコイン事業化に向け共同検討を開始
みんなの銀行がソラナ(SOL)基盤のステーブルコインとweb3ウォレットの事業化に向け共同検討を開始。Solana Japan、Fireblocks、TISの3社と協業し、新たな金融体験の創出を目指す。
13:50
米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。
13:00
米ストラテジー社に集団訴訟 ビットコイン保有リスクを軽視と主張
米国でストラテジー社に対する集団訴訟が提起された。ビットコイン投資戦略を過大評価しリスクを軽視したと主張している。新会計規則適用後の損失計上が争点の一つになっている。
12:55
メタプラネット支援コンソーシアム、タイ上場企業買収でビットコイン戦略を東南アジアに拡大
メタプラネット支援者らが筆記るコンソーシアムがタイ上場企業DV8の買収計画を発表した。日本で成功したメタプラネットのビットコイントレジャリー戦略をタイで再現し、さらに東南アジアに展開する第一歩として注目される。
12:36
オルタナ信託、BOOSTRY・ALTERNAと連携しデジタル証券の管理体制を強化
デジタル証券特化の「オルタナ信託」設立。BOOSTRYとALTERNAが協業を深化し、STの取得から販売まで一貫した新たな枠組みを構築する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧