仮想通貨サービス提供へ
ドイツの民間銀行「Donner&Reuschel」が、暗号資産(仮想通貨)の売買とカストディのサービスを開始することが分かった。海外メディアが報じた。
市場でデジタル資産のカストディに対する需要が高まっていることから、サービス開始を決断したと説明。できるだけ早くサービスを開始し、その後は資産をトークン化する事業にも取り組む計画だ。
Donner&Reuschelは1798年創設の老舗銀行。ドイツのハンブルクを拠点にして、欧州の顧客に投資や資産運用、オンラインバンキング等のサービスを提供している。資産運用額は90億ユーロ(約1兆円)だという。
同行の担当者は今回のサービス開始に際し、これまで長期にわたってデジタル資産市場を観察してきたとして、「ブロックチェーンは可能性のある技術だと確信しており、従来の証券取引に応用できる」と述べた。
資産のトークン化にも取り組む理由については、金融業界で予想される今後の変化に対応するためだとしている。
仮想通貨や資産のトークン化に関する事業は、分散型台帳技術に関するサービスを幅広く提供している企業「DLC Distributed Ledger Consulting」がサポートを行う。
銀行の仮想通貨サービス
MicroStrategyやテスラなどの大手企業がビットコイン(BTC)を購入するなど、仮想通貨市場は投資家の裾野が広がってきた。それに伴い、最近では大手銀行の間でも仮想通貨に対する関心が高まっている。
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ドイツでは先月、大手金融機関のドイツ銀行(Deutsche Bank)が仮想通貨のカストディとブローカーの事業を計画していることが分かった。同行は運用資産規模で世界21位の金融機関だ。
すでに概念実証段階は終了し、2021年に実用最小限のプロダクトをローンチすることを目指している。
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