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VISA CEOが明かす「ビットコイン・デジタル通貨事業計画」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

クレジットカード事業と仮想通貨

決済大手VISAの最高経営責任者、Alfred Kelly氏は、米大手ビジネスメディアFortuneのインタビュー番組「Leadeship Next」で、暗号資産(仮想通貨)がクレジットカード事業にどのような意味を持つかについて語った。VISAは、主に数々の取引所や仮想通貨関連のスタートアップとの連携を通して、積極的に自社ネットワークへ仮想通貨の導入を進めていることで知られている。

Kelly氏はまず、仮想通貨を「より投機的な資産」と「デジタル通貨」の二つに分類。前者の代表的な資産が、同氏がデジタルゴールドと呼ぶビットコイン(BTC)であり、後者は、法定通貨に裏付けられたデジタル通貨、つまりステーブルコインを意味すると述べた。

その上で、Kelly氏はそれぞれのカテゴリーについて、VISAがどのような取り組みを行なっているか説明した。

仮想通貨導入の取り組み

ビットコインに関するVISAの取り組みとして、次の二つが挙げられた。

  • クレジットカードでビットコインの購入を可能にする
  • ビットコインウォレットと連携し、ビットコインを法定通貨に交換することで、世界7,000万箇所のVISA提携店で使用できるようにする

Kelly氏は後者のデジタル通貨について、特に新興国市場においては、新たな決済手段となる可能性が高いとコメント。現在、約35の企業と仮想通貨関連のプロジェクトで提携していると付け加えた。その場合、VISAカードがステーブルコインを法定通貨に「変換する」役割を果たし、世界7,000万の拠点で使用できるようにするという。

VISAの事業戦略

元来、仮想通貨の役割の一つは、当事者同士の取引を可能にすることで、VISAのような仲介者を無くし、手数料を下げることではなかったのかと尋ねられると、Kelly氏は今日VISAの事業内容が変化していることに言及した。

VISAのビジネスの中心は、以前は商品やサービスの販売や購入の手段を提供することだったが、現在は「グローバルにお金を動かすこと」が主軸となっているとKelly氏は言う。そのため、仮想通貨が今後決済の主流になるのかどうかはわからないが、VISAとしては、この時期に、あらゆる資金の流れの中心に陣取ることが重要であり、関連分野に布陣することで将来その恩恵を受ける可能性が高まると語った。

さらに同氏は、VISAは将来の可能性に対する準備を周到に行なっており、良いスタートを切ったと言えるだろうと付け加えた。

VISAの動き

Kelly氏がインタビューで述べたように、VISAは、すでに仮想通貨の導入に様々な取り組みを展開している。

例えば、米大手取引所のコインベースやP2P取引所のPaxful、ウォレットプロバイダーZenGo等、様々な仮想通貨企業がVISAカードを発行しているが、仮想通貨貸付サービスを提供するBlockFiは、カード決済金額の1.5%がビットコインで還元されるVISAカードの発行を行う。

関連:ビットコインが還元されるVisaカード、BlockFiが発行

また、米仮想通貨企業Circle社が発行するドル建てのステーブルコインUSDCに対応したVISAカードの発行も発表されている。6,000万以上の企業による法人取引の際にUSDCを利用できる仕組みを整備するという。

関連:Visa、ステーブルコインUSDC対応カードの発行を可能に

このような仮想通貨企業に特化したクレジットカードの発行により、膨大なVISAネットワークへのアクセスを支援しているのが、VISAの「ファストトラックプログラム」だ。

直近では、ビットコインの迅速な決済に特化したライトニングネットワークのスタートアップ企業「Moon」が提供するビットコイン決済サービスが、VISA対応のEコマースサイトで利用可能になった。Moonのブラウザ拡張機能を使用することで、ライトニングウォレット内のビットコインでVISAのプリペイドカードを購入し、オンラインショッピングの支払いができるという。

ライトニングネットワーク関連では、ドルやユーロをはじめとする複数の法定通貨に対応した、米Zap社の決済アプリ「Strike」も、VISAファストトラックプログラムの支援を受けている。

VISAの仮想通貨関連事業は、カード発行だけには止まらない。

先月初め、VISAは、銀行が顧客にビットコインを基盤としたサービス提供を可能にするAPIの、試験プログラム実施計画を発表した。このプログラムは、VISAが銀行の顧客と仮想通貨およびブロックチェーンの架け橋となることを意図しているという。

VISAはこの取り組みの第一段階として、機関投資家向けにデジタル資産の保管サービスなどを手がける米Anchorage銀行と提携。VISAが開発するAPIにより、Anchorage銀行のデジタル資産プラットフォームにアクセスが可能になり、金融機関がデジタル資産の購入や取引、保管を行うことができるようになるという。

関連:決済大手VISA、「銀行のビットコイン売買サービス提供」を可能にする新事業を発表

Kelly CEOが示した、VISAの「お金の流れの真ん中に陣取る戦略」は、着々と進行しているようだ。

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