アルトシーズンで時価総額膨らむ
昨今の暗号資産(仮想通貨)市場の高騰を受け、時価総額10億ドル(約1,100億円)を超えるプロジェクトが続々と台頭している。
5日未明には、仮想通貨市場の全体時価総額が節目となる2兆ドル(約220兆円)を初めて突破した。21年1月に1兆ドルを突破したばかりだった。
アルトコインに資金が集中する反面、ビットコインのドミナンス(市場占有率)は、1月上旬の68%から執筆時点で54%と低下した。
4月以降、ビットコインが上値を重くする一方、時価総額上位のイーサリアム(ETH)は過去最高値の2,000ドルを記録。XRP(リップル)は年初来高値を更新するなど、アルトシーズン再来の様相を呈している。
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ユニコーン級に成長した銘柄は
前年比+856%と急拡大する仮想通貨市場において、いわゆる「ユニコーン企業」と同水準の時価総額まで成長する事例も相次いだ。
ユニコーン企業とは、推定評価額(時価総額)10億ドル以上の未上場のスタートアップ企業を指しており、日本国内では2018年にマザーズ市場に上場する前の「メルカリ」などが挙げられる。
20年6月以降のDeFi(分散型金融)、21年2月頃からはNFT(非代替性資産)ブームの恩恵で、時価総額が急増した一部銘柄と10億ドル突破した時期をリスト化した。
(順不同 左:通貨名、右:10億ドル到達日時)
- シータ(THETA):20年12月
- ユニスワップ(UNI):20年12月
- アーヴェ(AAVE):20年12月
- ヤーンファイナンス(YFI):21年1月
- ソラナ(SOL):21年1月
- メイカー(MKR):21年1月
- スシ(SUSHI):21年1月
- ドージ(DOGE):21年1月
- アヴァランチ(AVAX):21年1月
- ビットトレント(BTT):21年2月
- テラ(LUNA):21年2月
- ゼロエックス(0x):21年2月
- アイオーエスティー(IOST):21年2月
- エルロンド(EGLD):21年2月
- アルゴランド(ALGO):21年2月
- クサマ(KSM):21年2月
- チリーズ(CHZ):21年3月
- エンジンコイン(ENJ):21年3月
- バンコア(BNC):21年3月
- ディセントラランド(MANA):21年3月
- ベーシックアテンショントークン(BAT):21年3月
- Flow(FLOW):21年3月
時価総額20位以内に浮上したシータ(THETA)は、昨年12月に10億ドル水準を上回った。一時はTOP10に躍り出るなど急速に関心が高まった。イーロン・マスク氏の度重なる言及やReddit上の流行で、草コインの基軸通貨であるドージ(DOGE)も21年1月に時価総額10億ドルを突破した。
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またDeFi(分散型金融)関連銘柄では、ユニスワップ(UNI)やアーヴェ(AAVE)などが軒並み快調。21年に入りNFT関連銘柄のエンジンコイン(ENJ)やディセントラランド(MANA)、Flow(FLOW)なども頭角を現している。
主要通貨が超えたタイミングは?
ビットコイン、及び主要アルトが初めて10億ドル水準を超えたタイミングは以下の通り。
- ビットコイン(BTC):13年7月
- イーサリアム(ETH):17年1月
- テザー(USDT):17年12月
- XRP(リップル):17年3月
- ライトコイン(LTC):17年5月
- ネム(XEM):17年5月
なお、時価総額1位のビットコインは、21年3月末から時価総額1兆ドル(約110兆円)規模に達しており、昨今の強気相場の勢いが伺える。
株式市場に上場する企業との単純比較はできないが、時価総額だけを見れば、スタートアップを評価する際に「ユニコーン企業」の基準とされる10億ドル(約1,100億円)を超える仮想通貨は、CoinMarketCap上では90銘柄以上に及ぶ。
一方、3年前の仮想通貨バブルを彷彿とさせる高騰で陶酔感も生まれており、市場からは警戒する声も少なくない。