Equilibriumが再び資金調達に成功
暗号資産(仮想通貨)ポルカドット(DOT)チェーン基盤の分散型金融(DeFi)プロジェクト「Equilibrium」が、250万ドル(約2.7億円)の資金調達に成功したことを発表した。
資金はトークンセールを通じて調達され、KR1、Signum Capital、AU21 Capital、Genesis Block Venturesやその他のファンドが投資したという。
「パラチェーン」枠の獲得目指す
仮想通貨メディアThe Blockによると、EquilibriumのAlex Melikhov CEOは、この資金がPolkadotのパラチェーンリースオファリングで、パラチェーンスロットを獲得する上で有利に働くだろうと説明した。オファリングは4月12日に開始され、14日間続く予定だ。
パラチェーンとは、ポルカドットの取引を複数で並行して処理するブロックチェーンを指す。
ポルカドットは、メインチェーンである「リレーチェーン」を中心として、複数のパラチェーンが繋がった構造を持っており、これにより高度な相互運用性やスケーラビリティを実現している。
パラチェーンはメインチェーンに接続しつつも、独立性を保った経済圏として、独自のトークンやユースケースを設計することも可能だ。各プロジェクトが使用するパラチェーンをメインチェーンに接続するためには、オークションに参加して「パラチェーンスロット(枠)」を獲得しなければいけない。
このスロットはリース(貸出)の形で提供され、リース期間を延長しなければ期間終了後、入札に使われた仮想通貨DOTは返却される仕組みだ。(ポルカドットの詳しい仕組みは以下の記事に掲載)
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Melikhov氏は「パラチェーンスロットを獲得すると、Equilibriumがポルカドットのエコシステムに接続し、他のパラチェーン(他のプロジェクト)やブリッジと相互連携するのに役立つ」と語った。
「ブリッジ」もポルカドットに備わる機能の一つであり、これを使うとイーサリアム(ETH)やビットコイン(BTC)など外部のブロックチェーンを、パラチェーンと接続することができる。
ポルカドットでは、現在のところパラチェーンスロットが100個に限定されている。Melikhov氏は 「スロットを割り当てられた各プロジェクトの時価総額は、ポルカドットの時価総額をスロット数で割ったものとして考察できるだろう」と語る。
この計算によると「各パラチェーンプロジェクトの時価総額をおおまかに予想すると、1プロジェクトあたり4億2,000万ドルから4億3,000万ドル(約470億円)」になるという。現在、Equilibriumの希薄後評価額は3億2,000万ドル(約350億円)と見積もられることから、パラチェーンスロット獲得に成功してEquilibriumの時価総額が増加した場合には、投資家に利益を還元できるとMelikhov氏は説明した。(CEOは希薄後時価総額を元に推算していると思われる。)
Equilibriumによると、パラチェーンスロットを獲得するためにはポルカドットトークン100万DOT(時価約45億円相当)が必要になる見込みだ。EquilibriumはこれまでシリーズAラウンドで、総額800万ドル(約9億円)を調達している。
Equilibriumは、仮想通貨の貸し借りやトレード、ステーキングができる分散型の市場を提供するプロジェクト。これからイーサリアムとの連携、資金プールを経由して行われるレンディングサービス、分散型ステーブルコインなどをリリースする準備も整っているという。