はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米不動産投資企業がアルゴランドで不動産をトークン化、仲介者・ローン不要の市場提供へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

アルゴランドとVesta Equityの提携

米不動産投資企業Vesta Equityが、不動産購入および投資分野における、新たなソリューション提供を目的に、ブロックチェーン開発プロジェクト、アルゴランド(Algorand)と提携。アルゴランドのブロックチェーン上で住宅をトークン化し、仲介業者やローン不要の新規市場を構築していく。

ローン不要のP2P市場

Vesta Equityは、アルゴランドのパブリックチェーン技術とスマートコントラクト機能を活用し、住宅をトークン化することにより、住宅所有者および投資家を直接繋ぐピアツーピアの市場構築を目指している。

仲介業者が省かれることにより、住宅所有者はローン不要で住宅の所有権を完全に掌握できるようになる。また従来の住宅ローンや逆住宅ローン(持ち家などの不動産を担保に融資を受けること)と異なり、トークンの分割が可能であるというブロックチェーンの特性を活用することにより、住宅所有者は、トークン化された住宅の一部のみを投資家に販売することも可能だ。これらが全てP2P(ピアツーピア)で行われるため、複利や毎月のローン支払いなど不動産売買プロセスに伴う不便さや複雑さが緩和されることが期待される。

一方で不動産投資家は、仲介業者が不要となるため、住宅所有者へのアクセスが容易になり、種類や立地、そして価値などが異なる不動産で構成された多様なポートフォリオを、より柔軟に構築できるようになる。

また上記のメリットに加え、仲介業者を省くことによるコスト削減、データの閲覧および検証が可能なパブリックチェーンを基盤にすることで、市場および資産の透明性向上が期待される。さらにスマートコントラクトで契約を自動化することで、事務手続きの簡略化など、多数のメリットが双方に提供される見込みだ。

Vesta Equityは現在、カリフォルニア州の住宅を対象に、21年9月までの市場参入を目指している。その後は米国全土、そして長期的には北米全体へと対象地域を拡大していく予定だ。決済通貨には、アルゴランドのブロックチェーン上でサポートされているステーブルコインのUSDコイン(USDC)が利用される。

関連:ステーブルコインUSDC、Algorandブロックチェーンを採用

関連:アルゴランド版USDCが利用可能に──Algorand 11月マンスリーレポート|公式寄稿

両代表のコメント

Vesta EquityのCEO兼共同創設者のMichael Carpentier氏は、今回の新たな取り組みについて、以下のように述べている。

私たちの社会は債務社会となってしまったが、全ての人がより豊かになる未来を作り出すためには、この方向性を変えなければならない。Vestaでは、適切にテクノロジーを応用することが、これに対する答えだと捉えている。優れた処理能力、柔軟な構造、低コストなトランザクション手数料、およびトランザクション処理能力のスケーラビリティ(拡張可能性)を備えたアルゴランドとのパートナーシップ提携は、この考えを反映したものだ。

アルゴランドのCOOであるSean Ford氏は今回の提携について、以下のようにコメントした。

Vesta Equityとアルゴランドは、ブロックチェーン技術を活用して、より効率的かつ透明で安全な価値創造および価値交換を可能にしていくためのビジョンを共有している。アルゴランドの技術を活用することで、Vesta Equity社は住宅所有者や投資家にも機会を拡げ、よりアクセスしやすい新たな市場機会の創出に先頭となって取り組んでいる。ブロックチェーンの核となる原理を活用し、不動産市場を再定義しているVesta Equityのサポートができて、嬉しく思う。

不動産業界でのブロックチェーン実用化

アルゴランドのブロックチェーンが不動産関連のユースケースで活用されたのは、今回が初めてではない。2019年に不動産投資会社AssetBlockが、不動産投資用プラットフォームをアルゴランド上に構築している。

AssetBlockは、高級ホテルオーナー兼管理会社Lodging Capital Partners(LCP)と共同で、アルゴランド・ブロックチェーン上に構築されたプラットフォームにて、6,000万ドル(約65億円)相当のホテル資産をトークン化。トークン化されたホテルは、一般には公開されておらず、一部の投資家のみアクセス可能だ。アルゴランドのデジタル通貨「Algo」で購入できる。

AssetBlockは、数あるブロックチェーンの中からアルゴランドを選択した理由として、「グローバルな参入障壁の排除、参加者の分散化、投資家と投資機会を効率的に繋ぐ能力、ならびにAssetBlockが求める高度なセキュリティ基準およびコンプライアンス基準といった、ブロックチェーンが描いてきた潜在的可能性を提供している」点を挙げた。

一方のアルゴランドは、ブロックチェーン上のデジタル資産を現物資産と掛け合わせることにより、デジタル資産以外の資産を活用したいと考えている仮想通貨ユーザーも、多様なポートフォリオを作成できるようになり、従来の金融サービスに類似した幅広い融資条件の利点を享受できるようになるだろうと公式ブログで述べ、両業界間での連携強化へ期待を示している。

国内での不動産トークン化

国内では、アルゴランドと提携を結んでいるデジタル証券発行および管理プラットフォーム開発会社Securitizeの日本法人、Securitize Japanが、不動産や住宅関連のサービスを提供している株式会社LIFULL(ライフル)と共同で、国内初となる一般個人投資家向け不動産STO(セキュリティ・トークン・オファリング)を実施。有価証券をトークンの形で発行し、資金調達を図る方法であるSTOを、不動産に応用している。

ブロックチェーン上でのトークン発行により、第三者の証明の必要がなく自身の持ち分保有を証明できるだけでなく、スマートコントラクトを活用した仮想通貨とのDVP(Delivery VS Payment/証券の引渡し『Delivery』と代金の支払い『Payment』を相互に条件にすること)により、売買の一方当事者の債務不履行を防ぐことが可能になるという。

関連:国内初、一般個人投資家向けの「不動産STO」実現へ

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
05:50
バイナンス傘下トラストウォレットの10億円不正流出、CZ氏が全額補償を表明
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレットのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明した。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われている。
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧