Band データセットがGoogle Cloudに統合
分散型オラクル「Band Protocol」のデータセットが、Google Cloudのビッグデータ解析サービス「BigQuery」に統合されたことがわかった。
Cosmos基盤のBand Protocolは、集約した実世界のデータをスマートコントラクトに提供する、分散型のデータオラクル・プラットフォーム。ブロックチェーンにおけるオラクルとは、外部データをネットワーク内に取り込む機能を指す。
この度の統合により、Band Protocolが提供する時系列の金融データは、Google Cloudの機械学習機能によってリアルタイムで正確に分析され、BigQueryで利用可能になるという。
Band Protocolの事業開発責任者であるKevin Lu氏は、Googleとの連携は「伝統的な企業とブロックチェーンアプリケーションの架け橋として、最初の事例となった」と述べた。今後も多くの企業と連携して、BandChainで利用可能なデータのサポートを継続・拡大していく方針だという。
Band Protocolの特徴
Band Protocolは、相互運用性と分散型アプリ(dApps)のデータフィードに取り組んでいる。
データフィードの面では、インターネット上のデータとブロックチェーンの架け橋として機能する。ブロックチェーンは、ネットワーク外の情報にアクセスすることができないため、Band Protocolがオラクルとして外部データの提供と検証を行い、接続する役目を果たす。
BandはdAppsからのデータ要求を処理し、インターネット上のデータフィードを利用して情報を中継するが、その際に独自のブロックチェーンBandChainを使用し、公的に各トランザクションが照合され認証される仕組みになっている。
また、2019年のローンチ当初はイーサリアムブロックチェーン上で動作していたが、昨年6月にCosmosブロックチェーンに移行。Cosmos上で構築されたブロックチェーンを含む異なるブロックチェーンと互換性を持つよう設計されているため、複数のブロックチェーンで効率的にデータの検証が行うことも可能になる。また、ブロックチェーンだけではなく、クラウド上のアプリ、またはハイブリッド型のアプリにも対応できるとのことだ。
Band Protocolには、既に価格データフィードが組み込まれているため、分散型金融アプリでの使用はもちろん、その柔軟な設計により、実世界のイベントやスポーツ、天候などのあらゆるデータを取り扱い、用途に合ったオラクルを作成してスマートコントラクトと接続できるという。
BANDトークンと主要投資家
Band Protocolは、トークンの保有量に応じた投票権が割り当てられ、投票により上位100名がバリデータとなるDPoS(Delegated Proof of Stake)コンセンサスアルゴリズムを採用している。
Band Protocolは、クロスチェーンの相互運用性とDeFi分野の発展に対する期待感から、同じくブロックチェーンにオラクルサービスを提供するChainlinkのライバルとして急浮上してきた。ステーキング及びガバナンスに使用されるネイティブトークンBANDは、昨日(4月15日)発表されたGoogle統合のニュースを受け価格が急騰し、史上最高値の22.83ドルをつけた。
Band Protocolを資金面で支える投資家には、世界有数のベンチャーキャピタル Sequoia Capitalや、仮想通貨取引所最大手のバイナンスなどが名を連ねている。