再生可能エネルギー利用の可能性を調査
米ニューヨーク州で、新たな暗号資産(仮想通貨)マイニング関係の法案が提出された。「再生可能エネルギーで仮想通貨マイニング施設に電力供給することについての調査」を州のエネルギー当局に求めるものだ。
この法案を提出したのは、Kevin Parker州上院議員。同議員は先日、ニューヨーク州の仮想通貨マイニング施設について、温室効果ガス排出をはじめとした環境への影響を評価できるようになるまで、その運営を停止する法案も提出した。
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マイニング一時停止案は現在、環境保護委員会による審査を待っており、今回の再生可能エネルギー供給の調査案(案番号S6584)は、エネルギー・電気通信委員会に預けられているところだ。どちらも提出されたばかりで、採決の段階には至っていない。
S6584案は、ニューヨーク州エネルギー研究開発機構に、仮想通貨マイニング施設について、主に以下の項目を調査させる内容だ。
- 州内で既に存在している施設について、再生可能エネルギーを使用しているか、どの程度まで再生可能エネルギーで電力供給しているか
- 州内の全ての仮想通貨マイニング施設を、再生可能エネルギーで動かすことの経済的・技術的な実行可能性
- 再生可能エネルギーでマイニング施設を動かすことの、関連コミュニティへの経済的影響(雇用創出など)
- 再生可能エネルギーによる仮想通貨マイニングが、州で持続可能な産業として発展できるか
法案が施行された場合には、1年以内に当局は調査報告書をまとめて州知事や議会に提出することになるとしている。
環境保護団体から懸念表明も
4月には、環境保護団体が、これから電力消費規模を拡大予定のマイニング企業Greenridge Generationについて、炭素排出量などの面から懸念を表明。ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事に書簡を提出していた。排出量に上限を設けることや、事業の運営状況を評価して、必要であれば追加要件を課すことなどを求めた。
ニューヨーク州は、2019年施行の「気候リーダーシップ・地域保護法(Climate Act)」により、2050年までに炭素排出量を1990年比で85%以上削減することを目標としている。