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仮想通貨など最先端技術のリスク分析──独保険大手アリアンツ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

独保険会社、仮想通貨のリスク分析

ドイツの大手保険会社アリアンツ社(AGCS)は金融サービス業界におけるリスクトレンドの分析レポートを公開。

新型コロナウイルスの社会的、経済的な影響や、重要度を増すESG投資やグリーン投資、並びに暗号資産(仮想通貨)を含む最先端技術の影響とリスクポテンシャルを考察した。

レポートでは、気候変動や温室効果ガスの削減に向けた国際的なトレンドは規制やコンプライアンスの方法にも今後影響を及ぼす可能性があると説明。またサステナビリティ、ダイバーシティや役員報酬など、社会的な問題に対してもSNSの普及で関心が高まったと解説。

さらにコロナ禍で普及した自宅勤務などにより、オンライン上のリスクも高まったとして、データ保護やサイバーセキュリティなどの規制の監視が強化されているとした。

ESG投資とは

環境(Environment)社会(Social)ガバナンス(Governance)の3点に尽力する投資戦略。事業面のポテンシャルだけではなく、多角的な側面から産業の影響を考慮した上で、環境問題、社会問題などにプラスの貢献ができる企業に注目が集まりつつある。

関連:サステナブルファイナンスとトークン化の関係

最先端技術のリスク

AGCS社のフィナンシャルライン部門のShanil Williamsグローバル責任者は、AIやロボット工学、バイオメトリクス、5Gや仮想通貨などの最先端技術は新たなメリットをもたらすと同時に、これまで存在しなかったリスクをもたらす可能性があると指摘。ただ、リスク管理に貢献する新たなアプリケーションにつながる場合もあると指摘した。

Williams氏は仮想通貨やデジタル通貨の普及が、最終的には金融機関のオペレーショナルリスクや規制リスクにつながると予測した。

デジタル通貨は新たな資産クラスとして台頭しており、伝統的な投資家や銀行も参加し始めている。しかし、仮想通貨には資産バブルの可能性や不透明な規制、また資金洗浄に活用されるリスクや盗難の可能性など、不確実要素に囲まれている。

マイニングする際に大量の電力を消費する点など、ESG的な問題の可能性も存在する。

またAGCS社北米支社のサイバー・テック・メディア部門のThomas Kang責任者は、技術の革新(イノベーション)に規制が追いついていない点を指摘した。

技術は規制や政策を何光年分も上回るペースで進化している。ただ、この領域における規制は課題が多く、米国などでは個人情報に関する規制は修正されているが、バイオ認証や(仮想通貨の)KYC(本人確認手続き)などの分野においては規制が足りていないのではないか。

Kang氏は仮想通貨の導入には、資金洗浄対策(AML)やテロ資金供与対策(CFT)などの基準に従うコンプライアンス面でのリスクも生じると説明。「銀行なども仮想通貨やデジタル通貨分野に参入を始める中、KYCプロセスはこれまで以上に重要度を増すだろう」と展望した。

仮想通貨の環境問題

レポートでも言及された通り、仮想通貨やビットコイン(BTC)が地球環境に与える影響については、業界内外から懸念を上げる声が上がっている。

最近では、米EV最大手メーカーのテスラ社がビットコイン決済の中止を発表。BTC採掘における電力の多くが、「石炭などの化石燃料」から由来することに懸念を示し、マイニングの1%以下が化石燃料から来なくなるまではビットコインによるテスラ車の支払いを停止した。

仮想通貨有識者からは、VanEck社の統計を引用し、ビットコインのマイニングにおける39%の総電力、マイナーで見れば76%が環境負荷の少ない「再生可能エネルギー」を活用していると指摘する声もあり、仮想通貨採掘に関する是非が議論の的となっている。

関連:ビットコイン急落 テスラ社のBTC決済中止受け

4月下旬には、ツイッターの創設者であるジャック・ドーシー氏の決済企業スクエア社もビットコインのマイニング事業と、いわゆる「クリーンエネルギー」の親和性を唱える調査レポートを発表。「今日のエネルギー資産家は明日のビットコインマイナーとなり得る」と述べ、長期的には仮想通貨マイニングやAIなどの最先端技術が再生可能エネルギーの導入を促進すると公的な姿勢を示した。

なお、4月22日時点にドーシー氏が「ビットコインは再生可能エネルギーをインセンティブ化する」とツイッターに投稿した際、マスク氏は「その通り」(True)とコメントしたこともあり、テスラ社のBTC決済中止の決断の裏にはESG路線を重視する投資家や企業方針の影響もあったと憶測する声も少なくない。

関連:テスラ社のビットコイン決済中止の影響|米Fundstrat社トム・リー氏が考察

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