ステーブルコイン提供のCircleが大型資金調達を実施
米ドルのステーブルコイン『USDC』などを手掛けるCircle社は、新たに4億4,000万ドル(約480億円)の資金調達を行ったことを明らかにした。仮想通貨メディアThe Blockは情報筋の話としてSPACを利用した上場への布石と報じている。
CircleはステーブルコインのUSCコイン(USDC)を提供するほか、決済や支払いのソリューションをAPIで提供してきた。最近ではVisaがUSDC決済の導入を発表したほか、NFT領域にも決済ソリューションの提供で参入している。
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USDCは市場の過熱に伴い急激に流通量を増加させており、米ドルのステーブルコイン市場でテザー(USDT)に次いで多く流通している。5月28日時点での流通額は220億ドル(約2兆4,100億円)を記録、オンチェーンでの累計送金額は7,170億ドル(約74兆円)に達した。
2018年には、1億1000万ドルの資金調達を実施。2020年にはグレースケールの親企業であるDigital Currency Groupが主導する資金調達ラウンドで2,500万ドル(約27億円)を調達しており、同社の評価額は30億ドルとされる。
今回の資金調達ラウンドには、金融大手フィデリティ、仮想通貨取引所FTX、Digital Currency Groupのほかに、Marshall Wace、Valor Capital Group、Pillar VC、Intersection Fintech Ventures、Atlas Merchant Capital、Willett AdvisorsといったVC企業も参加した。
SPAC上場を視野に資金調達か
この大型の資金調達は、特別目的買収会社(SPAC)の取引に先立ち行われたものとの情報を、仮想通貨メディアのThe Blockが情報筋の話として紹介している。現時点では、Circleからのコメント等は出ていない。
SPACは「白地小切手会社」とも呼ばれ、事業を有さず、未上場企業などの買収を行うことを目的とした企業。未公開企業はSPACに買収され、その後SPACは買収された企業の看板として公開市場で取引されることになる。
未公開企業にとっては、上場に係るコストや時間を圧縮できることが期待できるとされ近年盛んな手法だが、バブルの様相を呈しているとの指摘もある。
今月26日には、米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長が、仮想通貨と並んでSPACの監視強化を行う方針を示した経緯がある。