今週の相場の動きは
今週のビットコイン(BTC)市場は、イーロン・マスクCEOによるネガティブツイートなどの影響も受け、依然400万円水準で推移するなど上値の重い展開となっている。
各指標の騰落率一覧
6/4(金)終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。
月初来騰落率
年初来騰落率
(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)
(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)
5/29〜6/4のBTCチャート
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週のビットコイン(BTC)対円相場の週足は、4日正午時点で417万円と小幅に上昇している。
前週のビットコインは心理的節目の400万円の維持に失敗したが、今週は週明けからXRPの上昇に連れ高となり同水準を回復。その後は軟調なアジア株やドル高が上値を抑え、週央にかけて400万円を挟み込む展開となるも、2日に中国・四川省で開催されたマイニングシンポジウムで具体的な対応策が見送られると、ハッシュレートの回復と共に相場も上昇。
2日米時間には、2018年に開始されたGoogleの暗号資産(仮想通貨)取引所とウォレットに対する広告禁止措置がFinCEN登録を条件に本年8月3日から廃止されることが好感され、相場は3日アジア時間に一段高で430万円にタッチ。
4日アジア時間序盤の相場はもう一段高をトライするも、イーロン・マスク氏がビットコインとの決別を示唆するツイートが嫌気され、相場は3日の上げ幅をものの3時間程度で吐き出している。
3日の上昇により、ビットコインの対円相場は三角保ち合い上放れとなったが(第2図)、4日のアジア時間に再び保ち合い上辺割れを試しており、アク抜け感は伺えない。四川省マイニングについても、シンポジウムでは意見の収集に終わったとの訳だが、最終的な方針が出てくるまでは懸念は拭えないだろう。
目先では、bitcoin 2021の開催も控えており、材料次第では底堅い展開も期待できるが、チャート上で言っても、ビットコインの日足は引き続き200日移動平均線の下で推移していることに加え、先月19日の相場急落前の水準も戻せておらず、こうした水準を回復できるまでチャート的にも到底アク抜けとは言えないと見ている。
今週は、四川省マイニングシンポジウム、米個人消費支出(PCE)、米雇用統計とイベントフルな週な割に落ち着いた値動きとなっているが、来週は10日に欧州中央銀行(ECB)政策金利発表とラガルド総裁の定例記者会見、米消費者物価指数(CPI)発表が控えている。記憶にもまだ新しいが、4月のCPIは市場の予想を遥かに上回って市場のリスク選好を萎縮させた。以前にも指摘したが、5月はベース効果がより顕著に出る可能性があるため、CPIサプライズの再来には要注意だ。
関連:bitbank_markets公式サイト
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