はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

大幅下落のビットコイン瀬戸際に、4月以降はゴールド市場と明暗を分ける

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン相場と金融マーケット

9日の暗号資産(仮想通貨)市場。三角保ち合いを下放れしたビットコイン価格は一時31,000ドルまで大幅下落し、その後反発した。

直近では5月中旬以降の下落トレンドを鮮明にしており、モメンタム悪化も際立つ。底割れすれば年初来安値の27,678ドルや昨年12月にもみ合った22,000〜24,000ドル。3年前の仮想通貨バブルの最高値である約2万ドル水準が意識されることになるため、投資家の警戒感が募る。

一方、足元では売られすぎ水準にあり、ショートカバーを伴う上昇も散見される。31,000ドルが二番底となるか否か、続落したとして3万ドル前後で下げ止まるかどうかは目下の焦点だ。

ゴールド市場と明暗

国際調査機関であるワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のレポートによれば、21年5月に+8%上昇した金(ゴールド)について、興味深い傾向が示された。

出典:WGC

19年6月から21年5月までの金上場投資信託(ETF)における月次資金フローを確認すると、20年9月に記録した+48億ドル以来マイナス圏に沈んでいた世界のゴールド流入額がプラスに転じた。 +34億ドルの内訳は欧米が中心となっており、アジアは-3億ドルだったという。

この点についてWGCは、「インフレ懸念の高まりという説よりも、ビットコインなど仮想通貨の暴落が影響したとの見方の方が理に適っている」とした。短期的には負の相関を示している。

金などの貴金属は、地球上に存在する総量(最大供給量)が決まっており、採掘のために高いコストも掛かるため、インフレーションに対して価値を保ちやすく、リスクオフ局面での安全資産として認知されている。

金市場は昨年、大規模な金融緩和に伴う、低金利と通貨安懸念などを背景に資金流入が加速した背景がある。

20年7月には、およそ9年ぶりに過去最高値を更新して1トロイオンス=2,000ドルの大台に到達。20年8月には2075ドルまで続伸するも、その後はビットコインの高騰と逆相関するようにして大幅反落。21年3月には1,670ドルまで下落した。

ビットコインが過去最高値の約700万円でピークを付けて下落を始めた4月以降は、ゴールド市場は上昇傾向に転じており、6月9日現在1,893ドルまで回復している。

GOLD/USD

米資産運用会社VanEckは20年1月、「The Investment Case for Bitcoin」と題したレポートの中で、「恒久性、希少性、匿名性を有するビットコイン(BTC)は、すでに貨幣的価値を持っており、デジタル・ゴールドとしてのポテンシャルを秘めている」と指摘。金と似たような代替資産性に関心が集まっていた。

どの国でも同じような価格で換金でき、中央集権が埋蔵量をコントロールできないという意味では、中央集権の発行体が存在せず、アルゴリズムで採掘上限が定められるビットコインにも同様のことが言える。

そのため、BTCの強気相場では、機関投資家が運用資金を金ETF市場から移動させていたとの指摘も少なくない。今年3月には、米ブルームバーグのアナリストMike McGlone氏がビットコインとゴールドを比較した指標を分析。ポートフォリオが入れ替わりつつあると主張した。

関連:「ビットコインがゴールドに置き換わるペース加速」ブルームバーグのアナリストがデータ考察

そのような状況にある中、今年4月〜5月にビットコインが天井を付けピークアウトすると、機関投資家の資金流出も目立つように。

The Timesが報じたところによると、英資産運用会社Rufferは20年11月、「Multi Strategies Fund」にあるゴールドなどのポジションを減らして、約630億円をビットコイン投資に充てていたが、20年4月にポジションを解消。得た利益を、政府発行債券であるインフレ連動国債などのディフェンシブ資産に投資し直した。

関連:国の大手資産運用会社、ビットコイン投資から一時撤退 約1,200億円の利益

個別銘柄の動向

データ分析企業Crypto Quantのデータで、イーサリアム約40万ETHの大規模なアウトフローが確認された。Ki Young Ju CEOは 強気シグナルだと指摘し、機関投資家のOTC(相対)取引の可能性があるとの見立てを示した。

7月頃に予定されるロンドンハードフォークでは、新たな手数料モデルなどを導入するイーサリアムの改善案の「EIP-1559」の実装されるが、ベースフィーの焼却(バーン)などが見込まれることでETHの供給量減少がデフレの性質を帯びることから、市場の関心を集めている。

関連:市場の関心集めるイーサリアム改善案「EIP-1559」Deribitアナリストが分析

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/14 木曜日
18:36
バリュークリエーションが保有するビットコインを全売却、利益5000万円計上へ
東証グロース市場上場企業が暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を全売却。バリュークリエーションがBTC22.36枚を売却し5000万円の売却益を計上すると発表した。
18:25
トランプ・ジュニア出資のサムザップ、73億円調達で仮想通貨戦略拡大
米上場のサムザップメディアが5000万ドルを調達完了。仮想通貨投資とマイニング事業に充当する予定だ。同社はすでにビットコインの蓄積を開始している。
17:44
Glassnode分析、イーサリアムとビットコイン上値抵抗線の突破可能性は?
オンチェーン分析企業Glassnodeは最新の市場レポートで、ビットコインとイーサリアムが現在、歴史的に重要な抵抗線に近づいていると指摘し、具体的な数値を示した。市場のボラティリティは歴史的に低い水準にあるが、長期的に見ると急激な変動が起こる可能性も示唆されている。
16:30
ビットコイン、時価総額でグーグル超え 主要資産ランキング5位に
暗号資産(仮想通貨)ビットコインが過去最高値を更新し、時価総額でグーグルを超えて世界5位に。価格高騰の背景や長期予測、保有企業事例を解説。
15:44
ビットバンク 仮想通貨SUI(スイ)の取り扱いを開始 
ビットバンクが8月14日、SUI(スイ)の取扱いを開始した。元Meta開発陣による次世代ブロックチェーンで、並列処理技術により高速取引を実現。現物取引、販売所、レンディングサービスに対応し、9月11日まで取引手数料無料キャンペーンを実施中。
13:36
リミックスポイント、ビットコイントレジャリー主軸の決算で大幅増益
リミックスポイント(3825)が2026年3月期第1四半期決算を発表。ビットコイン1,168枚を含む暗号資産(仮想通貨)224億円保有でビットコイン・トレジャリー事業を主軸とし、売上65億円、営業利益17億円の大幅増益を達成した。
12:05
Google Play、自己管理型ウォレットは新ポリシーの対象外に
GooglePlayが仮想通貨取引所やソフトウェアに対する新ポリシーを明確化する方針を示した。自己管理型ウォレットはポリシーの対象外になる見込みだ。
11:49
イーサリアム、4年ぶりの最高値迫る約70万円に高騰 スタンダード銀行は今年末予想を大幅上方修正へ
イーサリアム(ETH)が4,600ドル台(約70万円)まで上昇し、4年ぶりの過去最高値に迫る。機関投資家の買い圧力でETH ETFに80億ドル流入、取引所からは120万ETH以上が流出したほか、大手銀行のスタンダード・チャータードは年末目標を7,500ドルに大幅上方修正した。
09:33
ノルウェー政府系ファンド、ビットコイン間接保有量が7161BTCに増加
K33のリサーチ部門のトップは、ノルウェーの政府系ファンドNBIMが2025年6月末時点で間接的に仮想通貨ビットコインを7,161BTC保有していると公表。この保有量は過去最大数量だと説明した。
09:27
仮想通貨取引所Bullish、NYSEに上場
仮想通貨取引所Bullishがニューヨーク証券取引所に上場した。IPO価格が37ドルだったのに対し、株価は一時118ドルまで上がり、終値は68ドルだった。
09:10
米利下げ期待とステーブルコイン規制でビットコイン最高値、イーサリアム主導の上昇続く |仮想NISHI
BTC史上最高値更新の背景を解説。米雇用統計悪化とCPI結果を受けた利下げ期待、GENIUS法成立によるステーブルコイン規制明確化がイーサリアム上昇をけん引。オプション市場で14万ドルコール増加、年末上昇期待が高まる。
08:40
グレースケール、カルダノ・ヘデラETF法定信託をデラウェア州に登録 
米大手運用会社グレースケールがカルダノ・ヘデラETFの法定信託をデラウェア州で登録。米SEC申請に向けた動きとして注目を集める。
08/13 水曜日
18:30
ステーブルコイン「USDC」の買い方と特徴|SBI VCトレードでの購入方法を解説
USDCとは何か、SBI VCトレードでの購入方法、海外送金やDeFi運用など多彩な使い道をわかりやすく解説。日本国内での普及動向も紹介します。
18:27
メタプラネットが決算発表、ビットコイントレジャリー事業主軸の決算で大幅増益
メタプラネット(3350)がビットコイン事業主軸の決算で大幅増益となった。Q2売上の91%をBTC事業が占め、保有量は前年末比7.5倍の18,113BTCに拡大。アジア最大のビットコイントレジャリー企業として地位確立した。
18:10
仮想通貨OKB 『X Layer』中心の成長戦略を発表 前日比120%急騰 
OKXが仮想通貨OKBの総発行量を2100万枚に固定し、約2割を一括バーン。X Layer強化やPPアップグレードも実施。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧