はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「なぜビットコインの未来に賭けるのか?」数百億円規模の購入を続ける米上場企業の本音に迫る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

 

マイクロストラテジーの企業戦略

新たに約550億円を資金調達した米ナスダック上場企業のマイクロストラテジーは、さらに最大1,100億円(10億ドル)相当の株式を発行し、仮想通貨(暗号資産)の買い増しを検討する。ビットコインの大口保有者(クジラ)でありながら、上場企業として「ヘビーベット(過剰リスク)」を取っていると懸念する声も大きい。

「なぜ手持ち保有資金によるビットコインの大量購入に留まらず、3度に渡る債券発行や株の新規発行といったリスクを含まれる資金調達をしてまで、ビットコインの保有量増加(現在計92,079 BTC)にこだわっているのか?」セイラーCEO自ら、CNBCの金融番組でその理由について明かした。

関連ビットコインの追加購入に意欲 マイクロストラテジー、巨額の資金調達計画

セイラーCEOの思考プロセス

セイラー氏はまず、会社の状況を以下のように紹介した。

ビットコインは誰でもモニタリングできる「デジタル財産/デジタルゴールド」だ。この性質による影響は非常に大きい。プロの投資家や資産家だけでなく、その気になれば誰でも簡単に、億単位の金額でアクセスできる。

そこで、マイクロストラテジー社としては(2つの)戦略を持っている。

1つはビットコインを調達して、長期で保有すること。弊社は、米国で初めてビットコインの購入を公表した上場企業であり、初めて転換社債および優先債を販売してビットコインを購入した企業でもあるが、「シェルフ・オファーリング」で10億ドルの資金を確保し、今後ビットコインの購入、あるいは他の一般出費、債務清算に回す可能性がある。株式の買い戻しプログラム(200億円以上の予備資金)も設けているため、必要な時は市場から株式を買い戻せるし、会社の財務流動性は非常に高い。

シェルフ・オファーリング

シェルフ・オファリング(シェルフ登録とも)は、発行企業が一度にすべての株式を売却することなく、新しい株式を登録できるSECの規定。発売日より前に準備される新しい株式発行のSECへの登録であり、発行企業が市場の状況が最も良好になるまで株式を保有すること(棚上げ)ができる。

発行企業は株式を再登録したりペナルティが発生したりせずに、3年間にわたって棚上げられた一部を販売できる。この方法によって、適切な時期まで株式を保有することにより、会社は何らかの金融危機が発生した場合に使用できるリソースを常に確保しているメリットがある。

▶️仮想通貨用語集

この点について取り沙汰されるのは「ビットコインの大量保有で本業に支障はないのか、(株式保有者などの)ステークホルダーはそれを望んでいるのか?」という点だが、セイラー氏は以下のように回答している。

現在は、最も良いタイミングだ。20年8月にビットコインを購入するまで、MSTR(マイクロストラテジー)の株価は約120ドルで、割合としては1口=60ドルの現金資産が反映された。

しかし、バランスシートの運用方法を変え、企業向けのソフトウェアを販売しながら、ビットコインを入手するという戦略はこれまでも成功している。

21年の2Q(第2四半期)は、これまで10年間で最も売り上げの良い四半期となっており、コアビジネスは10%ほど成長し、ビットコイン戦略を合わせてシェアホルダーにも大きな利益をもたらした。株主も喜んでいるはずだ。(現時点でMSTRの株価は630ドル)

インフレヘッジとしての代替資産性

遡れば、マイクロストラテジー社が20年8月にビットコインを初めて購入したのは、新型コロナウイルスがパンデミックを起こす中、前代未聞の金融政策(量的緩和:QE4)の副作用による今後のインフレリスクをヘッジするためであり、同社は初回分で270億円相当のBTCを購入している。

今回、番組のキャスターは「有識者らは、現実世界のインフレが12%にまで膨らみ始めたと指摘している」としてセイラー氏に見解を尋ね、以下のように回答を得ている。

過去1年間で、米国内のインフレーションは実際に発生している。

ビットコインの価値は3倍以上に上昇したが、(これまで代表的な代替資産とされてきた)ゴールドはわずか+7%だったことからも、インフレヘッジとしてはビットコインの方が優れていると考えている。最近では、ポール・チューダー・ジョーンズ氏などのビットコイン初期機関投資家が、ビットコインへのアロケーションを倍増すると言及している。

ーセイラー氏

直近では、ヘッジファンド業界の大物として知られるジョーンズ氏が、ビットコインがポートフォリオの分散化に適していると言及。個人資産の5%をBTCに充てる可能性があることを示唆していた。

関連資産の5%をビットコインへ ポール・チューダー・ジョーンズが示唆

さらに、資産運用の分散化の可能性について聞かれたセイラー氏は、「ビットコインは最も支配的なデジタル財産であり、テザーなどのステーブルコインはサイバー空間のマネーマーケットになろうとするだろう」「イーサリアムは、分散化のデジタルアプリケーションとしてJPモルガンなどの既存金融体系を電子化しようとしている。この過程で、より多くの人がそれらの役割を理解しつつある」と指摘。それぞれの存在価値について見解を述べた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/27 土曜日
07:10
SWIFT、イーサリアムL2「Linea」でメッセージングシステムの移行実験か=報道
BNPパリバやBNYなど十数社の金融機関が参加 ザ・ビッグ・ホエールは26日、国際銀行間決済ネットワークSWIFTがイーサリアムレイヤー2のリネア(Linea)でメッセージング…
06:25
ソフトバンクとアーク、テザーの200億ドル資金調達に参加検討か
ブルームバーグがソフトバンクグループとアークがステーブルコイン発行大手テザーの200億ドル資金調達への参加を検討していると報じた。企業価値5000億ドルでの調達となる。
06:05
米規制当局、仮想通貨購入発表前の異常な株取引を調査=WSJ報道
米規制当局SECとFINRAが上場企業の仮想通貨購入発表前の異常な株取引パターンを調査していると報じられた。内部取引疑惑を調べている。
05:45
米バンガード、仮想通貨ETFアクセス提供を検討か
運用資産10兆ドルを持つ世界第2位の資産運用会社バンガードが、証券仲介プラットフォームで仮想通貨ETFへのアクセス提供を検討していると報じられた。
09/26 金曜日
21:59
堀田丸正、「Bitcoin Japan株式会社」への商号変更と新経営陣を発表 11月臨時株主総会で承認へ
堀田丸正は11月11日の臨時株主総会で「Bitcoin Japan株式会社」への商号変更決議を発表。親会社Bakktとの提携によりビットコイン・トレジャリー事業を開始し、アクシェイ・ナヘタを会長に迎えた新経営陣による企業変革を推進する。
16:00
スイ(SUI)リキッドステーキング解説|二重収益を狙う運用方法
スイ(SUI)のリキッドステーキングは、ステーキングによる安定した報酬を得ながら、さらにDeFiで追加利回りを狙える点が大きな魅力です。 特に、スイの代表的なリキッドステーキン…
13:55
世界の仮想通貨億万長者が24万人突破、1年で40%増加 利確リスクも=レポート
ヘンリー&パートナーズのレポートによると、世界の仮想通貨億万長者数が24万人を突破し、前年比40%の驚異的増加を見せた。利確リスクは高まっている。
13:10
グーグルが支援 サイファー・マイニング、AIインフラのフルイドスタックと4500億円契約
ビットコイン採掘企業サイファー・マイニングがAIクラウドのフルイドスタックと10年契約を締結。グーグルが債務保証する。各マイナーはAI向けデータセンター事業を拡大している。
11:03
Web3時代のVisaを目指すPlatON──創立者が語る伝統金融とデジタル金融をつなぐ「決済の高速道路」構想
PlatON創立者孫立林氏。決済・清算システム「Topos」での金融機関連携、ゼロ知識証明技術「ZKPay」実装、日本を含むアジア市場でのWeb3金融インフラ展開について語った。
10:50
ストラテジーのセイラー会長、BTCは年末に向けて上昇に転じると予測
ストラテジーのマイケル・セイラー会長はCNBCの番組で、ビットコインの価格は年末に向けて上昇するとの見方を示した。米政府のビットコイン戦略準備金に関する質問にも回答している。
10:35
米クラウドサービス大手Cloudflare、ドル建てステーブルコイン発行を計画
米上場のウェブサイト高速化サービス大手のクラウドフレアがNETドル・ステーブルコインの発行計画を発表した。自動取引とAIエージェント向けの機能を重視した設計となる。
09:55
「ビットコイン市場が冷え込むリスク依然高い」Glassnode市場分析
Glassnodeが仮想通貨市場の最新分析レポートを発表。ビットコインは長期保有者の利益確定と、ETFなどへの流入鈍化により市場冷え込みリスクが高まっていると分析した。
09:10
サークル、不正対策で取引無効化可能なステーブルコイン仕組みを検討か=報道
世界2位のステーブルコイン発行企業サークルが詐欺や紛争時にステーブルコイン送金を取り消せる仕組みの導入を検討していることをフィナンシャル・タイムズが報じた。
08:35
ヴィタリック「イーサリアムにフサカのPeerDAS導入は重要」
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は、ブロブの利用急増などに関する課題についてフサカで改善できるとXに投稿。PeerDASがブロブの拡張性向上に貢献できると説明している。
07:50
ブラックロック、利回り提供のビットコインETF商品を申請へ
世界最大の運用会社ブラックロックがカバードコール戦略を用いるビットコイン・プレミアム・インカムETFの申請を準備していることが明らかになった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧