CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨取引所に対するSECの権限は? 米議員、ゲンスラー委員長に質問状を送付

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨取引所に対するSECの権限

米民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、暗号資産(仮想通貨)の規制について、米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長宛に7日付けで質問状を送付した。

仮想通貨取引所を適切に規制するために、SECの権限について情報が欲しいと要望。価格変動が大きく不透明な市場で、投資家や消費者をリスクにさらしたままにしている現在のルールを改善するために、SECに適切な権限を与えるよう議会が取り組む必要があるかを判断したいと説明している。

ウォーレン氏はベテラン政治家で、2020年11月の米大統領選挙に立候補した経歴も持つ議員。先月のCBDC(中銀デジタル通貨)に関する公聴会では、仮想通貨がオルタナティブ資産として存在感を高めていると言及し、現金の代わりとして見た場合、「仮想通貨は三流以下(4等級)のオルタナティブに過ぎない」と酷評したことで業界から反発されている。

米上院銀行委員会、民主党ウォーレン議員が「仮想通貨に関する各問題」を批判

今回の質問状では、仮想通貨取引所の説明から始め、コインベースの出来高の増加、そのコインベースが株式を上場したことなどに言及し、近年仮想通貨の需要が高まっていることを指摘。そのような環境下で、米国の規制を遵守しないで取引所を運営できる可能性があるとし、SECや米商品先物取引委員会(CFTC)の規制の枠組みが不十分であると述べている。

また、詐欺や市場操作に対する保護が行き届いていないとも主張。送金や支払いに関する国家レベルの規制はあっても、それだけでは仮想通貨の取引市場を安全に運営するには不十分だとした。規制が不十分だと、出来高や仮想通貨の価格などに関する正確な情報を、投資家が入手することもできないと主張している。

さらに、DeFi(分散型金融)も含め、過去6カ月間で詐欺の被害に遭う人が増えていることなどをデータを用いて指摘。仮想通貨業界は成長しているのに、投資家保護の規制が不足していると、持続可能な方法で市場が発展しないと主張している。SECが、証券取引所と同様に運営されている仮想通貨取引所の規制も担当するのであれば、双方に同様のルールを設けるべきだとした。

質問内容

ウォーレン議員は上述したように、仮想通貨取引に参加する投資家や消費者を保護するために、SECの現在の権限を理解する必要があるとし、その後で議会がどのようなアクションを取るべきなのかを知りたいと考えている。ゲンスラー委員長も以前、仮想通貨の規制整備は議会と協力して行なっていきたい意向を示した。

米上院銀行委員会、民主党ウォーレン議員が「仮想通貨に関する各問題」を批判

今回の質問状には7つの質問を記載し、28日までの回答を要求している。質問の大まかな内容は以下。

    1. 仮想通貨取引所は公平に、正しく、効率的に運営されていると思うか? そう思わない場合、SECはどんな問題を認識しているか?
    2. 取引対象の仮想通貨と従来の有価証券にはどんな違いがあり、それは投資家保護にどのような影響を与えるか?
    3. 仮想通貨取引所の規制に対するSECの管轄を説明し、従来の証券取引所に対する権限との違いを述べて欲しい。
    4. バイナンスのように拠点を持たない企業もあるが、仮想通貨取引所の規制において、国際的な協調はどのぐらい必要と考えているか?
    5. 「DeFiのデリバティブ商品取引は違法になる可能性がある」などと指摘するCFTCのDan Berkovitzコミッショナーの意見に賛成か?
    6. DeFiのプラットフォームについて、投資家保護の観点からSECの管轄においても懸念事項はあるか? ある場合、SECの課題は何か?
    7. 中央集権型の取引所と比較し、分散型取引所(DEX)に追加すべき投資家保護対策は十分か?
米CFTC委員、未登録DeFiデリバティブが米国で違法になる可能性に言及

DEXとは

「Decentralized EXchange」の略。ブロックチェーン上に構築された、中央管理者がいない取引所を指す。

▶️仮想通貨用語集

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/01 日曜日
11:30
相場上昇でBTCは下げ幅を解消、2.8万ドルを試す展開も視野に|bitbankアナリスト寄稿
国内大手取引所bitbankのアナリストが、上昇に拍車が掛かり、前週の下げ幅をほぼ解消した今週のビットコインチャートを図解。今後の展望を読み解く。ビットコイン・オンチェーンデータも掲載。
09/30 土曜日
19:23
a16zが物理製品×NFTドロップのIYKに出資-web3資金調達まとめ
過去1週間にWeb3プロジェクト12社が計約90億円を調達。NFTドロップを実現するNFCチップ提供の「IYK」はa16zらから23億円を集めた。アディダス「NFT NYC 2023限定シャツリリース」の実績を有すIYKは、個人サービス向けサービス基盤をリリース。
15:33
米サークル社がステーブルコインの「非証券性」を主張、SEC対バイナンス訴訟めぐり
米サークル社は28日、バイナンス対SECの訴訟で書面を提出。決済用ステーブルコイン自体は証券ではないとの見解を述べた。
15:17
米Circle、ステーブルコイン運用基盤を無償公開
ステーブルコイン発行の米Circleは、「Perimeter Protocol」をオープンソース化した。リアルワールドアセットのトークン化の需要増加に対応し、USDCのユースケース拡大を狙う。
10:45
スリーアローズ破綻に進展、Zhu氏をシンガポールで逮捕
破綻した仮想通貨ヘッジファンド3AC共同創設者の一人Su Zhu氏はシンガポールで逮捕された。清算人の調査に協力しなかったことで懲役刑となる。
10:05
グーグルクラウド、Polygonバリデーターに参加
Google Cloudが、Polygonのバリデーターとして参加していることがわかった。同社は今年4月からPolygon Labsと「継続的な戦略的協力関係」を維持している。Google Cloud APACは、関連するYouTube動画を公開した。
08:25
SBI、XDC Network運営企業と合弁会社設立へ
SBIホールディングスは、UAE拠点のTradeFinexと日本における合弁会社の設立について基本合意した。仮想通貨XDCの上場を望む取引所のサポートなど、新会社の事業を説明している。
09/29 金曜日
18:24
世界のゲーム企業時価総額トップ40企業のうち、29社がWeb3分野を模索
時価総額上位40のゲーム会社の中で、29社がWeb3分野を模索している。NFTゲームの開発を進めているNexon、バンダイナムコ、コナミ、Krafton、スクウェア・エニックス、ユービーアイソフトの7社を中心に動向をまとめた。
16:53
米決済大手PayPal、NFTの購入・送信システムで特許出願
米決済大手PayPalは、NFTの購入・送信システムに関する特許を米国特許商標庁に申請している。オフチェーン取引機能などを備えるものだ。
13:56
BISと各国中央銀行、CBDC取引の実証実験成功
国際決済銀行は、フランス、シンガポールおよびスイスの中央銀行とともに行った、ホールセール中央銀行デジタル通貨(wCBDC)のクロスボーダー取引および決済の実験に成功したと発表した。
13:00
米コインベース、米国外のリテールユーザーに無期限先物サービス提供へ
米大手仮想通貨取引所コインベースは、バミューダ金融庁から米国外のリテールユーザー向けに無期限先物を提供するライセンスを得たと発表した。
12:53
ビットコインやや反発、MakerDAO(MKR)前月比50.0%高の背景は
暗号資産(仮想通貨)相場では米株指数の反発の影響もありビットコインが反発。アルト市場ではMakerDAO(MKR)が前月比50.0%高となり年初来高値を更新した。
12:00
アジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX 2024」、ザ・プリンスパークタワー東京で開催へ
国内最大手の暗号資産(仮想通貨)メディアCoinPostは、アジア最大級のWeb3国際カンファレンス「WebX 2024」の開催を発表した。第2回は、ザ・プリンスパークタワー東京で行われる。
11:38
FTX Japanが支払い能力証明を導入
FTX Japan株式会社のセス・メラメドCOO、顧客から預かった資産の保全状況を証明するため、新機能「Proof of Solvency」を導入したと発表した。取引所の残高が預かり資産を上回っていることを、改ざん不可能で検証可能な方法で証明する。
10:26
イーサリアムのテストネット「Holesky」起動
仮想通貨イーサリアムのブロックチェーンについて、新たなテストネット「Holesky(ホレスキー)」が起動した。次期ハードフォークDencunに向けた重要なステップであり、開発計画の進展につながる動きだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2023/10/19 14:00 ~ 16:00
東京 東京都渋谷区
2023/10/28 14:00 ~ 17:00
東京 東京都中央区
重要指標
一覧
新着指標
一覧