はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨取引所BitMEX訴訟、裁判官が原告による「仮想通貨の基礎レッスン」提供を却下

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨のレッスンは必要ない

暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所BitMEXに対する訴訟で、基本的な仮想通貨のレッスンを提供するという原告の申し立てを、裁判官が却下したことがわかった。法律メディアLaw360が報じた。

米カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所のWilliam H. Orrick判事は、原告であるBitcoin Manipulation Abatement LLC(BMA)の提案に対し、次のように述べている。

「原告は、仮想通貨に関する個別指導が裁判に有益だと考えているが、私はそうは思わない。原告は目下の課題、つまり、もっともらしい申し立てを行ったと私を納得させることに、重点的に取り組むべきである。」

デリバティブとは

デリバティブとは、仮想通貨や株式といった元になる資産から派生した金融商品のこと。

▶️仮想通貨用語集

訴訟内容と経緯

BMAは、BitMEXの元親会社であるHDR Global Trading Limitedとその幹部であったArthur Hayes氏、Ben Delo氏、Samuel Reed氏を、ゆすりや資金洗浄、また相場操作によって巨額の不正利益を得ていたとして、訴えている。Hayes氏ら3人はBitMEXの共同設立者である。

BMAがBitMEXに対し、初めて訴訟を提起したのは2020年の5月に遡る。BMA側の申し立ては、裁判所から繰り返し却下されており、今回が4度目の訴訟提起となる。

前回に原告の主張が却下されたのは今年3月だった。

関連:BitMEX、巨額マネロンや相場操縦で新たな訴訟に

BMA

原告であるBMAに関する公的な情報は限られているようだ。プエルトリコで登記され、法人登記簿に記載された取締役は、Pavel Pogodinという人物ということだけが明らかになっている。なお、Pavel Pogodin氏はConsensus Lawという法律事務所を代表する弁護士で、BitMEX訴訟を担当している。

BMAは、これまでにリップル社に対しては、未登録の証券を販売したとして(2020年5月)、またFTX取引所に対しては、未登録証券の販売と市場操作を主張して(2019年11月)、提訴した経緯がある。

被告のHDR Global Tradingは、BMAが「仮想通貨分野で”特許トロール”(注:大企業相手に法外な賠償金を請求)のように活動していると認識されている」と語っている。

Pavel Pogodin氏は最近のツイートで、米大手取引所Krakenを不正取引で調査しており、損害を被ったユーザーに連絡するよう呼びかけている。

本命の訴訟

BitMEXに対してはBMAの他にも複数の民事訴訟が起こされている。なお、両件とも担当弁護士は、BMA訴訟と同じPavel Pogodin氏である。

関連:仮想通貨取引所BitMEX、さらなる訴訟事例に直面

しかし、同取引所や元幹部にとって最も重要な意味を持つのは、米司法省(DOJ)と米商品先物取引委員会(CFTC)による刑事訴訟だろう。

昨年10月、DOJとCFTCは、Arthur Hayes氏(元CEO)をはじめとする幹部4人を、BitMEXへのマネーロンダリング防止要件の導入、実施および維持を故意に怠ったとして、銀行秘密法違反および銀行秘密法違反に対する共謀罪で起訴した。これらの罪状が確定すると、それぞれ最高5年の懲役刑が科せられる。

関連:BitMEXの「米国法逃れ」で逮捕事例、何があったのかービットコイン下落要因に

幹部の一人Samuel Reed氏(元CTO)は、同月逮捕され、その後500万ドル(約5.5億円)の保釈金で釈放された。Hayes氏とBen Delo氏は自主的に当局に身柄を預けた後、それぞれ1,000万ドル(約11億円)と2,000万ドル(約22億円)の保釈金で釈放されている。

この3人に対する裁判は、2022年3月に開始される予定だが、BitMEXの事業開発責任者であったGregory Dwyer氏は、依然として逃亡中の模様だ。

なお、取引所としてのBitMEXは、幹部を刷新して新体制を敷き、規制遵守を徹底させ「世界最大の規制に準拠した仮想通貨デリバティブ取引所」として新規サービスの拡大を図るなど、企業努力を続けている。

関連:仮想通貨デリバティブ取引所BitMEX、新規サービスの拡大に注力する方針

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/29 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、リップルによるSEC相手の控訴取り下げやソラナ財務企業の株価暴落など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン下降チャネル上限届かず、PCE発表控え押し目形成の可能性に注意|bitbankアナリスト寄稿
今週の週次レポート 国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。 目次 ビットコイン・オン…
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メキシコ大富豪のBTC価格上昇予測に高い関心
今週はメキシコ大富豪のビットコイン価格上昇予測、米テキサス州のビットコイン準備金設立法案成立、金融庁の仮想通貨規制審議に関するニュースが最も関心を集めた。
06/28 土曜日
14:00
仮想通貨配分を4割まで推奨、米著名金融アドバイザー「従来60-40モデルは時代遅れ」と見解
著名金融アドバイザーのリック・エデルマン氏は最新見解で仮想通貨ポートフォリオ配分を従来の1%から最大40%へ大幅引き上げを推奨。
13:15
米上場Genius Group、ビットコイン買い増し構想 勝訴した際の損害賠償で
NYSE上場のGenius Groupが、訴訟勝利の場合に得られる推定10億ドルの50%をビットコイン購入に充当する計画を発表した。昨年よりビットコイン財務戦略を採用している。
11:26
イーサリアム取引量史上3位、価格低迷でもネットワーク急増
イーサリアムが6月25日に175万件の取引を記録し史上3位を達成。価格は低迷するもネットワーク活動は活発化、従来のアルトシーズン理論に変化の兆しになるか。
10:25
イスラエル当局、仮想通貨報酬によるスパイ容疑で3人逮捕=レポート
イスラエル当局がイラン諜報機関の工作員3人を逮捕。仮想通貨で報酬を受け取り、9000万ドル被害のノビテックス攻撃との時期的関連が注目されている。
09:45
ポリマーケットの評価額10億ドルに達する見込み USDCにも恩恵か=コインベース
分散型予測市場ポリマーケットが2億ドル資金調達しユニコーン企業になる見込みだ。コインベースは、ポリマーケットの台頭はステーブルコインUSDCにも恩恵になると分析している。
08:50
ストラテジー株トークンなど主要銘柄、Gemini EU向株式サービス開始
仮想通貨取引所Geminiが欧州連合でトークン化株式サービスを開始。マイケル・セイラーのストラテジー株を皮切りに、24時間365日取引可能な新金融サービスを提供する。
08:00
ブータン、ビットコイン保有額が13億ドルに到達
ブータンが、仮想通貨ビットコインを13億ドル相当保有していることが注目を集めている。この保有額は同国のGDPの40%に相当する。
07:55
リップル、SEC相手の控訴を取り下げ 5年間の法廷闘争が終結へ
リップル社のガーリングハウスCEOが28日、SEC相手の控訴を取り下げると発表。約5年間続いた法廷闘争が終結し、同社は事業発展に注力する方針を示した。
07:10
米仮想通貨銀行アンカレッジ、USDC等の段階的廃止発表 業界から「利益相反」批判
米仮想通貨カストディ銀行アンカレッジがUSDCとAUSDの段階的廃止を発表、ステーブルコイン安全性評価で業界から自己利益優先との批判を受ける。サークル株価は15%と大幅安。
06:49
韓国カカオペイ株急落、ステーブルコイン規制懸念が背景か=報道
韓国カカオペイ株がステーブルコイン参入期待で急騰後17%下落、投資リスク銘柄指定で売買停止。米サークル株も15%安と波及か。
06:15
ロビンフッド、XRPとソラナのマイクロ先物契約を開始
米デジタル証券大手ロビンフッドがマイクロ先物でXRPとソラナを追加、ビットコイン金曜先物のマイクロ版も提供開始し仮想通貨商品を拡充。
06:00
ビットコイン取引が快適なのは?手数料・板の厚み・ツールの充実度で主要取引所を徹底比較
暗号資産(仮想通貨)ビットコインの売買や送金におすすめの国内取引所について、メリットとデメリットを徹底比較。手数料・スプレッド・送金速度、セキュリティ、積立・レンディング機能などを調査しました

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧