ビットコイン相場と金融マーケット
12日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比+1.2%の509万円(46,160ドル)と高値圏で推移する。
短期的にはここ数週間の上昇率の反動で、再び8月上旬のような調整局面が訪れてもおかしくないだろう。現時点では上値抵抗線での売り圧力が加わっているものの、200MA上で好位置をキープしていると言えそうだ。週足では、トレンド系指標のMACD(Moving Average Convergence Divergence)がゴールデンクロスしかけている。
週足MACDのGCは、過去最大級の強気トレンドの起点となった、20年4月と20年10月以来。
2017年の第一次仮想通貨バブル崩壊後で低迷していた19年2月には、1BTC=4,000ドル台で週足MACDのゴールデンクロスが成立している。その後、好材料が相次いだことで、19年6月にかけて1BTC=14,000ドルまで高騰した。
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月足を確認すると、過去最高値の1BTC=65,000ドル(約700万円)を記録した21年4月に付けた大きな下髭先(月安値)が47,000ドルを付けており、同価格帯とオプション市場でも意識される心理的節目の5万ドル付近が上値抵抗線として意識されているものと思われる。
機関投資家のイーサリアム需要が増加
直近では、アルトシーズン再来の兆候が確認されるほか、大型アップグレード「ロンドン」でEIP-1559を実装したイーサリアム(ETH)が市場をけん引し、DeFi(分散型金融)市場やNFT市場への資金流入が再び加速しつつある。
これまでのバーン総量は、すでに30,879ETH(110億円相当)に及び、燃焼速度は分間3.25ETHに達した。ETHの市場流通量が減少することで、希少価値向上に寄与している。出来高に比例してバーンを先導しているのは、大手NFT(非代替性資産)マーケットプレイスの「OpenSea」と、DeFi(分散型金融)領域でイーサリアム基盤の大手分散型取引所「UniSwap V2」だ。
資産管理会社のCoinSharesのレポートによれば、仮想通貨関連の金融投資商品に対するイーサリアムの市場シェアは、21年初頭の11%に対して、現時点で26%にまで拡大。
8月第1週には、イーサリアムは機関投資家から280万ドルの流入を記録した。管理下にあるイーサリアムの総資産は126.5億ドルに達している。
John Street Capitalのデータによると、米最大手仮想通貨取引所コインベースの合計取引量・2021年2Q(米国)では、初めてイーサリアムの四半期出来高がビットコインの四半期出来高を上回った。前年同期は3.8倍差が付いていたが、これを覆したことになる。
リップルが高騰
個別銘柄では、XRP(リップル)が前日比+18.2%の1.03ドルと高騰し、約3ヶ月ぶりに1ドル台を回復した。日本円では一時120円近くまで上昇する場面があった。
米リップル社は10日、韓国の送金業者Global Money Express Co. Ltd(GME)が、クロスボーダー送金ネットワークの「RippleNet」に加わったことを発表。7月28日には、国内上場企業であるSBIホールディングス傘下のレミット株式会社が、日本初となる仮想通貨を用いた国際送金サービスを開始したことを発表した。
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21年11月には、毎年開催されるリップル社の国際カンファレンス「Ripple Swell Global 2021」が予定されており、こちらも注目されそうだ。
関連:リップル社の年度イベント『Ripple Swell Global』、11月開催予定なお、Ripple社の共同創業者の1人で、現Stellar共同創設者のJed McCaleb氏によるXRP売却は過去2週間で8000万XRPに達した。 海外仮想通貨メディアU.TODAYが報じた。
このペースでいけば、残り6.47億XRPとされる保有数は、早ければ今年9月〜12月に売却し切るとされており、売り圧に対する懸念が後退する可能性がある。
現在、米SEC(証券取引委員会)とXRPの有価証券問題をめぐり係争中のリップル社であるが、「どのような判決が下るのか、あるいは和解に至るのか」裁判の行方についても市場から注視されている。
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