CoinPostで今最も読まれています

機関投資家のイーサリアム需要増加、フィデリティやNYDIGもサービス提供を検討中

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

機関投資家のイーサリアム需要増える

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の高まる人気を裏付けるかのごとく、機関投資家からも時価総額2位の主要銘柄に対する需要が増えていることがわかった。企業向けに仮想通貨関連サービスを提供する米金融大手フィデリティ社やNYDIG社もイーサリアム関連商品の提供を検討していると関係筋の話で明らかになった。

NYDIG

CoinPost提携メディアのThe Blockの信頼する関係筋によれば、機関投資家向けにカストディなど各種サービスを提供するNYDIG社は密かにイーサリアムのカストディ提供を開始したという。また、大手ヘッジファンドからイーサリアム関連のサービス開始を求めるアプローチも受けていると説明したという。

NYDIGとは

2017年設立の仮想通貨投資企業。大手ヘッジファンドStone Ridge Asset Managementの傘下で、ビットコインのカストディや投資商品を提供している。

▶️仮想通貨用語集

NYDIGはこれまで、ビットコインを中心としたサービス展開を行ってきたことから、イーサリアム商品の提供を検討することは需要の高さが示唆されている。

同社は4,400億円に及ぶ仮想通貨資産を運用。最近ではデジタルペイメントプロバイダー米Allied Payment Networkやエンタープライズ決済大手NCRと提携し、仮想通貨取引サービス・システムを提供する事業を進めながら、ビットコインETFの申請も行っている。

フィデルティ

また、大手資産運用企業フィデリティ社の仮想通貨部門であるFDA(Fidelity Digital Assets)社の関係者も顧客側からイーサリアム商品の提供に関する期待が高まっていることを明かした。

関係筋が顧客ベースの大半を占めるヘッジファンドなどからイーサリアムのカストディ・サービスの提供を求める声が高まっていると言及。これまでには、FDA社のTom Jessop CEOが2022年秋の提供を目指していると語ったことがあるが、関係筋は年内に実現する可能性があると説明した。

しかし別の関係者は「(開始)時期が変動するため、正直なところ具体的な時期を定めるのは難しい」とコメントした。

同社は2019年にもイーサリアム対応を目指していたが、当時は「テック系の負債の返済」の方が優先順位が高いとして、実現には至らなかった経緯がある。

高まる需要の背景

機関投資家がイーサリアムに着目する理由としては、DeFi領域の高いイールド(利回り)にあると考えられる。

イールドファーミングとは

イールドファーミングとは、DeFi(分散型金融)上で、暗号資産(仮想通貨)を預けて流動性を提供することにより利益を得るシステムのこと。

▶️仮想通貨用語集

米国版「マネーの虎」とも言える投資エンタメ番組「Shark Tank」にも登場し、NBAチーム「ダラス・マベリックス」のオーナーでもある著名投資家Mark Cuban氏もDeFiに注目している。

Cuban氏いわく、DeFiプロトコルは既存金融よりリスクは高いものの、現状伝統金融のイールドが低下しているため、高い利益率が望める投資対象を欲していると説明。DeFiのレンディングなどを「高配当の株式や高利回りの無担保債権」に例えた。

関連:Mark Cuban氏、イーサリアムのレイヤー2ソリューション「Polygon」へ出資

また、機関投資家向けの仮想通貨投資企業FalconXのAya Kantorovich氏は機関投資家の関心高まりは市場の状況を反映していると分析。FalconXでも資産運用企業や投資プロが関心を示していると語った。

他にも、金融大手ゴールドマンサックスが「イーサリアムはビットコインを上回る可能性がある」と分析したレポートの存在も大きかったと指摘。機関投資家も高いイールド(収益)を求めているため、現状高いイールドを生み出しているイーサリアムに注目が集まるのは当然であるとした。

さらに、コインベースが先日公開した2Q(第2四半期)レポートでも、取引量の比率においてイーサリアム(26%)がビットコイン(24%)を上回ったことが判明している。ETH取引量がBTCを上回った要因として、コインベース側はビットコインの現物出来高の低下やNFT(非代替性トークン)とDeFi(分散型金融)領域の台頭などが影響したと分析した。

関連:資産運用額トップ100のヘッジファンド、1割が米コインベースの顧客に

CoinPost App DL
記事提供:THE BLOCK
THE BLOCKとは

Cryptoにおける”最初で最後の言葉”であること。
The BlockはCryptoにおける最高クオリティで最重要のシグナルをお届けします。日々、Website、Newsletter、Podcast、イベントを通じて、業界で最も影響力のある人々にリーチしています。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/27 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、アバランチのVisaカード発行やAI系ミームコインGOATの高騰など
仮想通貨市場の1週間の動きをまとめ、ビットコイン、イーサリアム、XRP、アバランチなど時価総額上位の仮想通貨の最新の材料を紹介。米国著名投資家の発言やマイクロソフトのビットコイン投資検討など、重要なトピックスも取り上げた。
11:30
心理的節目の上抜けに成功すれば、ショートカバー伴い最高値を試しにいく展開も視野|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが1000万円台前半で底堅い推移となるビットコイン(BTC)相場を分析。今週の相場失速で失望するのは時期尚早だと言及し、今後の展望を解説した。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|DOGE時価総額3兆円突破に高い関心
今週は、ドージコインの時価総額3兆円突破、米政府のウォレットから30億円相当の仮想通貨が不正流出した可能性、マイクロソフトのビットコインへの投資評価に関するニュースが最も関心を集めた。
10/26 土曜日
14:00
「ビットコイン現物ETF、個人投資家が需要の8割を占める」バイナンスが報告
バイナンスがビットコインの流通量4.5%を現物ETFが保有していると指摘。個人投資家主導の需要拡大と機関投資家の緩やかな参入を分析している。
11:55
リップル社、仮想通貨XRPめぐる対SEC控訴裁判で4つの論点を提出
リップル社がSECとの裁判で控訴審に向けた陳述書を提出。ハウィーテストの適用など4つの重要論点を提示している。
07:20
マイクロストラテジー、24年ぶりの高値 ビットコイン強制売却の可能性は「極めて低い」 BitMEXが分析
BitMEX Researchのアナリストは、マイクロストラテジーが現在の債務構造に基づいて保有しているビットコインを強制的に売却する可能性は「極めて低い」と主張した。
06:35
ハッカー、米政府の仮想通貨ウォレットに大部分の流出資金を返還
米政府の仮想通貨ウォレットから流出した約30億円相当の資金のほとんどが、24時間以内に返還されたことが観測された。
06:15
テザーCEO、米政府捜査の報道を否定
ステーブルコイン発行企業テザーのパオロ・アルドイーノCEOは26日、米国の連邦検察当局が同社を調査しているとのWSJ報道内容を否定した。
10/25 金曜日
18:05
AIエージェントと仮想通貨の融合 コインベースが描く未来像
米コインベース・ベンチャーズは、人工知能(AI)とブロックチェーン技術の新たな融合がデジタル経済を変革すると主張。Web3上で、自律型AIエージェントが人間と自由にやりとりする世界「エージェントWeb」が誕生する未来のビジョンを描いた。
13:28
国内における「暗号資産ETF」実現に向け、 ビットバンクが勉強会の総意として提言公表
暗号資産(仮想通貨)bitbankを運営するビットバンクは、証券会社や資産運用業者、信託銀行等と共同で行う「国内暗号資産ETF」勉強会への参加とともに、参加メンバー一同として日本における暗号資産ETFの実現に向けた提言を発表した。
11:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3200万円相当の報酬獲得
仮想通貨ビットコインのソロ個人マイナーが再び大きな報酬を獲得したことが判明した。9月に続く事例である。
10:45
1995年公開「攻殻機動隊」のNFT、アニモカブランズジャパンから発売へ
今回は第一弾で、1995年に公開された押井守監督作品『攻殻機動隊』をフィーチャーしている。このNFTコレクションでは、作中に登場するキャラクターのパーツを、Mocaverse、CoolCats、San FranTokyoのPFP専用Traitsとしてそれぞれ描き下ろした世界に1つだけの作品となっている。
09:35
米国ビットコイン現物ETF、約100万BTCの保有でサトシ・ナカモトに迫る
米国ビットコイン現物ETFの保有BTCが98.5万枚を突破。サトシ・ナカモトの推定110万枚に接近している。
07:50
マイクロソフト、12月株主総会で「ビットコインへの投資評価」を議決権行使項目に設定
米IT大手マイクロソフトは12月上旬に予定されている2024年の年次株主総会に向けて、「仮想通貨ビットコインへの投資の評価」を議決項目の1つとして設定した。マイクロストラテジーのようにビットコイン保有企業になるか。
07:20
取引所らの企業、日本の仮想通貨ETF誕生に向け提言作成
日本で仮想通貨ETFが承認されることを目指し、取引所や法律事務所らが税制改正などを含め提言を作成した。対象銘柄をビットコインとイーサリアムに絞ることも提案している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧