独自トークンで観光業のデジタル経済に備える
タイ国の観光庁(TAT)が、独自の暗号資産(仮想通貨)となるユーティリティトークン『TATコイン』の発行を検討していることがわかった。地元紙が29日に報じた。
報道によると、観光庁はTATコインの規制面や発行の実現可否について、タイの証券取引所と議論しているところだという。
発行目的
同庁のYuthasak Supasorn長官によれば、TATコインの発行目的は、旅行業者間で旅行用クーポン券における流動性を強化することや、今後タイで増加が見込まれる観光客による仮想通貨利用に向けたインフラ準備の一環だとした。
TATコインは、「既存の仮想通貨のように、投機目的の運用はできない」と言及してることから、タイの法定通貨であるバーツや米ドルなどにペッグされたステーブルコインのような性質を備える可能性を示唆する。
また、同国内の仮想通貨取引所Bitkubと提携し、TATコインやその他の銘柄、およびNFTも取り扱う総合的な観光業プラットフォームを開発するといった長期的計画もある模様だ。
TATコインの発行検討は同国で進むデジタル経済への対策だけでなく、新型コロナの感染拡大で壊滅的な被害を被った観光業を復興させるための促進案とも見られる。タイは11月1日に、首都バンコクおよびその他9つの地域における強制検疫が解除される予定がある。