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米SEC委員、仮想通貨関連含むユニコーン企業の透明性向上を呼びかけ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「ユニコーン企業には透明性が必要」

米証券取引委員会(SEC)のAllision Herren Lee委員は12日、暗号資産(仮想通貨)関連を含むユニコーン企業の増加に伴って、市場の透明性を向上する必要があると話した。

米SEC(証券取引委員会)とは

株や債券などの証券の取引を監督する米国の政府機関のこと。1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。SECは「Securities and Exchange Commission」の略で、日本では「証券取引等監視委員会」が近い役割を担っている。

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背景として2009年以降、非上場企業の資金調達額は、上場企業の株式等による調達額を上回っており、いわゆるユニコーン企業(評価額が10億ドルを超える非上場ベンチャー企業)の数も増えていることがある。

元々は、伝説上の生き物「ユニコーン」のように稀という意味で名付けられたものだが、Lee委員は「ユニコーン企業はもはや珍しいものでも、神話的なものでもない」として、次のように続けた。

市場に与える大きな影響にもかかわらず、ユニコーン企業の運営などに関する情報はほとんど公開されていない。

こうした大きな非上場企業の中には、業界の規制を受けている企業もある。しかし、そうした規制は、最近数が増加している仮想通貨関連のユニコーン企業の場合のように、非常に希薄なものであったり、財務の透明性にほとんど貢献しないものであることが多い。

Lee委員は、スピーチの結論部分で「SECは資本市場の透明性を回復するために、既存の権限内で今すぐ行動するべきだ」と呼びかけている。

資本市場において透明性が重要であることを再認識し、公開市場と非公開市場の適切なバランスが取れているかを、継続的に再評価していく必要があるという。そのバランスを保つことにより、「イノベーション」と「十分に情報開示された上での資本投下」の両方を支えていくことができると主張した。

仮想通貨セクターのユニコーン企業増加

Lee委員が言及したように、この1年で仮想通貨セクターの資金調達は活発になっている。仮想通貨メディアThe Blockの研究部門によると、第3四半期中だけで、計423件、80億ドル(約9,000億円)が非公開市場で調達された。ここ数日の間にも、10億ドル(約1,100億円)を超える資金調達が4つ行われている。

まず、仮想通貨に焦点を当てたベンチャーキャピタルParadigmは現在、新しいファンドを開設するために10億ドル以上を調達しているところだ。

最大手仮想通貨取引所バイナンスも、10億ドル規模のバイナンス・スマート・チェーン(BSC)ファンドを発表。

関連バイナンス、1,000億円規模のBSCファンドを発表

また、仮想通貨決済のスタートアップ企業MoonPayは、最初の資金調達ラウンドを経て、評価額が34億ドル(約3,800億円)に達すると報じられている。設立3年目のスタートアップとしては異例の規模となった。

MoonPayは、OpenSea、Bitcoin.comなど様々なマーケットプレイスで、仮想通貨やその他のデジタル資産を購入する際に、ユーザーがクレジットカード決済を行えるソリューションを提供。500万人以上のユーザーを抱え、80以上のデジタル資産に対応しているという。

 

仮想通貨レンディングを提供するCelsius Networkも、WestCapが主導する資金調達ラウンドで4億ドル(450億円)以上を調達したと発表。これにより、同社の評価額は30億ドル(約3,400億円)となった。

Celsiusに対しては、ニュージャージー州、テキサス州、アラバマ州、ケンタッキー州の規制当局が、有利子口座の提供は「未登録有価証券の販売」とみなされるとして調査を開始したり、サービス停止を要求している状況がある。こうした中でも、Celsiusの成長は続いており、同社の管理資産は250億ドル(約2.8兆円)以上に上る。

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